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キャンディーファーム(たねや農藝), 地域 | 2015/06/15  14:43
Text : 國領美歩(広報室)

滋賀県東近江市山上町(旧永源寺町)には、私たちのお菓子に使うよもぎを無農薬で育てる自社農園「たねや永源寺農園」があります。
まわりは一面に広がる田んぼ。その一角に青々とした葉が茂るよもぎ畑があります。

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畑では約20人が丁寧によもぎを摘みっていました。

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摘み採ったよもぎは、選別しながら茎から葉を落とします。使えない部分を瞬時に見分けるのだそう。10年以上、この作業を続けてくださっている方もおられ、まさに熟練技!

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「苦そうやのにねぇ」

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虫食いの葉を手にお一人がつぶやくと、みなさんも同意して大笑い。素早く無駄のない作業の中にも、柔らかであたたかな空気が流れていました。

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少し離れた畑では、5人ほどのスタッフが草取りの真っ最中。
「草が生えてくると、よもぎが草に負けて弱ってくる」といい、とても大切な作業です。草取り用のカマを手に、みなさん黙々と手を動かしておられました。

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きれいに草を除いても、また一週間ほどで細かな芽が出てくるのだとか。暖かくなり、よもぎが新芽を出す頃になると、同じく雑草もどんどん元気になります。
土からはむっとした熱気が上るなか、何より手がかかる「しんどい作業」がこれからほぼ毎日続きます。

「いろんな目に見えん仕事があるんですよ」
親子でよもぎ作りに従事してくださっている方がおっしゃいました。

自然の恵みである素材がないとお菓子はできません。その素材は、生産者の汗と苦労によってできています。たくさんの人の手を介して大切な原材料として私たちのもとに届きます。
小豆、お米、卵…それぞれの素材を手塩にかけて作ってくださる方々を思いました。

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4月中旬、日ごろ永源寺農園で働くみなさんへ、つきたてのよもぎ餅を振る舞う機会がありました。

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「よいしょー!よいしょー!」

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たねやの和菓子を取り仕切る工場長や職人が杵を振るい、農園の作業所にはにぎやかなかけ声が響きました。

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「こんなんしてもらうの初めてやわ」
「つきたてのお餅は柔らこうて、美味しかった」
「よもぎのええ香りがしました」

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日ごろの感謝を込めてついたよもぎ餅を、おいしそうに喜んで食べてくださいました。

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1日続く外仕事の合間には、よもぎ畑のわきにみなで並んで一服。
腰をおろして汗をぬぐうと、すうーっと涼しい風が通ります。

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ここ永源寺のおだやかさと美しさ、そして何より澄みきった空気が健やかなよもぎを育てているのだと実感しました。その風土を次の世代に、これからも守って行きたいと強く思いました。

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みずみずしく茂るよもぎは太く力強いけど、柔らかい。しなやかさが見た目にも伝わってきます。永源寺農園のみなさんがよもぎに向き合う時の優しい眼差しに、「手塩にかける」の本当の意味を教えていただいたような気がしました。

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葉にはまだ朝露が残り、水滴がきらきらと輝いていました。本当に美しく、溢れる生命力を感じました。
その生命力がお菓子に吹き込まれるのです。

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以前、海外から仕入れていたよもぎに多くの農薬が使われていることを知った先代から始まった永源寺農園。その精神は今、近江八幡市北之庄のラ コリーナ近江八幡に繋がっています。
原材料があってはじめてお菓子ができる。「一番大切なものは原材料である」と、菓子舗としての原点に戻るきっかけの場所が永源寺農園です。

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手塩にかけて作っていただいた材料は無駄にすることなくお客さまに届ける。それが私たちのお菓子作りです。

ラ コリーナ近江八幡では、私たちが自ら野菜やお米を育てることで農家の方の気持ちを知り、学ぶきっかけにしたいと考えています。
永源寺から繋がる「手塩にかける」大切さを忘れることなく、これから、進んで行きます。

 

※あわせて「素材をめぐる旅」もご覧ください。


藤森先生 | 2015/06/13  14:44
Text : 広報室

ラ コリーナ近江八幡の目印でもある白い屋根付きの看板。車で来てくださるお客さまから、入り口が分かりづらいというご要望をいただき、藤森先生につくっていただきました。
道からどんな風に見えるか、どんな角度だと見やすいか…打ち合わせを重ね完成しました。


キャンディーファーム(たねや農藝), ワークショップ | 2015/06/10  09:02
Text : 讃岐和幸(たねや農藝 北之庄菜園 園長)

5月下旬、迎えた田植えの日。

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今まで準備してきたこともあって不安はなく、むしろ楽しさを感じていました。2日間にわたり、普段お菓子の製造や販売を行う従業員約80人が集まりました。共同研究を行う京都大学や立命館大学、成安造形大学から10名ほどの学生さんも参加して頂けました。

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「来るまでは面倒に感じている部分もあったけど、やってみると意外と楽しい」とか、素足で田んぼに入って「土の感触が気持ちいい」という声が聞こえてきました。

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「何という品種を植えるの?」「収穫も手作業なの?」と色んな質問もあがりました。

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お菓子の材料のほとんどは農産物です。

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良い農産物がなければ良いお菓子も作れません。農家さんあってのたねやなので、農家さんのご苦労の一端を体験できるという意味で良い従業員教育にも繋がります。

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田植え作業自体は、とても順調で予定時間よりも早く終わり、苗がきれいに植わりました。
反省点もありますが、初めてにしては合格点だと自分では感じています。

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田植えの日を迎えるまでは不安もありました。私の家は兼業農家なので稲をどう育てるのか大体のことは分かっていましたが、大きな田んぼを手で植えるなんて考えたこともなかったのです。

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しかし、「人数の力」「場の力」ってすごいなと思いました。

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素早く植える人もいれば、ゆっくり丁寧に植える人もいる。人には個性があって、その「個」が一つになって力を合わせると、大きなことを成し遂げられる。結果、稲の列が少しくらい曲がっていても良いのです。それが、機械でなく「人の手」で植えるということなのですから。

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多くの参加者だったので、昼食の炊き出しもお願いしたところ、バーム工場のスタッフがカレーを作って下さいました。

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みんなで食べるカレーは本当に美味しかったです。

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分からないことを教えてくださったり、木枠や土に線を引けるトンボのような器具などの事前準備をしてくれたりした農藝のスタッフには特に感謝をしています。

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今後は、近隣の農家のみなさんにもお話しを聞きながら、一緒に参加していただけるような関係づくりもして行けたらと考えています。

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ラ コリーナ近江八幡での稲作りは始まったばかりです。これからは、田んぼを毎日観察し「稲が何をほしがっているのか」を見極めていきます。農薬を全く使っていないため、稲が元気に育つのと平行して雑草もどんどん生えてくるので、除草作業に追われる日々が続きます。

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梅雨の終わり頃には、稲が育って田んぼ一面に綺麗な緑色が広がるように。秋には黄金色の穂がたわわと実るように。そんな風景を思い浮かべ、これからも頑張って行きます。

 

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※「みんなで田植え!(上)」はこちら


キャンディーファーム(たねや農藝), ランドスケープ | 2015/05/28  10:08
Text : 國領美歩(広報室)

ラ コリーナ近江八幡は、人と自然が共に生きる「繋がりの場所」。
まだ工事中の場所もありますが、たねや農藝にはすでにさまざまな生き物たちが集い、暮らしています。共に生きる仲間たちの姿をご紹介します。

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シロツメクサの花にはミツバチが蜜を吸いにやってきました。
クマバチは体調2センチを超えるの大きな体をしていますが、動きはゆっくり。実は温厚な性格なんだそう。

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鮮やかなピンク色のアザミにも、おいしい蜜があるのでしょうか。 せっせと蜜を集めていました。

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クローバーの近くには、テントウムシ。 動きがすばやくて、すぐに見失ってしまいます。

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葉っぱからぶら下がるのはガガンボ。 ゆーりゆーらと気持ち良さそうに風に揺れていました。

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ミステリアスな可愛らしさのヘビイチゴも、ひょっこり顔をのぞかせます。

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こちらは体から不思議な色を放つコガネムシ。シロツメクサにじっと止まって動きません。

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そーっと近づいてもすぐに飛んでいってしまうのはモンキチョウ。
ひらひらと飛びながら、葉っぱの裏などに卵を産みつけているよう。
タンポポモドキという別名をもつほどタンポポにそっくりなブタナにとまった瞬間です。

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胴の青色が美しいシオカラトンボも遊びに来てくれました。

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このシオカラトンボの青色は、実はオス特有のものなんです。
よく見かける茶色の虎模様はメスなんだとか。別名ムギワラトンボとも呼ばれています。

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滋賀県には約100種のトンボが生息していることが分かっており、県単位の種数を比較すると全国でもトップクラスだといいます。 これから、もっとたくさんの種類のトンボに出会えるといいなと思います。

ラ コリーナ近江八幡では、その場にしゃがんで目の前の植物に目線を合わせると、立っていては気付かない小さな生き物たちに出会えます。
耳をすませると、小さな小さなたくさんの「音」が聞こえてきます。それは、懸命に生きる命の音。
これからもきっと、四季折々の植物の周りに個性豊かな生き物たちが集まり、暮らしていってくれることでしょう。

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最後に大好きな野草のニワセキショウ。小さくても可憐な雰囲気を持っています。
6月もまた、ラ コリーナ近江八幡の植物や生き物たちをご紹介できればと思います。


キャンディーファーム(たねや農藝), ワークショップ, お米づくり | 2015/05/18  09:19
Text : 國領美歩(広報室)

4月上旬、ラ コリーナ近江八幡のたねや農藝で「お米作り」が始まりました。

みなさまをお迎えしているメインショップの奥に、実は、4200平方メートルの田んぼと棚田があることをご存知ですか?田を起こして水を張り、田植えに向けて着々と準備が進んでいます。

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15センチほどに育った苗も、田植えの日を今か今かと待っています。

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4月7日。この日、たねや農藝 北之庄菜園のスタッフは「種もみ」の温湯殺菌を行いました。種もみは60度のお湯に6~10分間つけ、病気のもととなる菌を取り除きます。

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一般的にこの作業は、農薬を使うほうが効果的とされています。農薬に比べて温湯は種もみに熱を与えるので、発芽率が落ちる可能性があるためです。しかし、<自然に学ぶ>ことを大切にするたねや農藝では、農薬は使いません。できる限り機械も使わず、自分たちの手で作業をしています。

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今年植えるお米は4種類。うるち米の「きぬひかり」、もち米の「滋賀羽二重」、棚田には古代米といわれる「赤米」と「黒米」を植える予定です。

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10日後、水につけていた種もみからは、5ミリほどの芽が出ました。その間、2、3日に一度水を入れ替えます。水が汚れるのは水の中の種もみがしっかり息をして、生きている証拠。
昨年収穫された小さな一粒の中に息づく、命の力強さを感じました。

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芽が出た種もみは育苗箱に蒔きます。丁寧な細かい作業が続きます。

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「大きくなぁれ!」
たなや農藝スタッフの想いがこもっています。

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種もみを蒔いた育苗箱は棚田のトンネルハウスへ。

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日に日に伸びる苗は、みずみずしい生命力がいっぱい!

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見ているだけで元気をもらいます!!

 

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近江八幡・北之庄地域は日本有数の水郷地帯。四季おりおり美しい風景が残る場所でもあります。この豊かな自然を守り次世代へと継いでいくために、たねや農藝では有機(オーガニック)農業を選び、挑戦しています。
有機農業とは、化学肥料や農薬を使用しない、遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、環境への負荷をできる限り低減する農業。自然が本来持っている多様な生態系の機能を活かした、自然のしくみに逆らわない農業とされています。

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しかし、北之庄菜園の讃岐和幸園長は、安易に「オーガニック=安全」と捉える風潮には抵抗があるといいます。
「危険なものは科学で証明できるけど、安全なものは証明できないでしょう」
だからこそ、たとえ手間がかかったとしても、自分たちの手で土から、種から育てたいのです。誰かから聞いた「安全」ではなく、自分の納得するものを届け、お客様にも納得して食べてほしい。

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毎日土に触れ、農業に向き合う園長の想いにはとても説得力がありました。

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14年前、讃岐園長は印象的な光景を見たそうです。
現在は無農薬のよもぎを栽培している自社農園「たねや永源寺農園」で試験的に行われた無農薬のお米作りに携わっていた時のことでした。
ある日の早朝、一面に広がる水田の一角。その田んぼにだけたくさんのツバメが飛び交っていました。田んぼの虫を食べにきていたのです。圧倒的な生き物の多さに気付いたといいます。
「あの光景だけは忘れられませんね。」園長とって大切な出来事となりました。

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ラ コリーナ近江八幡が目指すのは「近江の原風景」。
田植えの時期にはツバメが、秋にはトンボが飛び交う場所をつくりたいと願っています。

5月初旬、棚田や池の近くをうろつく可愛い姿がありました。 2羽のカルガモがどこからかラ コリーナ近江八幡にやって来てくれたのです。
カモと並んで田畑のあぜ道を散歩し、カエルを追いかけたり、虫をつかんだり…子どもたちが<自然を学ぶ>学習の場に。みなさまには、ここで作ったものを食べてもらうだけでなく、体験してもらいたいとも考えています。

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近江は古くからの米どころ。
お菓子の原材料であるお米を作ることは、私たちの“原点”にたち帰るために大切な意味を持つと考えています。 もち米は和菓子作りには欠かせませんし、いづれはお食事として自分たちが作ったお米を食べていただきたいと夢を描いています。

2日間かけて行われる田植えには、多くの社員が参加する予定です。日ごろ、お菓子を作る職人も、店頭でお客様に接する販売スタッフも…みんなが田んぼに集います。

私たちの「お米作り」は始まったばかりです。

 

※敷地内の田んぼは現在も工事中のためお入りいただけませんが、メインショップ2Fのカフェより田んぼの様子をご覧いただけます。


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