紅葉も終わりに近づき、落ち葉が風にのってくるくる舞っています。
八幡山も冬の気配を感じる風景になってきました。
賑やかに飛び回っていた昆虫たちも冬支度なのか、木の葉や土の中でじっと身を潜めているようです。
11月、3度目の冬を迎えるメインショップ、またカステラショップ、回廊の草屋根の芝刈りが行われました。
急勾配の屋根を身軽に足場をつたいながら作業が進みます。「この時期、根元までしっかり太陽があたるように2、3センチほど残して刈っていくんや。きちんと手入れしてやらな」と職人さんが愛情たっぷりに説明してくださいました。
一つ一つの作業がとても丁寧で仕上がりも美しく、数週間かけてキリッと凛々しい装いになりました。
たねや農藝〈愛四季苑〉では、回廊の屋根の上に植えてある桔梗の切り戻しの作業を行いました。切り戻しとは、これから休眠期に入り、根っこだけで冬を過ごすため枯れてきた上部を切る作業のこと。
一本ずつ切るだけでなく、同時に根が元気かどうか状況を確認するのも大切な作業の一つです。
来年の春、また元気な新芽が出てきますように・・・
桔梗の種。こんな小さな種から清楚な花を咲かせます。
一年の役目を終えた枯れ葉や芝は小さな生き物たちの冬支度のお布団になり、土に還り豊かな肥料となります。春には力強く芽吹いた葉で大きな森をつくります。ラ コリーナでもこの営みが少しずつ確かに動いているのがわかります。
12月はラ コリーナの田んぼの土を細かく砕いて掘り起こし稲株を土に混ぜ込む田起こしも行います。
いよいよ近江も静かに冬本番を迎えます。
空気の澄みわたった雪景色とともに幻想的な世界が広がりそうです。
11月3日〜6日、ラ コリーナ近江八幡で〈たいまつフェス2016〉を開催しました。期間中はお天気にも恵まれ、秋晴れの中たくさんのお客様にお越しいただきました。このたいまつフェスでは地元近江八幡で毎年春に行われる火祭りに欠かせない松明(たいまつ)が主役。
メインショップの扉奥の敷地内には3基の松明。まわりには小さな子ども松明も並び、フェスの雰囲気を盛り上げました。古代からつづく松明の文化。初めて松明をご覧になった方も多いのではないでしょうか。「あれは何?」や「大きいね、凄いね!」「初めて見た!」などの会話が聞こえていました。
特設ステージでは、地元の子どもたちによる日牟禮太鼓の演奏。小学生から高校生の子どもたちまでが参加し、より力強く迫力ある和太鼓の演奏にたくさんの拍手。パフォーマンス中の子どもたちの真剣な顔が凛々しく印象的。「格好良いね」や「叩いてみたい!」との声も聞こえました。
11月4日には滋賀出身のシンガーソングライター真依子さんのLIVE。琴の音色と透き通る歌声がラ コリーナに広がり、とても幻想的な雰囲気に。
子ども松明づくりのワークショップでは、当日飛び入りで参加してくださった方もいました。子ども松明は、子どもの成長を願って作られる小さな松明。作る様子を見ていらした方の中には、「しめ縄、こうやって作ってたね」と懐かしそうにお話される方も。
フェス期間中の限定商品、近江八幡の地酒「権座(ごんざ)」とたねや自慢のカステラのセットや3種のおこわも人気。一番人気はほくほくの栗入りおこわでしたが、古代米入りの赤飯と3種の豆のおこわも好評でした。
「ポン菓子」は出来上がりの音を聞いて、びっくりされた方も多くいらしたと思います。素朴なポン菓子は、ほんのり甘い黒糖味で子どもたちにも人気。中には袋を抱えて、夢中になってパクパク食べている子もいました。
このたいまつフェスでは、お越しくださったお客様に喜んでいただき楽しんでいただくのは勿論ですが、ラ コリーナで働く私たちスタッフも一緒になって楽しみました。地元の方やお客様と一体になって、来年は更にパワーアップして開催する予定です。是非ご期待ください!
3基の大松明は11月下旬までラ コリーナ近江八幡でご覧いただけます。
※たいまつフェス前日の様子〈たいまつフェス2016〉明日から!と初日の様子〈たいまつフェス2016〉始まりました!の日誌もあわせてお読みください。
ラ コリーナ近江八幡にて「たいまつフェス2016」が始まりました!
初日の今日は祝日ということもあり、本当にたくさんのみなさまにお越しいただき“フェス=お祭り”にふさわしいにぎやかな1日。八幡山の豊かな自然に抱かれたラ コリーナの風景に大小の松明が溶け込み、集まってくださった方々の活気や笑顔が溶け込み、ときおり虹も顔を出すとても美しい風景がありました。
「ラ コリーナは、たくさんの人々が集う場でありたい」と願う私たちたねやグループの思いが形となったたいまつフェス。今週日曜日(11月6日)まで、さまざまなイベントを予定しています。ぜひご家族みなさまで遊びに来てください!
フェス期間中ご用意している限定商品や特別メニューもご好評をいただきました!
今年7月にオープンしたカステラショップでは、希少な地酒「権座(ごんざ)」と2種のカステラを選べるセットが登場。一見意外な組み合わせですが、地元近江八幡のお米でつくられた銘酒の深い味わいと程よい甘さのカステラは相性抜群。この期間だけの大人の楽しみ方をぜひお試しください!
コンテナショップでは蒸したての3種のおこわ(豆・栗・赤飯)がおすすめ。季節の素材をつかっていますので、秋を感じてみてください!
「ポン菓子」は、素朴な黒糖味で特にお子さまに人気でした。
田んぼの中の特設ステージでは地元の子どもたちによる「日牟禮太鼓」の和太鼓演奏が披露されました。
振る舞い餅は、「よいしょー!よいしょー!」の声で盛り上がりました。
そして、今日一番の見どころは2基の大松明の設置。大きな松明が全てヨシやワラ、菜種ガラなどの自然の素材でつくられ、人の手で立てられてゆく様子は迫力満点でした!訪れたお客さまも興味深そうに見物されていました。
今日立てられたのはラ コリーナが位置する近江八幡市北之庄町と小田町の松明。各町のみなさんが朝から夕方までかけて、素晴らしい技でつくり上げてくださいました。
北之庄町の松明は「とっくり松明」と呼ばれ、名前の通り「とっくり」の形に似た約6メートルの松明です。
「笠松明」と呼ばれる小田町の松明は、高さがなんと8メートルもあります。
1トン近くにもなるという太くて大きな松明を最後にみんなで力を合わせて押し、引っ張り、立てる様子は圧巻でした。
近江八幡市内では古くから地域ごとに特徴ある松明が受け継がれ、その数は200基を越えるといわれています。毎年春になると五穀豊穣を願って松明をつくり、神様へ奉火する文化は、この近江八幡の地で商いをさせていただく私たちにとっても大切にしてゆきたいものです。
自然の恵みに感謝し、自然とともに暮らし、自然から学ぶ。たいまつフェスで地域のみなさんと関わることで、あらためて勉強させていただきました。
この機会にみなさまにも近江八幡の松明の文化に触れていただき、日常の中で何かを感じていただければと思います。
明日もみなさまをお待ちしております!
たいまつフェスについて、詳細はホームページをご覧ください!
いよいよ明日に迫ったラ コリーナ近江八幡「たいまつフェス2016」!!
11月3日(木)〜6日(日)の4日間、近江八幡の豊かな伝統と歴史に触れることができる特別な空間をご用意してみなさまをお待ちしております。ぜひお越しください!
準備が着々と進んでいます。昨日はフェス開催に先駆けて、滋賀県近江八幡市千僧供(せんぞく)町の大松明づくりが行われました。このフェスは地元のみなさんのご協力あってこそ!たくさんの地域の方々と共につくり上げます。
千僧供町の松明は「据松明(すえたいまつ)」と呼ばれ、高さは約5メートル。迫力満点の「けまん結び」の化粧縄が特徴的です。
青竹の周りに常緑の雑木(この日はモミジやサカキなど様々な木々が使われていました!)、足元には菜種ガラをしいてヨシを放射線状に配置していきます。
その上には12本のしめ縄をまるでクモの巣のように張り、化粧縄へとつなげます。
「12の意味は干支なんか、暦なんかは分からんけど、きっと昔から1年間の無事を願ってつくってきたんやろなぁ」と教えていただきました。
同じ町に生まれ、毎年毎年お祭りの度に集まって松明づくりを一緒にされているみなさん。さすが!というような阿吽の呼吸でにぎやかに作業が進んでいきました。
たねやグループのスタッフも教えていただきながら、お手伝いさせていただきました。
決まっているようで決まっていない手順や技術でつくられている松明。各地域で親から子へ、受け継がれてきたからこその素晴らしい文化です。私たちはこの松明づくりがずっと続いてほしいと願っています。
たいまつフェスの期間中、会場中に展示する予定の「こども松明」も準備万端!今か今かと当日を待っていました。
たいまつフェスでは他にもさまざまなイベントを予定しています。ウェブサイトをチェックして、ぜひみなさまでお越しください!
※「近江八幡のこども松明」もあわせてお読みください。
自然が身近に感じられるラ コリーナ近江八幡。メインショップ奥の扉を抜けると、真っ先に目に入ってくる田んぼ。田んぼの中やその周辺に大きな石が七つ点在しているのはご存知でしょうか。私たちはあわせて〈七つ石〉と呼んでいます。
〈七つ石〉にはひとつずつ名前があります。シンボルツリーの楠(クスノキ)の近くにある夫婦石の「徳石(とくいし)」「有石(ありいし)」、そして田んぼの中の「蓬莱山(ほうらいさん)」「おにぎり石」「舟石(ふないし)」「田津石(たづいし)」そしてハチマキをしている様に見える「鉢まき石」。それぞれの名前は藤森照信先生が命名されました。
階段に置かれた右が「徳石」左が「有石」。
背高の石は「蓬莱山」。
手前が三角が特徴的な「おにぎり石」、奥が「鉢まき石」。
横に長い「舟石」。
こんもりとした「田津石」。
藤森先生とランドスケープ担当の重野国彦さん指導のもと、石の上に苔山を作り、キジムシロやコグマザサなどの植物を植え、藤森先生が自ら選ばれた松の木を植えました。担当したのは、たねや農藝 ラ コリーナ近江八幡造園の奥野一成さんと森嵜一誠君。石の上に土を盛ったり、松の水やりのしかけなどたくさん試行錯誤して完成した時の嬉しさはひとしおでした。
また、「舟石」のように稲が稔った時に石が浮いている様に見せるなど、この自然に溶け込むように工夫しました。
季節によっても少しずつ変化が見られます。みんなの知恵がいっぱい詰まった〈七つ石〉。スタッフが愛情持って日々手入れをしています。
並んだ石の先には八幡山があり、日牟禮八幡宮につながっています。このラ コリーナがゆるぎない場所として見守られながら、いつの日もお客様に感動を与え続けられる空間でありたいと思います。