暮らしとお菓子

9月

19日〜25日

彼岸会 -ひがんえ-

秋分を中日とした七日間のお彼岸は、法会やお墓参りを通じてご先祖様への思いをあらためる大切な時期。お彼岸に家々でつくられるおはぎは素朴な歳時菓です。
おはぎは古い呼び名を萩の餅と言い、その由来は萩の咲く頃につくるからとも、餡に見え隠れする小豆の粒を萩の花に見立てたからともされています。
お餅と違い、おはぎはお米を軽く搗いてつくります。杵で搗くほど大きな音がしないため隣近所にもつくったことが気づかれにくい、そこから「搗き知らず」とも呼ばれました。
暑さ寒さも彼岸まで。吹く風も心地よい秋の彼岸に、古来より親しまれてきた歳時菓をお届けいたします。

10月

10月1日

十五夜 -じゅうごや-

旧暦八月十五日は中秋の名月。この日、農村では作物を月に供えみのりを感謝する風習が古くからありました。
秋一番のお供え物として採れたばかりの里芋を供えたことから、十五夜の別名は芋名月。お月見が終われば、お供え物の里芋は「きぬかつぎ」でいただきます。
里芋を皮ごとゆで、食べる前に皮をむくこの料理。つるりと皮をむいた里芋が白くまるい月のようにも見えることから、円満や豊作への願いも込められていました。
十五夜の歳時菓は、お月見に縁のある「きぬかつぎ」に見立てたもの。こし餡をつつんだ団子を里芋のかたちに仕上げ、かわいらしい孫芋を添えました。

29日

十三夜 -じゅうさんや-

十五夜より一月遅れの十三夜。
満月からわずかに欠けた月は後の月と呼ばれ、中秋の名月とともに愛でられてきました。
江戸時代には十五夜と十三夜、どちらかだけにお月見をすることを「片月見」として嫌い、二月続けてお月見をしたともいわれます。
月の風情を愉しむお月見も、農村では収穫への感謝と豊作を願う大切な風習。
十五夜の「芋名月」や十三夜の「栗名月」といった別名は、それらの作物を収穫し、月へのお供え物とした名残でもあるのです。
十三夜の歳時菓は「栗名月」の呼び名にちなみ、黄味餡を時雨生地で包み、蜜漬けの栗を乗せ蒸し上げました。

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