カレンダー

2017年10月
« 9月    
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  
ランドスケープ, フェロー | 2014/09/26  11:26
Text : 事業部

ラ コリーナ近江八幡では、自然と人が寄り添う空間づくりが進んでいます。

ランドスケープアーキテクトをご担当下さっている重野国彦さんに、具体的な計画から未来の風景までたっぷりお聞かせいただきました。10年、20年、いえいえ、50年、100年先の未来を見据えながら計画は進んでいます。インタビューを3回に分けてお届けします。

第1回目は、たねやとの出会いについて、そして、ランドスケープについてのお話です。

■北海道と近江八幡

本日はありがとうございます。重野さんは北海道でたくさんの経験を積まれご活躍されていますが、たねやとはどのような出会いがあったのですか?
重野 2012年の夏、「北海道ガーデンショー」というイベントに、たねやさんの会長と女将をご案内させていただいたのがはじまりです。私は以前の職場で「十勝千年の森」の設計に携わっており、北海道ガーデンショーはそこを会場として開催されました。招待作家として招かれたイギリスのガーデンデザイナーから設計/施工を任され、自分としても初めてショーガーデンを施工する機会となりました。

th_120518_HGSDPS32

その北海道ガーデンショーで、会長と女将のガイドをしてくださったのですね。
重野 はい。私は滋賀県安土の出身なので、小さな頃から特別な時にはたねやさんのお菓子がありました。県外へ出てからも、滋賀県って何が有名?みたいな話になると「琵琶湖とたねやさん」と紹介していたぐらい、たねやさんを滋賀の誇りに感じていました。
遠く離れた土地で故郷の二人と。
重野 お会いしてすぐ「たねやさんの会長をご案内できるなんて光栄です」とお伝えすると「たねや知ってるの?」と、話になりまして。「滋賀安土の出身です」と言うと、とても驚き、喜んで頂きました。そして、まだガーデンを案内する前に、お二人から「滋賀へ戻ってきなさい」と。「今、近江八幡にこういうものを作ろうとしているから、来てください」とお言葉を頂きました。驚きを通り越して、状況も理解できずに居たのを今でも思い出します。そこから1時間半ほどガーデンを案内させていただいたところで、会長から再び、北之庄の構想、熱い想いをお聞きし、「一度現場を見に来てください」と言われました。後に“狐につままれる”とは、あの時のことを言うのだなと感じた程、今振り返っても信じられない一日でした。

th_IMG_0334

すごい出会いですね。その後、近江八幡へはすぐに来られたのですか?
重野 いえ。ご案内させて頂いただけでありがたいことでしたし、全く信じられない気持ちで。本当に行っていいのかな?と思っていました。ですが、せっかくのお言葉でもあったので、実家に帰省する際、連絡だけはと思いご連絡させていただきました。その時はご都合が悪くお会いできなかったのですが、翌年の春、改めて来させてもらいました。
2013年の春ですね。
重野 その時はじめて社長にお会いして、これまでやってきた仕事や今の仕事への取り組み方を説明させて頂きました。すると社長もすぐに「よろしくお願いします」と。家族の基盤が北海道にありますし、大きなプロジェクトであり一人で出来る規模でもないため、「一度、北海道へ戻り検討させてください」とお伝えしました。しかし、その場でどんどん話が進み…、また“狐につままれる”体験となりました。
あはははは。そんな心構えで来たわけではなかったと。
重野 そうです。故郷のために何かお役に立てることがあったら良いなと常々思っており、景観については何かしらアドバイスさせていただけるようなことがあるだろう、ぐらいにしか考えておりませんでした。仕事としては全く思いもよりませんでした。
急展開ですね。
重野 はい。お二方とも即決でした。会長も速かったですが社長も速くて驚きました。即決すぎて現実感もすぐには湧きませんでした。ただ、この規模は私一人で担える規模ではないですし、北海道の仕事もありますので、責任をもって出来る体制が整えばお受けしたい、という感じでスタートしました。既に工事も進んでおりましたので、たねやさんの想いを感じ取り、理解しながら、現場と計画に追いつくのに精一杯な毎日でした。

th_DSC03488

■ランドスケープの「繋がり」と「流れ」

今では計画地全体のランドスケープをみてくださる、なくてはならない存在です。景観を設計するときは、どのようにイメージを作られていくものなのですか?
重野 ここには八幡山と水郷があって、それらの関係がここで繋がる、というのが正しいあり方だとイメージしました。今はこの計画地と県道で隔てられていますが、八幡山の稜線の形を図面や現場で確認して、きっと昔はこう続いていたのだろうとか、すでにある丘を繋げるにはこんな流れだろう、ということを考えて決めていきます。
なるほど。
重野 あとはバランスというか。敷地内に丘を設けているのですが、これがあるかないかで空間が変わってきます。現場で想像しては図面に描き、また現場で考え、また違った見方から考えたりと、何度も現場を歩きます。何度も繰り返すと、背後の山の連なりと敷地内の丘の形がスーと繋がるような、自信の持てる配置となり繋がっていきます。
周辺環境との関係性で。
重野 はい。周りの風景を取り込んでくるように。たねやさんが八幡山の麓の竹林を整備されていますが、竹林が敷地の中に入ってくる場所も作りたいなと考えています。そうすると、道を挟んでパキッと分断されるのではなく、森も竹林も両方が入り込んできて繋がってきます。そういう繋がりが景観となってくるので、繋がりを大切に考えています。

th_IMG_0400

重野 ここは八幡山を背負っていて、手前に水郷がある。やはり敷地内だけで完結するよりも、もっと周りを取り込んであげた方がいいと思います。庭には、遠景・中景・近景と、自分の庭だけではなく遠くの山、お隣の木々まで景色として取り込むという見せ方があるのですが、そういう基本的なことを踏まえつつ、さらに、見え方だけでなく、植生や動物もつながると良いなと考えています。何か特別な、突飛なことをしようというのではなくて、なるべく馴染んでいくこと、もともとの風景、風土が残してくれているものを見つけるような感じで考えております。
素晴らしいですね。ここだけを好き勝手したらいいというのではなくて、ここを良くするためには繋がりが重要だろう、と。
重野 そうです。その繫がりを強調したり、馴染ませたり。私は「繋がり」と「流れ」というのをどの設計でも考えているのですが、それらを上手く調整する感じですね。それに、もともとある自然に勝るものはないと思ってやっています。本当は周りの山や水郷の方が素晴らしいのです。でも、皆が皆、そういうところに出向くかというとなかなか行かない。だからこそ、ここへ来て気づいていただきたいなと。
ここの良さ。
重野 はい。ここ、ラ コリーナの良さに気付いていただいて、もっと周りの繋がりある風景へも足を延ばしてもらう。そういった感覚や思いを将来、ここから感じて頂けたらと思い、取り組んでおります。

th_IMG_5859

※次回、ラ コリーナ近江八幡での様々な取り組みについてのお話につづきます。お楽しみに。


社長は厚めにしっかりと。グランシェフは職人のような丁寧さで。会長・女将もコテを手に、土壁塗りの完成です。場所は、メインショップ北ポーチ。記念の手形も見つけてください。


藤森先生ご指導のもと、従業員・大学生の総勢80名でメインショップの正面ピロティと北ポーチの外壁を塗りました。幅50メートルの土壁は圧巻。みんなで作る愛着いっぱいの建物です。


メインショップ〈草屋根〉, ワークショップ, フェロー | 2014/09/18  13:04
Text : 事業部

藤森照信先生によるワークショップ第二弾「焼杉」。メインショップの外壁の一部に使用される焼杉を、建築を学ぶ学生さんたちと共に製作しました。

焼杉はスギ板の表面を炎で真黒に焼いたもの。西日本のみにみられる伝統的な技法で、民家の外壁や塀に用いられてきました。炭素でコーティングすることによって耐久性を増す効果があるのですが、焼いて作る木造は世界的にも例のない技術。いつごろ生まれたのか、どこで生まれたのかも分からない謎めいたものです。

伝統技法を現代建築に活かすユニークさは建築史家・藤森先生ならでは。これから始まる実演を前に、ワクワクしながらレクチャーを聞きました。

th_001_DSC_4960
th_005_DSC06775

いざ、実演。スギ板3枚を筒状にあわせ、針金で縛ったものを足場に立てかけます。新聞紙を丸めて筒の下に押し込み、バーナーで着火。

th_006_DSC06777

え、それだけ?!と思うのも束の間。上部から煙が出てきました。

th_007_CIMG5571

藤森先生が板を少しこじ開けると、もうもうと炎が昇っていくのが見えます。

th_008_DSCN6484

近い!そんなに近くで大丈夫なのでしょうか…。そんな心配もよそに、板を抱きかかえるようにされる藤森先生。

th_010_DSC06809

ドーーン!豪快に倒れるスギ板。すかさず水をかけて消火します。

th_011_DSC06821

3枚の板を開くと、出来ていました!焼杉です!真黒です!!
大胆なプロセスに、皆から「おおぉぉぉー」と感心の声。

th_013_DSC06819

「意外に不思議な技術で、下から上まで均質に焼けます。木材の性質上、一旦赤く炭になると伝熱しない。酸素もないからあまり進まなくて、新しい領地を求めてどんどん炎が上に行きます」と、藤森先生。

th_016_DSCN6546

参加してくれた滋賀県立大学の学生さんたちも果敢に取組んでくれました。

th_017_DSCN6517

「簡単にできることに驚きました。建物に使われると思うとすごく嬉しいです」と声を弾ませる学生さん。彼らから飛び出す質問にも、藤森先生は一つひとつ丁寧に答えてくださいました。

th_019_DSC06836

みんなで作りあげる建築。楽しいです!

 

※メインショップ:焼杉ワークショップ


メインショップ〈草屋根〉, ワークショップ, フェロー | 2014/09/17  10:06
Text : 事業部

爽やかな秋空の下、藤森照信先生による「銅板」と「焼杉」のワークショップが開催されました。

メインショップの屋根の一部や窓枠に使用される銅板。表面にランダムな凹凸をつける作業とは聞いていたのですが、その製法を見てビックリ!とにかくバンッバンッ叩くのです!!

th_003_DSC06630

木片を振りかざし、叩き続けること約2分。複雑な光を生みだす独特な銅板の完成です。
先生自ら加工された棒も手づくり感たっぷり。

th_001_DSCN6457

内装設計の土井さんや、ランドスケープアーキテクトの重野さんほか、お世話になっているたくさんの業者さんとともに、バンッバンッ、バンッバンッ!叩きました。

th_007_DSC09992th_005_DSC09972th_009_DSC_4901

滋賀県立大学と京都大学の学生さんも参加して、とにもかくにも、バンッバンッバンッ!

th_011_DSC00014th_012_DSCN6469

「握力がなくなる~!」「ヘロヘロやぁ~!!」と言いながら、皆でワイワイ、汗だくになりながら作りました。人の手が加わることによって、とっても味わいのある銅板になっています。その数なんと410枚。

自分たちで作ったものが建物を彩ると思うと愛着もひとしお。建物の完成が楽しみです!

th_015_DSCN6561

※メインショップ:銅板ワークショップ


ページトップ