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地域 | 2015/03/31  13:44
Text : 國領美歩(広報室)

3月14、15日に、左義長まつりが行われました。

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近江八幡の日牟禮八幡宮で行われる「左義長まつり」。
古くは安土城下で織田信長も踊りの輪に加わったとされる由緒あるお祭りです。左義長とは松明・ダシ・12月(赤紙)をひとつにしたもの。現在は、安土から移り住んだ八幡山城下の人々が町ごとに左義長を作り、13基の出来栄えを競うコンクールも行われます。

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祭りの2カ月ほど前から、町の会所には夜な夜な老若男女が集います。
10代から70代まで、さまざまな年代が毎晩顔を突き合わせ、各町の特色を活かしたダシを作り上げます。五穀豊穣を願い、その年の干支をテーマに穀物や海産物などの食べ物を使うのが伝統ですが、「どんだけ綺麗に作っても、ムシ(干支の部分)が生きてなあかん」と言います。切干大根やスルメ、昆布などを張り付ける細かい作業を見ていると、少しずつ命が吹き込まれていくようでした。

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作り方は一つひとつ教わるわけではありません。「見てたら自然と覚える」と言います。
父から子の世代へ、技はしっかりと受け継がれてゆきます。

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連日作業は深夜まで続き、寝不足で体力も限界に近づきます。「どうしてこんなにも一生懸命になれるのですか」と尋ねずにはいられませんでした。
「小さい時から祭りがあるのは当たり前。考えたこともないなぁ」。祭りに熱中する親の姿を見て育ち、大きくなったら左義長をやる。そこに理由はなく、自然の流れ。当たり前に身近にあって、当たり前に続いていくのが左義長まつりでした。「大変やけど、基本はみんなまつりが好きってことやと思う」。会所に集まるみなさんの気持ちは一つでした。

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「この2カ月で1年以上の濃い時間を一緒にすごす」と言います。
家族のような兄弟のような力強い関係性がそこにはありました。

 

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「チョーヤレ、ヤーレ、ヤーレ…」威勢のいい掛け声と下駄の音、拍子が鮮やかに町中に響きわたる今日は祭りの日。
初日は「渡御(とぎょ)」といって、町によっては1トン近くあるダシを30人ほどで担ぎ、練り歩きます。肩や首がはれ上がっても、下駄の鼻緒が切れても、足を進めるのは待っていてくれる人たちがいるからです。

家の前を通る左義長を30年以上楽しみにしているご夫婦、母国にはない祭りの文化に魅せられたアメリカ人の男性にも出会いました。福祉施設では、縁側に椅子を並べた利用者のお年寄りが懐かしそうに歓声を上げていました。

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為心町の表具屋立木米さんのところには今年もたくさんの“子どもら”が駆け寄り、手を握ってゆきました。
「おかあちゃん、いつもおおきに!」「冷たい手して。風邪ひかんといてな!」これからもずっと続いてほしい思うほど、心が温かくなる光景でした。

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4年まえ、左義長まつりの前日に東日本大震災はありました。
宮司の決定で初日の渡御が取りやめとなると、「ケンカ(ダシとダシのぶつかり合い)」で大いに盛り上がる2日目、新町通りは「渡御」をすることを選びました。「ケンカはせえへん。やっぱり回ったほうがいいと思う」。当日を取り仕切る年長(若衆頭)の言葉に、みなが共感し、町中の無病息災を願って練り歩きました。毎年楽しみに、玄関先にいすを出して待っていてくれる人のために。
賑やかさや楽しさだけではなく、左義長に込められた何世代も受け継がれてきた想いを、若い世代はしっかりと引き継いでいます。

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祭りに熱中し、勇ましくダシを担ぎ上げる大人たちは、いつの時代も子どもたちのあこがれ。子どもたちも大人顔負けに、赤紙を見たら血がさわぐようでした。もう立派に左義長まつりを体現していました。

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日が暮れると、祭りはクライマックスへ向かいます。
ダシに火を放ち神にささげる奉火は、夜空に火の粉が舞うとても神秘的な儀式のようでした。

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「やりきった」という達成感と心地いい脱力感、疲れと眠気が混ざり合う中、心はもう来年の左義長に向かっていました。
歴史や文化はこうやって受け継がれ繰り返されてゆくのだと、心を打たれました。

普段は静かな町屋造りの通りにも、古くから続く職人の町にも、脈々と流れる熱が湧き出たように、活気あふれる2日間でした。たねやグループの従業員の中にも先祖から近江八幡に住み、左義長まつりに情熱を燃やす者がいます。

そこには、近江八幡に生きる人々の誇りがありました。

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いくつになっても熱くなれる、夢中になれるもの。それが左義長まつり。 祭りが生き、人が集う町、近江八幡。
私たちが目指すラ コリーナ近江八幡も、熱い想いと穏やかな関係で結ばれた人と人が集う場所になってほしいと願っています。

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日牟禮八幡宮で行われた盛大な祭りとそこに集う多くの人たちの熱気を体いっぱいに感じ、近江八幡のこの地で商いをさせていただいているのだと、ありがたく誇らしい気持ちが溢れてきました。

 

4月14日(火)、15日(水)には、春の三大火祭り「八幡まつり」が日牟禮八幡宮で行われます。


ラ コリーナ近江八幡の森を作るどんぐりプロジェクトも今年で7年目。
たねや農藝 愛四季苑を中心に従業員16名が集まりアラカシとシラカシ870本、こぐま笹312本の苗木を駐車場入口付近に植樹しました。
メインショップがオープンし、お客様が行き交う中での作業は今までとは違う新鮮さを感じるものでした。


コンセプト | 2015/03/16  17:18
Text : 田中朝子(広報室/ラ コリーナ編集室)

年2回(3月、8月)、たねやグループより発行している冊子『La collina』5号が仕上り、3月初旬から配布スタートしました!

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今回の特集は「おばあちゃんの近江八幡」。

近江八幡で生まれ、育ち、嫁ぎ・・・現在為心町にお住まいの90歳になる立木米(たちき よね)さんの暮らしに寄り添い、取材させていただきました。

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幼い頃から町に親しみ、地元のこと、お祭りのこと、日常の相談ごとなど、米さんは町中の人々からとても頼りにされているおばあちゃん。また、ふな鮨や梅干しの漬け方のコツなど暮らしの知恵がとても豊富です。

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米さんが幼かった頃と今では町の景色や様子は様変わりしていますが、その中でも、昔から変わらず受け継がれていることがあります。そこに理由はなく、当たり前のこととして繰り返され代々受け継がれていきます。静かな時間の流れの中で、人とのつながりの大切さ、豊かさの〈本質〉を感じる貴重な取材でした。

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「くらしといとなみ」では、〈為心町上の地蔵盆〉と〈ヨシ灯り展〉を。町内の子ども達を見守ってくれるお地蔵様を前に、目には見えないけれど、大切な何かが確かに子ども達の心にも吹き込まれている、そんな様子が伝わってきます。

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また、湖畔に自生する〈葭(よし)〉に親しみを持ち、活用を考えるきっかけにしてほしいと開催されている〈ヨシ灯り展〉。日が暮れると幻想的な素晴らしい作品が浮かび上がります。水、土、空気を浄化してくれる豊かな自然環境を守りながら、自然の恵みを使わせていただく・・・。感慨深いものがありました。

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人々の息づかい、いとなみ、力強さを肌で感じることができる近江。
本来の豊かさを感じていただくことができれば、と思います。

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冊子をしめくくる「ラ コリーナ近江八幡便り」では、シンボルキャラクターに選んだ〈アリ〉の不思議な魅力、優れた社会性、自然の知恵など、お菓子を商うたねやグループが学ぶべきことなどをお伝えしています。さらに、「アリものがたり」のコーナーを新しく設けました。小さなアリの世界観を少しずつひも解いてみたいと思います。

ぜひ、たねやグループ店頭でお受け取りください!

(撮影:関宙明/ミスター・ユニバース)

 

※冊子『La Collina』について、過去の記事はこちら
オンラインショップからも、お取り寄せいただけます


たねや農藝, 共同研究 | 2015/03/11  10:00
Text : 田中朝子(広報室)

この度、京都大学〈森里海連環学教育ユニット〉と たねやは、地域社会・環境貢献を目指して連携することになり、3月2日連携調印式が行われました。

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約1年前から活動は始まっていますが、どんな連携をするのか、改めてご紹介したいと思います。

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私たちの住む日本は、海に囲まれた森と里の国。
降る〈雨〉や〈雪〉は、森を育み、里を潤し、やがて海や湖に注ぐ大切な自然の恵みです。この流れの中に人の暮らしがあります。これら全てが一方通行ではなく、相互に関係することを「連環」と呼びます。

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今までは、地球の研究者は地球を、海の研究者は海を、というようにその分野を深く掘り下げていくことが主でしたが、この連環学はそれらの分野の垣根を越えて互いに研究しようというもの。これらの分離融合型学問として、「森里海連環学」が生まれ、連動して2014年4月京都大学〈森里海連環学教育ユニット〉が設立されました。

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今回の連携では、ラ コリーナ近江八幡を拠点に、森(八幡山・安土山)、里(水郷・近江八幡旧市街など)、海(琵琶湖・西の湖)をフィールドとして、人々の暮らしや生態系を体験しながら共に学び、知識を高め、共同研究を行います。
すでに、八幡山の裾にある竹林の整備をしながら、「たねや農藝」の設計、バンブーグリーンハウスなど、竹の循環利用を考えるワークショップなどを実施しています。

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今回の調印式、記者発表は京都大学(吉田キャンパス)で行われました。

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調印式の後、緑に囲まれ広々としたキャンパス内にある「ユニット本部」、昭和6年に建設された〈登録有形文化財〉「旧演習林本部事務室」などご案内いただきました。

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たねやグループのコンセプト「自然に学ぶ」。
失われつつある自然環境を取り戻し、本来の豊かな暮らしのあり方、これからの新しい価値を見いだす糸口になりそうです。

新しい未来へ向け有機的な取り組みがスタートしました!

 

※京都大学〈森里海連環学教育ユニット〉とたねやグループの今までの取り組みについてはこちら


メインショップ〈草屋根〉, フェロー | 2015/02/27  14:31
Text : 事業部

たねやの店舗壁面を彩る大きな和紙を制作してくださった、和紙デザイナーの堀木エリ子先生へのインタビュー。 第2回目(最終回)は、和菓子にも通じるものづくりの精神性について。 ※第1回目の内容はこちら。

■いのちあるもの

和紙を設置されるとき、柱にひっかかる場面があったのですが「無理させたからなおしてあげて」とおっしゃっていました。
堀木 痛そうだったでしょう(笑)。

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堀木 お菓子には実のなる木が大事だと、先ほど山本社長もおっしゃっていました。木でもね、声をかけた木はすごく実るし、かけてない木は実らないということもあったりします。クラッシック音楽を聴かせてあげたらトマトも甘くなる…なんて、おおよそ信じられないことですが、そういうことってやはりあると、私は思うんです。和紙も生きている木からできたものなので、やはり痛そうだなと思ったらなおしてあげないといけない。そこを丁寧にすると暴れないわけですが、そういうところを放っておくと紙自体が暴れるんですよ。つまり反ってしまったり、そこに皺が入ってしまったりする。ちゃんと手当てをしてあげるということがとても大事ですね。それはものに対しても、人に対しても同じですね。
作業を拝見していて、単に皺が寄ってしまうということ以上に大切にしてらっしゃる様子は、先生やスタッフの方々からとても伝わってきました。
堀木 より不純物のない白い紙を求めるために、職人さんたちが冷たい水に手を浸しながら塵や砂粒をひとつひとつ取りのぞきます。そしてやっと私たちが紙を漉けるんです。すごい人の手と想いが積みかさなって出来上がるものなので、大事に取り付けないといけないし、大事に使っていただけないといけない。ものに対する背景がわかってもらえると、そういう目で見てくださって大事にしてもらえる。するとそれが残っていく。残っていくということは伝統が継承されていくっていうことなので、どの瞬間にも気を抜いてはいけないんですよね。すべて同じ筋で、ぶれずに。どの段階をピックアップしてもそうでなければ本物にはならないんだと私は思います。“想い”ですかね、手づくりのものって。そこに心があるから面白いのです。

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■日本の精神性

和菓子と和紙の世界には、伝統的なものとして、通じるものがあるのではないかと感じます。
堀木 和菓子も四季を愛で、四季に応じた楽しみ方をしますよね。日本人の“四季に対する意識”というのは、“うつろいを楽しむ”ということ。そういう意味では日本の和紙も同じように、季節のうつろいを障子というフィルターを通して部屋の中に入れていくということでもあるし、陰翳礼讃、時間軸にとってもそう。ものすごく共通点があると思います。
そういうことを意識せずに来られたお客様にも、何か感じるものがあるのではないかと想像しています。
堀木 自然を愛でる感覚や、日本の美学そのものがうつろいを愛でるということに繋がりがありますので、お菓子というモノとして四季折々に感じるものと、時間軸として演出するものとの違いはありますが、必ず空気感や気配というものが通じ合います。

■残さなければならないもの

店舗の壁には和菓子の木型をディスプレイしています。木を彫る職人さんがどんどんいなくなっていることを社長が話しをしていていましたが、それにもとても共感されていました。

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堀木 そうですね。和紙の世界も同じように道具を作る職人さんさえもいなくなるという状況なので。昔から日本人が歩んできた“日本のものづくりの記憶”というのは大事なものだと思うんですね。なぜなら、ものづくりの背景には必ず“人の想い”や“職人の精神性”というものがあるんです。祝い事につかうお菓子は、おめでたい形をしていたり。松や鶴亀にしても、想いというのがあるでしょう。そういう意味合いをちゃんと伝えていくためにも、残さなければいけないものの一つだと思いますよね。
和紙に関しても、残さなければいけないと。
堀木 和紙の場合は、白い紙が神に通じるという精神性があります。白いペーパーの紙はゴッドの神に通じるっていうことですね。それは言い換えると、白い紙が不浄なものを浄化するという考え方です。私たちは祝儀袋として、お札を白い封筒に入れて人に渡しますが、これはお札を浄化して人に差し上げるという行為ですし、たとえばお菓子を人に贈る時に用いる熨斗紙なども、品物を浄化してから人に差し上げるという行為なんですね。人が人を思う気持ちの表れとしての真っ白な紙が、その精神性の象徴だったわけです。おもてなしの根底なんですよ、白い掛け紙をして人に渡すということは。お菓子ですとか、人と人を繋ぐものと和紙というのは、昔から密接に繋がっているわけです。
根っこの部分で繋がっているんですね。日本の精神性というもので。
堀木 品物を包装して人に差し上げるというのは、西洋では元々なかった文化です。そこにさらに白い掛け紙をするというのは、まさに浄化してから人に差し上げたいという心と心を交わすための精神なのです。
そういったお話をうかがうと、和紙に包まれたこの空間で和菓子をお届けすることに、深い精神性を感じます。
堀木 心を通わせる場としてこのような空間があり、その環境の中でたねやさんのお菓子をお求めいただく。昼と夕方では異なる表情になると思います。訪れる時間によって、皆さんにも楽しんでいただければと思います。

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日本の精神に価値を見出し、現代のクリエイションとして世に問うあり方。使命感や覚悟をもった堀木先生の姿勢、ぶれないヴィジョンをまっすぐに指し示すリーダーシップに、たねやの世界観と相通じるものを感じずにはいられませんでした。

そして何より作品の美しさ。自然の樹木や草木を素材に、たくさんの人の手で作りあげられた作品は、お菓子の空間をあたたかな雰囲気で包んでくれます。

和紙と和菓子。日本的な美意識を、自然に寄り添うあり方を、どうぞ存分に味わってください。そしてものづくりへの想いと精神を感じてみてください。

ラ コリーナ近江八幡はさり気ない極みがただよう空間です。どうぞご体感ください。

 


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