渡邉美和子医師 コラム 第3回『いざ実践〜食べて身体にイイお菓子 具体的な工夫』2016/09/01更新

今までも医師が集まる医学学会で「食べた方が身体にイイお菓子」をご紹介してきましたが、今年は第16回日本抗加齢医学会総会、第24回日本乳癌学会学術総会、第34回日本肥満症治療学会学術集会で「食べて身体にイイお菓子」として、心を込めて制作したお菓子を皆さんに召し上がって頂きました。
学会では、生活習慣指導として教科書的知識だけで嗜好品を禁ずるのではなく、美味しさや生活の楽しみ、そして生きる喜びを大切にしなければ結局日々の習慣として継続できないこと、そしてお菓子に関して食の知恵として活用できる工夫を提案しました。
ご好評いただき、9月から限定で一般販売できることとなりましたので、ここで少しご紹介いたします。(たねやオンラインショップ限定販売:完売いたしました。)

前回のコラムでもお話しした通り、ポイントはカロリーを抑えても満足感を得られること、上手な糖質摂取、腸!イイ食材の3つです。
もともと和菓子はバターや生クリームといった脂質の問題はあまりないのですが、いかに糖分を少なくするかが課題でした。そこで、砂糖の代わりにカロリーや吸収率、血糖値の上昇率が抑えられるエリスリトールやマルチトール、アガベ、羅漢果、希少糖などあらゆる糖分に置き換えてお菓子を作りました。様々な機能的な糖分がもてはやされていましたから置き換える糖分の選択肢も多く、コストの問題さえクリアすればそれ程難しいことではないと考えていたのです。
ところが予想に反して、同じ甘さであっても口当たりや食感、甘さの深み、味わいなど、なかなか満足できる味に仕上がりません。糖度は一緒でも、美味しいと感じる味覚や脳の満足感は数字だけでは解決できないことに思い至りました。

そして、食物繊維は腸内環境も育てる優秀な成分食べて身体にイイお菓子は、美味しさと満足感を引き出す絶妙な糖分の量を試行錯誤で検討し制作しています。どんなに身体に良くても「美味しい」と感じられることが何より大切だからです。また、たねや寒天は特徴的な密閉パックに入っていますが、あのパックは寒天を一番美味しく召し上がって頂ける大きさと食感を保持しているだけではなく、密閉により保存料としての砂糖を最小限にしているのです。
糖分については、量を減らすだけではなく、血糖値の急激な上昇を防ぐ食物繊維を一緒に摂る工夫をしています。例えば白米と玄米は同じ糖質量ですが、玄米の方が精製されていない分、ビタミン・ミネラルだけではなく食物繊維が豊富です。 食物繊維は腸内環境を改善させますので、もちろん腸!イイ食材につながります。普段診察室では、野菜やキノコ、寒天を含む海藻などから摂ることをお勧めしていますが、今回は和菓子屋さんらしく小豆の皮を混ぜ込んでみました。普通はゴワゴワと口に残ってしまう皮も却って食感を楽しんで頂ける仕上がりになったのではないかと思います。

腸!イイ食材と言えるだけの食物繊維量まで増やすにはこれからも工夫が必要ですが、野菜でも果物でも捨てる「皮」の部分に栄養成分は多いので、今後も身体に良い成分を有効利用できる工夫を考えたいと思います。 食物繊維と並んで腸内環境改善に関係する発酵食品を用いたり、身体の中のサビをとる抗酸化物質が豊富な食材を積極的に用いるなど、知恵をこらしたお菓子を、多くの皆様に楽しんで頂き、お菓子から健康になる生活を考えて頂きたいと願っております。