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お盆はご先祖様が帰ってこられる大切な日。今でも月遅れや旧暦のお盆の時期は日本中の人々が郷里に戻り、お墓参りをし、家にご先祖様をお迎えします。お盆の入りには迎え火を焚き、お墓や仏間にはおだんごをお供えするなどして、ご先祖様をおもてなしするのです。
たねやのお迎えだんごは、うるち米粉を蒸して作ったおだんごに甘い醬油のたれをかけた素朴なもの。懐かしい人たちと共に過ごす日にはぴったりの味わいです。
秋を象徴する菊花は、古来長寿にちなんだ花として愛されてきました。中国のならわしが日本にも伝わり、菊の花を浮かべた菊酒、干した花びらをつめた菊枕、繭を伸ばして作った真綿を菊の花にかぶせて夜露と香りを移し、それで顔や身体をぬぐう被綿などが長く親しまれたのです。〈栗子もち〉は栗を使った9月9日〈重陽の節供〉の一品。栗餡の中に小豆の皮を混ぜ込んだお餅が入っています。頭にちょこんとのせているのは菊花にかぶせた綿に見立てた刻み栗。秋の実りを味わうやさしい甘みのお菓子です。
中秋の名月、〈十五夜〉の頃は新しい里芋が収穫されることから〈芋名月〉とも呼ばれています。たねやでは十五夜に合わせて、里芋の形を模した〈きぬかつぎ〉を作ります。本来のきぬかつぎとは小ぶりの里芋を蒸して、柔らかくなったところでつるりと皮を剝き、塩をつけていただく秋の味です。
もっちりとした団子生地で甘いこし餡を包み、ぽちりと小芋をつけてアクセントとしました。お月さまへのお供えにもふさわしい一品です。
萩の咲く秋のお彼岸にいただくことから〈おはぎ〉の名がつきました。古くから神仏やご先祖様へのお供物としても作られてきたお菓子です。春のお彼岸の頃の〈牡丹餅〉と同じく、近江でとれたもち米に十穀をまぜ、蒸したのちに搗きつぶして粒餡やきな粉で包んであります。
押麦、黒米、米粒麦、発芽玄米、もち玄米、もちきび、もちあわ、赤米、はとむぎ、うるちひえの十穀はもち米と合わせると香ばしく、田畑の実りの尊さを感じさせてくれます。
旧暦9月13日は、〈十三夜〉。栗の収穫期に当たることから〈栗名月〉とも呼ばれ、澄んだ空に浮かぶ少し欠けた月が秋の深まりを感じさせてくれます。
黄味餡を時雨生地で包み、蜜漬けの栗と共に蒸しあげたたねやの〈栗名月〉。時雨生地は口に入れるとほろほろと溶けてゆく口当たりの良さが特徴です。真ん中に入れた一粒の栗が十三夜の月のようにも見える、季節感にあふれたお菓子です。
旧暦10月の最初の亥の日は茶室の炉を開き、庶民の家ではコタツを出す〈開炉の日〉とされてきました。現在では新暦11月の最初の亥の日を〈炉開き〉とし、その前後も含めて茶事をもよおし、新茶を味わうならわしが残っています。
この日は子沢山の亥を模した〈亥の子餅〉を食べて子孫繁栄を願う行事がありました。たねやの〈亥の子餅〉は桂皮末と粒餡を練り込んだ求肥で一粒栗を包んだもの。玄を模した姿にも、どこかユーモアを感じさせます。