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ランドスケープ, フェロー | 2014/10/10  10:04
Text : 事業部

ラ コリーナ近江八幡のランドスケープアーキテクト重野国彦さんへのインタビュー。
第2回目は、ラ コリーナ近江八幡での様々な取り組みについてのお話です。 ※第1回目の内容はこちら。

■八幡山の植生調査~種集め

重野 たねやさんは5、6年前から自分たちでどんぐりを集めて外周に植えられています。それを見た時に、「すごいな、ちゃんとされている」と思いました。私も、森を作るのであれば苗から植えるのが一番いいですよとお勧めをするのですが、たねやさんはすでに十分取り組んでおられた。

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重野 そこで、私からのさらなる提案として、八幡山の植生を調査して、より本物の森へ導けるように、どんぐり以外の種を集め、苗を育て、もっとたくさんの苗木を植えることを提案しました。1年程前から植物調査の方と八幡山や近辺の山に入り、植生、林床の山野草を調査しています。
すごい!
重野 最初の調査結果で88種類の樹種をリストアップしました。そのあとも樹種を増やしているので今は100種類を越えているかもしれません。種も八幡山へ採りに行き、種をまき、苗を育ててもらっているところです。
山に種を採りに行ってらっしゃるんですね。すごいです。
重野 普通、そんなところからやらせてもらえないですよね。どこかに苗は売っていないのか?となるのが普通です。ですが、「種から集めて苗を育てたい」と社長に言ったら、すぐにOKいただけて。
たねやは昔、種苗を扱う“種屋”だったことにも通じますね。
重野 素晴らしいですよね。また、それをやろうとしてできるのは、愛四季苑があるからです。とは言え、調査に入ってリストを作り、「とりあえず5万ポット作ります」と言ったら、やはり皆さん驚かれました。
5万ポット…。
重野 はい。どうやって種を集めていこう、継続させるのは難しいのではないかと不安もありました。でも、実際に愛四季苑の方々10名で種集めにいくと、みなさんすごく楽しんでくださって。まるで宝物を集めるかのように、植物の種を集めてくださったんですよね。それで本当にホッとしました。これは進んでいくなと実感して。

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それが今も継続しているんですね。
重野 そうです。もう2万ポットくらいは出来ていると思います。
それはすごいですね。人がいて、活動が継続するということは、とても素晴らしいことです。
重野 そうですね、たねやさんの色んなプロジェクトを見ていても感じます。すごいことができると思いますね。

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■こだわりつくすこと

重野 多くの場合、もっとこうしたいという提案をしても、お金や人件費もかかるので「そこまでしなくていい、これで十分です」と言われることがこれまで多かったのです。そこを、もう一手間二手間かけたら見え方が全然変わってくるものなのですが、そこをやらせてもらえない、分かってもらえない。今までもどかしさを感じていたことがありました。ですが、たねやさんには、本当にいくらでもやらせてもらえるというか。それを望まれています。逆にこちらが足りてないぐらいです。
そういうことこそ、やりきってほしい、というような。
重野 はい。その感覚はすごいと思います。
お菓子作りにしても何にしても、こだわりつくす、という風土があります。
重野 そうです。その感じが皆さんから出ています。
種をひろったり、苗を育てたり。ここまでやっているところは、植物関連のところでも珍しいですか?
重野 こんなに苗を作っているところはないと思いますね。最近は、どんぐりを植えて森を作ったりということは全国的にも色んなところでやっておられますが、育てるのは業者に頼んだりされているので。そうすると、ここまで幅広い種類はカバーできないと思いますね。
なるほど。
重野 これまではどんぐりでしたが、今後色んな苗を植え始めると参加者の方の感じ方も変わってくると思います。

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■みんなで川も作ります!

川のサンプルも作られていますね?
重野 敷地内の用水路を検討しています。今は実験水路として作っているのですが、現場ではたねやの皆さんと一緒に作ることになると思います。

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自分たちで川を作るなんて想像していませんでした。
重野 楽しいと思います。実際にやってみて、すぐにできたので。ぜひプロジェクトとしてやったほうがいい!と思って。
全長何メートルですか?
重野 用水路が160メートル。将来的には90メートルの小川も作る予定です。
すごいですね。川をみんなで作ることは、今までにもされたことがあるのですか?
重野 川はさすがにないです。
あははははは!
重野 できるかな?どうやったらいいかな?と思って図面を描いていたのですが、アキムラ フライング・シーの中谷さんが実験をやってくださって。そのおかげで、できると。
土や植物もあって、川というイメージになっています。フリーハンドでやっても、いい感じになるということですか?
重野 そうです。最初に工事で粘土まで入れておけば、皆で石や植物を並べたりして簡単にできると思います。ホタルを呼び寄せたいという想いを社長はおっしゃっているので川は重要な要素になってきますね。

 

※最終回は、建物とランドスケープ、そして、未来の風景についてのお話です。お楽しみに。


メインショップ〈草屋根〉, 藤森先生, ワークショップ | 2014/10/03  17:35
Text : 事業部

ラ コリーナ近江八幡の玄関口となるメインショップ。2015年1月9日(金)のオープンにむけ、急ピッチで工事が進んでいます。

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そんな中、藤森照信先生による建築ワークショップ第三弾「土壁塗り」が実施されました。 50メートルにもおよぶメインショップの外壁を、みんなで塗ろう!という一大イベント。 従業員や大学生など総勢80名が集い、とても楽しい時間となりました。

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藤森先生曰く、「建築は近年まで素人がやってきました。“構造・設備・動くもの”は専門家がやるものですが、“仕上げ”は素人がやってよいところ。自分でやってみると建築はそれほど難しくないものだと解ります」とのこと。

なるほど。そうかもしれない。と、素直に納得するわたしたち。「土壁塗りは建築の一番の基本です。下手でも丁寧にやれば大丈夫」という言葉を受け、みんなで大きな大きな壁に挑みました!

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恐る恐るはじまった土壁塗り。初めて手にするコテで壁に土を塗っていきます。藁を混ぜた土は、滋賀県・蒲生の土。地元近江の大地です。

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少しの時間でどんどん慣れてくる参加者たち。ものづくり魂に火がつきます!

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心を込めて、丁寧に。

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リズムにのって、手際良く。

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総勢80名でワイワイやっていると、みるみるうちに壁が塗り上がっていきます。

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「とても楽しかったです!家族と来たときにも“ここをやった!”と言える。味が出ていていいですね。」(品質保証室・下澤)

「泥遊びみたいで楽しかったです。できあがりが楽しみ!」(仕上げセンター・尾本)

「土の感触が心地よかったです。みんなで作れるなんてすごい経験。」(村田)

「職人さんがやるのとはまた違う良さがあります。思ったより迫力があって、素人っぽくない。あたたかみのある、自分たちの建物になりました!」(営業部・小倉)

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社長・グランシェフも泥まみれになって土壁塗り。記念の手形も探してみてくださいね。

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藤森先生からも「思った以上の仕上がりです。大人数だからできたこと。珍しい感じの店になると思いますよ」と、太鼓判!!!

 

土のぬくもり、手のぬくもり。

いよいよ3ケ月後、みなさまをお出迎えする日が楽しみです。

 

※メインショップ:土壁ワークショップ(1)
※メインショップ:土壁ワークショップ(2)


ランドスケープ, フェロー | 2014/09/26  11:26
Text : 事業部

ラ コリーナ近江八幡では、自然と人が寄り添う空間づくりが進んでいます。

ランドスケープアーキテクトをご担当下さっている重野国彦さんに、具体的な計画から未来の風景までたっぷりお聞かせいただきました。10年、20年、いえいえ、50年、100年先の未来を見据えながら計画は進んでいます。インタビューを3回に分けてお届けします。

第1回目は、たねやとの出会いについて、そして、ランドスケープについてのお話です。

■北海道と近江八幡

本日はありがとうございます。重野さんは北海道でたくさんの経験を積まれご活躍されていますが、たねやとはどのような出会いがあったのですか?
重野 2012年の夏、「北海道ガーデンショー」というイベントに、たねやさんの会長と女将をご案内させていただいたのがはじまりです。私は以前の職場で「十勝千年の森」の設計に携わっており、北海道ガーデンショーはそこを会場として開催されました。招待作家として招かれたイギリスのガーデンデザイナーから設計/施工を任され、自分としても初めてショーガーデンを施工する機会となりました。

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その北海道ガーデンショーで、会長と女将のガイドをしてくださったのですね。
重野 はい。私は滋賀県安土の出身なので、小さな頃から特別な時にはたねやさんのお菓子がありました。県外へ出てからも、滋賀県って何が有名?みたいな話になると「琵琶湖とたねやさん」と紹介していたぐらい、たねやさんを滋賀の誇りに感じていました。
遠く離れた土地で故郷の二人と。
重野 お会いしてすぐ「たねやさんの会長をご案内できるなんて光栄です」とお伝えすると「たねや知ってるの?」と、話になりまして。「滋賀安土の出身です」と言うと、とても驚き、喜んで頂きました。そして、まだガーデンを案内する前に、お二人から「滋賀へ戻ってきなさい」と。「今、近江八幡にこういうものを作ろうとしているから、来てください」とお言葉を頂きました。驚きを通り越して、状況も理解できずに居たのを今でも思い出します。そこから1時間半ほどガーデンを案内させていただいたところで、会長から再び、北之庄の構想、熱い想いをお聞きし、「一度現場を見に来てください」と言われました。後に“狐につままれる”とは、あの時のことを言うのだなと感じた程、今振り返っても信じられない一日でした。

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すごい出会いですね。その後、近江八幡へはすぐに来られたのですか?
重野 いえ。ご案内させて頂いただけでありがたいことでしたし、全く信じられない気持ちで。本当に行っていいのかな?と思っていました。ですが、せっかくのお言葉でもあったので、実家に帰省する際、連絡だけはと思いご連絡させていただきました。その時はご都合が悪くお会いできなかったのですが、翌年の春、改めて来させてもらいました。
2013年の春ですね。
重野 その時はじめて社長にお会いして、これまでやってきた仕事や今の仕事への取り組み方を説明させて頂きました。すると社長もすぐに「よろしくお願いします」と。家族の基盤が北海道にありますし、大きなプロジェクトであり一人で出来る規模でもないため、「一度、北海道へ戻り検討させてください」とお伝えしました。しかし、その場でどんどん話が進み…、また“狐につままれる”体験となりました。
あはははは。そんな心構えで来たわけではなかったと。
重野 そうです。故郷のために何かお役に立てることがあったら良いなと常々思っており、景観については何かしらアドバイスさせていただけるようなことがあるだろう、ぐらいにしか考えておりませんでした。仕事としては全く思いもよりませんでした。
急展開ですね。
重野 はい。お二方とも即決でした。会長も速かったですが社長も速くて驚きました。即決すぎて現実感もすぐには湧きませんでした。ただ、この規模は私一人で担える規模ではないですし、北海道の仕事もありますので、責任をもって出来る体制が整えばお受けしたい、という感じでスタートしました。既に工事も進んでおりましたので、たねやさんの想いを感じ取り、理解しながら、現場と計画に追いつくのに精一杯な毎日でした。

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■ランドスケープの「繋がり」と「流れ」

今では計画地全体のランドスケープをみてくださる、なくてはならない存在です。景観を設計するときは、どのようにイメージを作られていくものなのですか?
重野 ここには八幡山と水郷があって、それらの関係がここで繋がる、というのが正しいあり方だとイメージしました。今はこの計画地と県道で隔てられていますが、八幡山の稜線の形を図面や現場で確認して、きっと昔はこう続いていたのだろうとか、すでにある丘を繋げるにはこんな流れだろう、ということを考えて決めていきます。
なるほど。
重野 あとはバランスというか。敷地内に丘を設けているのですが、これがあるかないかで空間が変わってきます。現場で想像しては図面に描き、また現場で考え、また違った見方から考えたりと、何度も現場を歩きます。何度も繰り返すと、背後の山の連なりと敷地内の丘の形がスーと繋がるような、自信の持てる配置となり繋がっていきます。
周辺環境との関係性で。
重野 はい。周りの風景を取り込んでくるように。たねやさんが八幡山の麓の竹林を整備されていますが、竹林が敷地の中に入ってくる場所も作りたいなと考えています。そうすると、道を挟んでパキッと分断されるのではなく、森も竹林も両方が入り込んできて繋がってきます。そういう繋がりが景観となってくるので、繋がりを大切に考えています。

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重野 ここは八幡山を背負っていて、手前に水郷がある。やはり敷地内だけで完結するよりも、もっと周りを取り込んであげた方がいいと思います。庭には、遠景・中景・近景と、自分の庭だけではなく遠くの山、お隣の木々まで景色として取り込むという見せ方があるのですが、そういう基本的なことを踏まえつつ、さらに、見え方だけでなく、植生や動物もつながると良いなと考えています。何か特別な、突飛なことをしようというのではなくて、なるべく馴染んでいくこと、もともとの風景、風土が残してくれているものを見つけるような感じで考えております。
素晴らしいですね。ここだけを好き勝手したらいいというのではなくて、ここを良くするためには繋がりが重要だろう、と。
重野 そうです。その繫がりを強調したり、馴染ませたり。私は「繋がり」と「流れ」というのをどの設計でも考えているのですが、それらを上手く調整する感じですね。それに、もともとある自然に勝るものはないと思ってやっています。本当は周りの山や水郷の方が素晴らしいのです。でも、皆が皆、そういうところに出向くかというとなかなか行かない。だからこそ、ここへ来て気づいていただきたいなと。
ここの良さ。
重野 はい。ここ、ラ コリーナの良さに気付いていただいて、もっと周りの繋がりある風景へも足を延ばしてもらう。そういった感覚や思いを将来、ここから感じて頂けたらと思い、取り組んでおります。

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※次回、ラ コリーナ近江八幡での様々な取り組みについてのお話につづきます。お楽しみに。


社長は厚めにしっかりと。グランシェフは職人のような丁寧さで。会長・女将もコテを手に、土壁塗りの完成です。場所は、メインショップ北ポーチ。記念の手形も見つけてください。


藤森先生ご指導のもと、従業員・大学生の総勢80名でメインショップの正面ピロティと北ポーチの外壁を塗りました。幅50メートルの土壁は圧巻。みんなで作る愛着いっぱいの建物です。


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