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地域, たいまつフェス | 2019/03/12  11:44
Text : 西川天音(近江兄弟社高校3年)

毎年3月から5月にかけて滋賀県近江八幡市の各地では、大小200基を超える松明(たいまつ)を結い、火を放って神様へ奉納する「火祭り」が行われます。これらは1000年の歴史を持ち、「近江八幡の火祭り」として国の無形民俗文化財にもなっています。
今週末3月16,17日は、代表的な火祭りの一つである「左義長まつり」が日牟禮八幡宮で開催されます。

今回は、近江八幡で受け継がれる伝統を次世代に伝えていきたいと、昨年ラ コリーナ近江八幡で開催した「たいまつエキシビション」に参加した高校生の思いをお届けします。“伝統を継ぐこと”に真っ直ぐに向き合い、一生懸命に行動し、若い感性で発信する姿はとても頼もしく、大きな希望を感じていただけるはずです。


私は近江兄弟社高校3年の西川天音です。「滋賀の良いものを発信したい。 若者が伝統を大切にする気持ちを広げたい」という思いから、ラ コリーナ近江八幡で開催された「松明エキシビション」に関わらせていただきました。より多くの人たちに、特に私と同世代の若い人たちに向けて、この取り組みや近江八幡の松明の文化について知ってもらうため、動画や写真で情報発信をすることにしました。将来映像製作に携わりたいという友人や高校の写真部を巻き込んで、「松明結-YUI-プロジェクト」を立ち上げました。

私はこれまで、近江八幡のお祭りの存在、そして“松”に“明”と書いて「たいまつ」と読むということすら知りませんでした。そんな私が松明に出会ったきっかけは、まちづくり会社まっせへのインターンシップ。
大学で観光を学ぶことを決意した私は、素敵な地域資源が残る身近な地域から観光にアプローチしたいと思い、近江商人の精神が受け継がれる近江八幡のまちづくりに関わろうと考えました。

事前に松明づくり特有の“男結び”やしめ縄の作り方を練習するなどして、近江八幡の地域の方々や伝統に、実際に触れる機会をたくさん設けました。事前会議で聞いたある言葉がずっと心に残っています。
「松明を結い上げる作業を通して、私たちは仲間意識を再確認するんだ。それが松明結だ」という「文化遺産としての松明を次世代へ贈る会」副会長・大西さんの言葉です。

私が学年やクラスの枠を越えて一つのプロジェクトを立ち上げたことも、“結”なんだなと実感し、自分のプロジェクトに誇りを持つことができました。また、贈る会の方が高齢化しているので、どうにかこのプロジェクトを通して、地域の方と高校生との“結”をつくらないと!という使命感が生まれました。

そして、たいまつエキシビション当日。私たち高校生も朝から松明づくりに参加させていただきました。
各町の松明の違いを知れば知るほど奥深さに惹かれました。北之庄町の松明には“でんでん”という模様を刻むのですが、この作業には昔畑仕事に使っていたという道具が使われ、先人の知恵や歴史的背景を感じました。
各町のみなさんが、自分の地域の松明に誇りを持っていらっしゃるところも素敵だと思いました。

エキシビション当日は、町など関係無く全員で大きな松明を立てたのですが、「うちの立て方はこうだ」と主張しながらも、協力し合って松明づくりをするみなさんを見て、男らしさや情熱を感じました。

贈る会のみなさんは私たちより長く生きた分だけ知恵を持っていらっしゃるので、松明へのこだわりが強く、お話も長かったです。しかし、「次世代へ松明を繋ぎたい」と強く思っておられる方ばかりで、私たちに対していつも優しく笑顔で接してくださいました。特に印象的だったのは、男子メンバーが松明を結いを教わりながら「師匠と弟子」と言い合って、とっても仲良くなってくれたことです。笑顔が絶えませんでした。

しめ縄やミニ松明づくりなど、お客さんが参加できるワークショップもにぎわいました。

私がチラシを配りながら自分の言葉でプロジェクトについて説明していると「高校生が地域に関わっているのがすごい」と言ってくださいました。当日はるばる東京からカメラを持って来てくださった方は、素敵な写真をインスタグラムに投稿してくださいました。「今後も応援しているよ」とメッセージもくださり、とても嬉しかったです。

また、小さな子どもに高校生メンバーが男結びを教える姿や若い女性がしめ縄を楽しそうに編む姿をみて、この文化を継ぐことの可能性を感じました。

今回は私たちは、松明制作部隊・動画製作部隊・写真部に分かれて活動しました。一人ひとり楽しみながら、松明を通して文化や伝統の大切さを学べたと思います。
「この機会がなければ松明には関わらなかっただろうし、地域と交流できて嬉しかった」
「最初は興味がなかったけれど、今回の活動を通して地域との繋がりを大事だと実感した」
というメンバーからの感想をもらい、胸が熱くなりました。

「松明結-YUI-プロジェクト」の最大の目的である「伝統と、人との繋がりを結い上げる」ということを実践でき、とても達成感を感じています。 また、プロジェクトメンバーの一人ひとりのやりたいことや将来の夢を語り合い、みんなでワクワクを共有することができました。
年齢を越えて地域のみなさんや文化に関わることができて感謝しています。本当にありがとうございました!


本社〈銅屋根〉, ランドスケープ | 2019/03/08  11:47
Text : 桂 浩子(たねや文庫)

ラ コリーナ近江八幡の入り口近く、駐車場の脇に大きな木があることをご存知ですか?
今は幹に布を巻き、枝葉もささやかですが、高さ20メートル、推定樹齢は300年といわれるクスノキです。

移植したのは昨年の12月。ラ コリーナに迎えたクスノキの大木としては2本目です。1本目はメインショップを抜けた先、本社〈銅屋根〉から伸びるラ コリーナのシンボルツリー。2015年9月に〈銅屋根〉へ移植した時は高さ13メートル、重さはなんと23トン。樹齢200年を超える大木を扱うのは50年に一度あるかないかだと、移植を手掛けた職人さんがおっしゃるほどでした。

ラ コリーナに移植された2本のクスノキはもともと八幡の町にあったもの。古老によればどちらも八幡の城下町ができる前、日牟禮八幡宮の馬場があったと伝えられる場所だそうです。
昔からクスノキは神社など神聖な場所に植えられることが多い木。2本のクスノキも千年以上の歴史をもつ日牟禮八幡宮と深いゆかりがあったのかもしれません。

昨年12月に迎えたクスノキには幹を保護する布を巻いていますが、暖かくなる頃には外される予定です。移植のために落とした枝葉もすぐに伸び、つややかなみどりの葉を風に揺らすことでしょう。

長い歳月をかさね、人々に守られ、大きく伸びやかに育った八幡のクスノキ。
ラ コリーナで新たな根をおろし、わたしたちのこれからを見守り続けてくれる大切な存在です。

 

※銅屋根のシンボルツリーについては過去の記事をご覧ください。
(2015/10/02)樹齢250年のご神木、シンボルツリー


キャンディーファーム(たねや農藝), ワークショップ, 地域 | 2019/03/03  18:03
Text : 桂 浩子(たねや文庫)

穏やかな陽気に恵まれた2月18日。竹林整備のワークショップを行いました。
参加者はたねや農藝のスタッフを中心とした20名。手袋に長靴、安全のためにヘルメットをかぶって作業開始です。

2013年から里山の保護を目的にたねやグループが整備を進めているのは、ギフトショップ裏に広がる八幡山のふもと約8400平方メートル。今回のワークショップではあらかじめ印のつけられた竹や枯れたり倒れたりしたものを伐り、運びだします。

竹伐りの作業で厄介なのは竹が倒れる時ほかの竹に引っかかること。こうなると竹同士がしなるため少し揺すったぐらいではびくともしません。根元から抱えて引っ張る、斜めの状態で伐るなど竹を1本倒すのも手間と力が必要です。

運びやすい大きさに切った竹は数ヶ所に集めて作業は終了。ここからはたねや農藝のスタッフが引き継ぎます。


ワークショップから数日後、八幡山のふもとには小さな山ができていました。これは伐った竹を粉にしたもの。あれだけ積み重ねていた竹も機械を通せばあっという間に粉末に。

竹粉の山は均して土にかえすほか一部は農藝の畑で使っています。夏野菜を植える時、根元に撒くことで雑草の芽吹きを抑え、収穫後はそのまま土に漉き込み肥料とします。

また少し大きめに砕いた竹チップも農藝の敷地に撒くことで雑草対策に。竹チップは朽ちるので1~2年を目安に交換します。


今は見通しが良くなった竹林もかつては鬱蒼とした場所でした。所有者である地元の方々から竹を伐る許可を得、たねや農藝のスタッフが中心となって整備をはじめたのは2013年のこと。2015年にラ コリーナがオープンしてからも地道に活動を続け、竹林整備は今年で7年目を迎えました。

農藝スタッフは竹伐り以外でも、台風が過ぎたあとなど倒れた竹が道路に出ていないか確認に行ったりもします。現場に着いたらすでに地元の方が作業を終えていたことも。

つねに気にかけ、折々に手をいれる。それは田んぼも畑も竹林だって同じです。
自然とのつきあいに終わりはありません。八幡山を、ふるさとの里山を守る活動はこれからも続きます。

※竹林整備についての過去の記事もぜひご覧ください!
(2014/05/21)人と自然が主役の建物です(1)
(2014/06/04)人と自然が主役の建物です(2)
(2014/06/11)人と自然が主役の建物です(3)
(2016/04/25)植物も私たちもエンジン全開!


コンセプト, 地域 | 2019/02/05  17:04
Text : 社会部広報室

1月29日、滋賀県近江八幡市安土町の「沙沙貴神社」を訪ねました。
沙沙貴(ささき)神社の歴史は深く、江戸時代後期に火事になり建物を焼失。丸亀藩京極家により1848年に再建されました。“佐々木源氏発祥の地”として全国各地から“佐々木さん”の名字を持つ方が参拝することでも広く知られています。

沙沙貴神社は昨年9月、台風21号によって本殿の屋根が吹き飛び、境内の大木が倒れるなどの甚大な被害を受けました。この日たねやグループは、地元企業として、地域の大切な存在である沙沙貴神社の復興のためのお見舞金を奉納させていただきました。

私たちたねやグループと沙沙貴神社には、これまでにも様々なご縁があります。
“近江の自然と人”をテーマにたねやグループが発行する冊子「ラ コリーナ9号」(2017年3月発行)では、「安土の沙沙貴まつり」を特集しました。沙沙貴神社で執り行われる神事やまつりを受け継ぐ安土の人々の営みを取材させていただく中で、宮司をはじめ、地域のみなさんにとても快く迎えていただいたのです。

▼沙沙貴神社に咲く「なんじゃもんじゃ」が表紙のラ コリーナ9号

また、古代から長く受け継がれこの地を守り、人々が集い繋がる場となってきた沙沙貴神社は、私たちが「こんな風に在れたら…」と憧れる存在でもあります。ずっと続いてゆくこと、人と人との“和”を育む場所であること。それらに深い畏敬の念を抱くと同時に、後世まで大切に守り継いでいきたいと考えています。

そんな沙沙貴神社のために、私たちにできることは何だろうか。
昨年9月の被災直後には、たねやグループからもスタッフが駆けつけ、氏子のみなさんと一緒に倒木を片付けるなどの作業をお手伝いさせていただきました。当時のことを、岳眞杜宮司が話してくださいました。


「あの日は昼の台風でした。社務所にいたところ、表参道の木がこけてる!本殿の屋根に穴があいている!と連絡があったんです。こんなことが起こるなんて想像がつかなかった…」

県指定文化財でもある本殿は北側の屋根の3分の2が吹き飛んでしまいました。他にもあらゆるところが壊れ浸水したそうです。表参道は倒木でふさがり、樹齢250年のケヤキをはじめ約60の木々が倒れました。

「しかし、ありがたかったのが、氏子のみなさんが集まってくれ、心配して駆けつけてくれる友人もいました。みなさんが助けてくださって、涙がこぼれるほど嬉しかった」と岳宮司。

氏子のみなさんや神社の役員の経験者の方々活躍もあり、倒木の片付けや本殿の破損の応急処置はできたそうですが、完全に修理して建て替るには多額の資金が必要となります。
宮司は「県の補助金や全国からの義援金は大変ありがたく、用途などを全て記録・保存して、大切に使わせていただきたい。少しでも早く、みなさんの憩いの場となる本来のお宮さんの姿に戻したいと思っています」
と話しておられましたが、復興へはまだまだ険しい道のりが続きます。

今回の台風では、全国に被災された方がおられたと思います。滋賀県下でも、様々な被害が報告されました。
こんな時、私たちにできることはほんの微力ですが、少しでもできることをできることから…行動に移していけたらと思っています。
ご縁を大切に、私たちが根差す地域へ感謝を胸に、たねやグループは今後もみなさんと共に歩んでゆきます。
沙沙貴神社をはじめ、被害を受けられた方々の1日も早い復興をお祈りしております。

※被災当時の写真は沙沙貴神社よりお借りしました。
沙沙貴神社では2月18日(月)まで、台風21号の被災による復興工事費の支援金を募るクラウドファンディングを実施中です。詳細はこちら!

 

   


キャンディーファーム(たねや農藝), ワークショップ, 地域, ヨシ刈り | 2019/01/28  10:14
Text : 望田朝美(広報室)

1月16日、今年もたねやグループの従業員、学生含め69人でヨシ刈り・ヨシの丸立てワークショップを開催しました。
昨年は雪が積もり、ゴボッゴボッとヨシ地を移動するのも一苦労でしたが、今年は雪もなくヨシ刈り日和となりました。ヨシ地に入ると自分の背丈よりもはるかに高く生長したヨシを見上げ、一年のめぐりを感じながら作業を進めました。
途中、穂の付いたヨシを探し求めヨシの群生をかき分けた先に、滋賀県では希少種、他の自治体では絶滅危惧種にも指定されている「カヤネズミ」の巣を発見! 静かなヨシ地で小さないのちの気配を感じ、とても感動しました。

冬の刈り取りが終わるとヨシ焼きが行われ、春頃には元気な新芽が顔を出し一年のめぐりが始まります。琵琶湖の環境保全、魚や鳥など生態系の保全にも大切な冬の作業です。

今回も刈り取ったヨシをラ コリーナで丸立てにしました。数日、間近でご覧いただけます。その後、秋冬に開催予定のたいまつイベントで役目を果たし、やがて土に還ります。
〈SDGs〉にもつながるこの活動は今後もたねやグループの大切な取り組みとして持続していきます。


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