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キャンディーファーム(農藝), 共同研究 | 2014/07/30  13:35
Text : 讃岐和幸(たねや農藝 北之庄菜園)

たねやグループは、京都大学学際融合教育研究推進センター・森里海連環学教育ユニットとの共同研究をすすめています。

たねや農藝も実習の場として活用して頂いており、7月12日~13日の二日間にわたって実習を行われましたので、その様子をご紹介します。

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森里海連環学教育ユニットは、「森・里・海および統合的な環境管理と政策について学び、森里海連環学に基づく持続可能で自然との共生を行う世界を作ることを国際的な舞台で実行できる優秀な人材を育成すること」を目指されています。

ここ、ラ コリーナ近江八幡周辺には、八幡山という「森」、人々の生活が息づく「里」、琵琶湖や西の湖といった「海」があり、実習の場として最高の環境ということで、今年度より実習を始められています。

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京都大学学際融合教育研究推進センター・森里海連環学教育ユニット HPより引用)

 

今回は、『森里海連環の理論と実践』というテーマでの実習。柴田昌三先生、横山壽先生、清水夏樹先生、吉積巳貴先生、エドワルド・ラヴェルニュ講師の指導のもと、15名の学生さんが近江八幡をフィールドに活動されました。

1日目は、旧市街地の見学やまちづくりに関する取組みを学ばれたり、水郷の水質調査をされました。そして、夜には、たねや農藝で大学とたねやグループとの交流会をひらきました。学生の皆さんは、少し緊張されていたようですが、次第にあちこちで会話が盛り上がり楽しいひとときとなりました。

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2日目は、たねや農藝の建築設計をされた京都大学の小林広英先生も参加され、八幡山の竹林整備を行いました。

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この日は、あいにくの雨天。徐々に雨も強くなり、竹が濡れて滑るため早めに作業を切り上げることにしましたが、沢山の竹を伐り出していただきました。終了の合図を出しても、「あと1本、もうあと1本」と、しばらく作業をつづけられるなど、とても熱心な姿に驚かされました。

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その後は、伐った竹を割る作業。小林先生が試作されている農機具を格納するためのバンブーグリーンハウスの補強をしたり、たねや農藝の周辺に敷きならす竹チップの加工作業などを体験されました。

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「わぁ、すごい!」

竹割りはコツをつかむと簡単で、割れるときのパンッパンッという爽快な音も加わり、みんな楽しそうに取り組んでおられました。女の子でも積極的に作業される姿が印象的です。

このように竹を単に伐採するだけでなく、資源として有効に活用することが、森・里・海の連環につながっていきます。

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7月18日には、実習で体験されたことを発表されるとのことで、京都大学へ行ってきました。今回の実習で体験された近江八幡の名所を、観光資源としてどのような手法で活用し町の活性化を図るか、という内容の発表でした。3班に分かれて発表されたのですが、どの班も、短い期間で考えをまとめてスライドを作成し、しっかりと発表されていて、私も刺激を受けました。

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このような取組みを継続することで八幡山の竹林がよみがえり、豊かな里山になっていくことを期待しています。また、京都大学の皆様と繋がりを持つことができ、とても光栄です。今後更に、色々な方面で新たな繋がりをもてるようになればと思っています。

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※京都大学・森里海連環学(1)(2)


メインショップ〈草屋根〉, 藤森先生 | 2014/07/23  09:13
Text : 事業部

 

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ラ コリーナ近江八幡にオープンする、たねや・クラブハリエのメインショップ。建物の設計をして下さっているのが、建築史家・建築家の藤森照信氏です。藤森先生は、木の上の茶室や、屋根に草が生えた家、木や土や銅や貝殻などの自然素材をふんだんに使ったとてもユニークな建物を作ることで知られる、ひっぱりだこの方です。

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以前より親交のあった藤森先生。これから先、何年もかけて営みを繰り広げるこの地に、ゲートとなる和洋菓子の総合ショップをつくりたいと投げかけたところ、なんとも刺激的なスケッチが届きました。

その名も、<草屋根>。

草の生い茂る大きな屋根が印象的。周囲には栗の又木がずらりと並び、頂上には松の木がチロリと顔をのぞかせます。1階・2階は吹きぬけて…。先生、またしても大胆!

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仕上げに使う自然素材には、徹底的にこだわるのが藤森流。
断崖絶壁の雪山も物ともせず、一本一本、木を選定していかれます。曲がっていたり、分かれていたり、のびのび育った木が先生好み。「面白いねぇ」「いいですねぇ」と、まるで山遊びをするかのように、楽しくビビビッ!と選んでいかれます。その数、ゆうに100本超!

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石も大切な仕上げ材。何度も石材店に足を運び、世界の石を見せてもらいます。産地や磨き方で多様な表情をみせる大理石。地球のかけらとも言える石を、どう建物に活かすか。先生の目利きが続きます。

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1階は和菓子・洋菓子のショップ、2階はカフェになる計画のメインショップ。
縦横無尽に想いをめぐらせ、自由に発想される藤森先生は、いつだって朗らかで楽しくて少年のようです。

自然の実りをお菓子にする、わたしたち。
自然の素材を建物に活かす、藤森先生。

根っこでつながる共感が、ラ コリーナに広がります。

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※メインショップ:設計打合せ(1)(2)(3)(4)(5)
※メインショップ:木材選定(1)(2)
※メインショップ:石材選定(1)(2)(3)
※メインショップ:地鎮祭


約20名の参加で行われた、春夏ラストのどんぐりプロジェクト。たねや農藝の前に、クヌギ128本・コナラ134本を植栽しました。そして、約850個のポット上げ(シロダモ30・アラカシ69・スダジイ80・クスノキ94・シラカシ576)!今年も成長が楽しみです。


キャンディーファーム(農藝), フェロー | 2014/07/15  09:55
Text : 事業部

ラ コリーナ近江八幡のベースキャンプとも言える、たねや農藝。建築設計をしてくださった京都大学准教授 小林広英先生へのインタビューです。

最終回は、みんなで作った建物であること、そして、風土建築につながるお話です。 ※第四回目の内容はこちら。

■みんなで作った工房

今回のたねや農藝は、店舗ではなく、工房や栽培の施設ということでしたが、やりやすかったですか?
小林 みんなが想像しやすいステレオタイプがないぶん、イメージを共有するまで時間がかかりましたが、面白かったです。
わからない部分については、前にもおっしゃった、社長との対話というのが重要だったと。
小林 そうですね、あと園長の木澤さんなど関係者の方々の意見の断片を統合していくような。
なるほど。
小林 みんなが頻繁に集まって、現場で確認したりしながら決めていくという感じでした。

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小林 社長は、本当にこだわって取り組んでおられました。打合せ中の何気ないコメントでも、はっとするようなことが多かったです。
どんな部分でそれを感じられましたか?
小林 たとえば、アプローチ導入部のゲート的においている鉄板の話。設計では二枚分でお願いしてやってもらってたんですけど、現場で見るとちょっとのびやかさがないなーと思っていたんです。そうすると社長も同じく、「もう一枚いるやろう」と。「二枚じゃなくて、三枚にせんと、この建物ののびやかさに合わへんやろ」と即座に言われる。それだけ見るんじゃなくて、建物や敷地全体を意識しながら言われる。関わるみんなが全体像を共有しながら作っていくという点で、毎回が真剣勝負でした。

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小林 だから、「みんなが作った」という感覚ですよね。社長のもつ全体的なイメージや運営や機能面でのこと、中谷さんたちの技術的な支援、木澤さんたち農園の方々の仕事内容など、それぞれの立場で意見を出し合いました。
まさに、みんなで作ったと。
小林 あと、工房棟の屋根にある植物はたねやの従業員の方々が植えた草花でつくられているんですよね。竹林の整備活動やどんぐりプロジェクトなどいろんな場面で、建物やそのまわりの要素に関わっている。風土建築が集落住民の合力でつくられるように、たねや農藝もいろんな人が協働してできあがった結果として存在しています。

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小林 建物が完成して現在徐々に動き始めています。建物に人の活動が加わることでまた違った印象を与えます。そういうのを見るのはやはり楽しいですよね。
今回インタビューさせていただくにあたり、建築のここがこだわりで、ここがすごいから見てくれ、といった、そんな話になるのかなと思ってお会いしに来ました。でも、みんなでやっているということこそが面白いとおっしゃって。すごくびっくりしたと言いますか、とても感激しています。

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■おおらかな感覚。素材を活かす。

小林 そうですか。でも、もちろん二つの側面があるんですよ。時間をかけて検討したスケッチもいっぱいあります。その一方で、ベトナムなどの風土建築に関わってから、なんかこれでいいんやっていう即興的な感覚もでき始めたんです。
と、言いますと?
小林 彼らには図面もないし、使う道具も鉈(なた)ぐらいで、それでもさっさと構造体を組み上げていく。一見ラフに作っているようで、でもそれが、すごく綺麗なんです。また、一方で壁材に精緻な編み竹を用いたりもします。
なるほど。
小林 そういうおおらかさと精緻さのバランスみたいなものが、まだまだですがなんとなくわかってきたような。若いときは細かく描いた図面通りにいかないと気持ち悪かったのが、今では、まあええやん、ずれててもみたいな感じです。
心地よかったらいいやん、というような。
小林 はい。それでも、美しさというか、クオリティをキープできるのだという感覚ですね。

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美しいと感じる、その感覚はどこから来るのでしょう?
小林 木の材料をつかうというのが大きいかなと思います。木にミリ単位を求めても絶対ずれてきます。
たしかに。
小林 やはり素材感に戻ってくるんですけど。素材を考えたときの適正な使い方っていうのと、その素材を理解した配列とか、形とか、そういうふうなことを考えてやると無理なく見えてくる。ベトナムで荒削りした丸太の柱がいくつも無造作に立っている風景は、ゆがんでいるけど素材が良いからきれいに見える。

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お菓子づくりでも、たねやグループはとても素材にこだわっています。素材を活かす、素材の良さを引き出せたら美味しいものになる。そういう共通する感覚や感性が、あるかもしれません。
小林 気が合うかもですね。
十分あっていらっしゃいます(笑)。

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小林 そういえば、手すりのデザインは社長も気に入っておられました。微妙な位置にもこだわって。
しっくりくる納まりを探すというような…
小林 それがビシッとした緊張感につながってきたりします。ものすごく繊細に気を使う部分もありました。
おおらかな部分と、洗練された部分と、ですね。
小林 私自身、今回の設計を通して、ベトナムなどの再建プロジェクト、バンブーグリーンハウス、たねや農藝の実践活動がひとつの軸線上にあるという確認ができました。場所や状況が違っても地域環境と建物が密接につながって出来上がるという経験です。遠い国の山奥にある建物とこのたねや農藝。あちらは原初的でこっちは現代的みたいに別物ではなく、一緒に対峙できる存在であるということです。このようなテーマは今後ももっともっと追求して実践していきたいですね。

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五回に分けてお届けしてきた小林先生へのインタビュー。お話をうかがって印象的だったのは、地域の資源を使いながら、竹の循環利用もひっくるめて取り組むことができたことに、たいへん喜びを感じていらっしゃるということでした。そして、社長をはじめ、みんなで対話を重ねながら真剣勝負で作りあげたということ。

里山の利用や再生といったことが、絵空事ではなく、企業活動の中で実際のこととして動き出していることは、本当にすごいことだなと思います。近隣の方々との交流もふくめ、ここの中だけにとどまっていない、とても広がりのある取り組みが生まれてきていると感じています。

たねや農藝は、自然とともに成長し続ける場所。人と自然が主役の建物。

普遍的で根源的な何かを感じさせる、ある意味でとても挑戦的な建物ではないでしょうか。ここが、“人や自然や知恵”が、とめどなく循環する場になればと思います。ありがとうございます。


共同研究をしている京都大学学際融合教育研究推進センター・森里海連環学教育ユニットが、近江八幡をフィールドに『森里海連環の理論と実践』というテーマで実習をされました。

周辺地域では、水郷の水質調査や旧市街のまちづくりを学ばれ、ラ・コリーナ近江八幡では、八幡山の竹を刈り出しからバンブーグリーンハウスの補強・竹チップの加工作業などを実践されました。

森・里・海の連環という視点。ラ・コリーナ近江八幡のヴィジョンと響き合います。


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