月間アーカイブ

カレンダー

2021年9月
« 7月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  
キャンディーファーム(たねや農藝), たねやグループの取り組み | 2021/06/15  09:35
Text : 川尻 七魅(キャンディーファーム)

5月21日と28日、ラ コリーナ近江八幡で田植えを行いました。
私にとってははじめての田植え体験です!

21日はあいにくの雨でしたが、私は楽しみに思う気持ちが断然大きかったです。

田んぼに入り手も足も泥だらけ。
一歩進むたびに足がすっぽりと沈み、力いっぱい足をあげなければ抜けないところもありました。

けれど嫌な感じはまったくなく、田植えをしている間、私の心は幼いこどものようなわくわくした気持ちでいっぱい!

ずっと田んぼに入っていたいような心地でした。

少し温かい泥を手ですくってみると、手から流れ落ちるくらいの柔らかさ。ぎゅっとつかめるくらいの泥だんごの泥を想像していたので、意外に思いました。

3人1組になり「せーのっ」でタイミングを合わせ木枠を転がしながら、稲苗を植えて進んでいきます。この木枠が苗をまっすぐ等間隔に植える目安になります。
木枠は左右の力の差で斜めになったりするので、真っすぐに修正しながら転がしていきます。

田んぼの中では足を取られ、腰もかがめながら進んでいくので体力がいります。声をかけ合い3人で交代しながら、1つのラインを植えきりました。

けれど私は疲れを感じず、ずっとやっていたいと思うほど楽しんでいました。


ラ コリーナでは機械や農薬を使わず、毎年手植えで田植えをします。
除草の際も、手押しの除草機を使います。

収穫できるお米の量は大きい方の田んぼで約800kg、小さい方で約600kgくらいになります。
稲苗は1回に約3〜5本ずつ植えますが、それでだいたいお茶碗1杯分のお米が実ります。
みんなでたくさんの苗を植えたのですが、収穫予定の量は私が思っていたより少ないと感じました。

そして稲は植えるまでに、たくさんの準備が必要です。

稲の播種(種まき)から田植えまでの育苗はキャンディーファームで行い、私も播種や育苗プールの設置などに携わりました。

稲苗は水の管理と、日に当てる具合の調節が重要です。
今年の稲苗は日に当てる時間が短かったので、少し細い苗になってしまいました。


お菓子の原材料にもなるお米作りをスタッフが実際に体験し、お米が当たり前にあることや、農家さんへの感謝を改めて感じることに、ラ コリーナで田植えをする意味があるのだと思います。

それに加え、私が今回の田植え初体験で強く感じた事はとにかく手植えする楽しさ!
そしてみんなと楽しみながらラ コリーナの景色を作ることができる喜びです。

キャンディーファームでの育苗をはじめ、私自身が楽しみながらした田植えがラ コリーナの景色になることを、とても嬉しく思います。

私はラ コリーナが大好きで、いつも幸せ空間だと思っています。
雑草を含め自然と共に在り、自然は四季の良さを感じさせてくれます。

足を運んでくださるお客さまがラ コリーナの自然を見て「癒される」と言ってくださるように、草花や自然の景色は、私たちの心を癒やしてくれます。

お菓子屋さんでありながら、自然に学び、自然と共に在り、植物も虫も動物も人も生き生きできる場所です。
このようなお菓子屋さんは、全国どこを探してもないと思います。

ラ コリーナの中で自然に学びながら景色作りに携われること、日々の変化が見れることに喜びを感じながら、キャンディーファームで仕事をしています。

これからもたくさんの方にラ コリーナの魅力を伝え、ファンを増やしていきたいです。


和菓子 | 2021/05/23  10:53
Text : 森 朋美(広報室)

たねやでは季節にあわせてさまざまなお菓子をご用意しています。

毎年5月から7月にかけてお届けしている「稚鮎(ちあゆ)」もその一つ。
たねやのふるさと近江の初夏は鮎の季節。琵琶湖周辺では稚鮎を炊く香りが漂い始めます。


近江の初夏をあらわす鮎に見立てた「たねやの稚鮎」。今回は稚鮎の製造工程をご紹介いたします。


まずは餅づくりから。米粉と水をあわせ蒸しあげていきます。


蒸しあがったお餅を銅釜に入れ、水あめ等をあわせながら柔らかい求肥(ぎゅうひ)に仕上げていきます。

ゆっくり、ゆっくり。時間をかけてまぜていきます。


練りあがった求肥を番重(ばんじゅう)に流し、粉をかけていきます。

餅を流す前の番重にもあらかじめ粉を敷いています。これは餅が番重につかないようにするためです。


粗熱がとれたら稚鮎1匹に必要なサイズへカットしていきます。これは『求肥カッター』と呼ばれる機械。

あっという間に求肥が切れました。

カットした求肥の粉を落とし、次の工程へと移ります。


ここからは生地を作り、成形していきます。

卵や小麦粉などを混ぜ、生地を焼いていきます。

機械の上部に生地をセットすると、下の銅板に流れてきました。
生地が流れでる様子はずっと見ていられます。生地を焼く機械なので、近づくとものすごい熱気に包まれました。銅板の温度は約170℃にもなるそうです。

先に進むと、さきほどカットした求肥を生地の中央に置いていきます。機械ではできない作業なので、ひとつひとつ丁寧に手作業で行います。

片面が焼きあがったら生地を半分に折り返し、求肥を包んでいきます。

こちらも手作業でおこないます。焼きたての生地は熱いので、片手は軍手、もう片方の手は稚鮎の表情をつけやすくするために薄手の手袋を使用します。

稚鮎のおなかにあたる部分の生地をあわせ、求肥を包み込みます。

次に尾びれになる部分をつまんで成形します。
最後は顔の部分を優しくあわせます。

この作業は時間をかけてしまうと、次から次へと生地が流れてくるので時間との勝負。なんと5秒間に1匹仕上げるスピードで作業しているとのことです!


次はいよいよ最後の工程。3匹並んで進んでいきます。


ここではお菓子に焼印で表情をつけて命を吹き込みます。

まずは「かお」。

つぎに「尾びれ」。

最後は「おなか」。

手作業でひとつひとつ押していくので、それぞれに表情が異なります。
次々に流れてくる稚鮎に焼印で表情をつけるのも時間との勝負。焼印は約140℃にもなるので、生地に焼印をあてすぎると焦げ、あまいと表情がつきません。生地を見て、細心の注意を払いながら押していきます。


最後は包装。

1匹ずつ流れていきます。

個包装ができたら検品をし、たねや各店舗に出荷します。


2021年の稚鮎は5月8日 〜 7月中旬までたねや全店にて販売しています。

爽やかな初夏の近江を想いながら、たねやの稚鮎をお楽しみください。

ひとつひとつ異なる表情にも注目です。


稚鮎の製造工程は動画でもご覧いただけます。
職人たちによる成形、焼印の技術をご覧ください。


その他、商品の製造の様子はこちら

歳時菓に願いをこめて〜粽〜

2021年節分は2月2日


和菓子 | 2021/04/28  09:18
Text : 森 朋美(広報室)

5月5日はこどもの日。端午の節供とも呼ばれ、古くから私たちの生活に根付いているこの日は「五節供」のひとつで男児の誕生と成長を祝います。

古くはけがれを祓(はら)う行事でしたが、江戸時代には鎧や兜、鯉のぼりを立てるなど男児の健やかな 成長を願う行事となりました。


端午の節供に食べる粽(ちまき)は古来中国より伝えられた際に、茅(ちがや)の葉で巻いたことから「茅(ち)巻 き」と呼ばれ、無病息災を願うお菓子として親しまれました。

たねやの粽は昨年まではだんご生地で歯切れが良く、しっかりした食感でしたが今年の粽は生地をリニューアルし、餅生地に。以前よりも柔らかく粘りがあり、もっちりとした生地に変わり噛むほどに米の風味を感じていただける「たねや」オリジナルの粽になりました。

そんな粽について製造担当の岡村工房長と中田工房長にお話しを伺います。


まずは、餅製造担当の岡村工房長です。

【餅製造担当:岡村工房長】

粽の餅は粗さの違う2種類の米粉を使用します。そこに食感が出るよう糯米粉を加えていきます。

まずは粗めの米粉から蒸していきます。

その後、他の材料を加え、さらに蒸します。
材料はぞれぞれ火の通り方が違うので、材料によって蒸し時間が異なります。
蒸し方があまいと食感が変わってしまうので、蒸す工程が一番重要です。材料を加えるたびに「しっかりと蒸せているか」と確認する作業が一番気を使います。


次に餅を搗(つ)いていきます。餅は、搗く日によって差が出ないよう130回搗くと決めています。

ある程度搗いたら砂糖を加えます。
砂糖を加える時は、餅に砂糖を練りこみ混ざったことを確認してからもう一度搗きます。

その後、餅を冷まし成形していきます。
まずは搗きたての熱い餅を伸ばし、餅の表面が乾燥しないよう覆います。

粗熱をとった餅を成形していきます。


成形ができたら笹巻きをする工房へ送ります。


次は仕上げ担当の中田工房長へお話を伺います。

【粽の仕上げ担当:中田工房長】

たねやの粽では笹の葉を2枚使います。中の餅(芯)を包む笹は比較的大きいサイズのものを使います。色が薄い若い葉は餅がつきやすいので使用しません。

餅が大きいので笹の葉1枚だと巻ききれないため2枚使用し、1枚だけ油を塗ります。これは餅が笹につくのを防ぐためです。い草をほどいて食べる時に餅が笹の葉から剥がれやすくするために塗っています。


次に笹の葉で餅を包み、い草で巻いていきます。

個人差はありますが、い草を笹で巻く練習をしてすぐに巻ける人もいますが何度も何度も練習してやっと巻けるようになる人もいます。
早い人だと20〜30秒で1本巻くので、10分もあれば20〜25本できあがります。初めての人だと1本巻くのに3分ほどかかります。

粽は上手く巻くことだけではなく、手早く巻かないと手の熱が餅に伝わり、商品に影響を及ぼします。早く巻けるようになるには時間と経験が必要です。


たねやの粽は3本束と5本束の2種類あるのでそれぞれ束ねていきます。※粽 黒糖は3本束のみ
商品一本一本に巻くい草は約100cmほどですが、束ねるために使用しているい草は約120cmです。


最後に袋へ入れて完成です。



粽は機械では作ることのできない商品ですので、手作業でひとつずつ作っています。

一本一本の表情が違うので食べる前に商品を見て、出来上がりまでの工程を想像していただけたらと思います。


最後に中田工房長より端午の節供に食べる粽についてお話いただきました。

中田工房長:粽は五月の節供に食べるものです。節供というのは長年、昔の方から引き継がれてきた風習、文化ですので後世にしっかりと伝えていかなければならない行事だと思ってます。


僕たちはお菓子を通して、そういう文化や歳時をみなさまに伝えていけたらなと思ってます。

たねやの粽は束にして立てた状態でお届けしています。凛と立つ粽を作り、その姿が子どもの成長に当てはめてみてもらうようなお菓子になっています。みなさまと共に子供の成長を願っていけたらと思っています。


粽の製造工程は動画でもご覧いただけます。

その他、商品の製造の様子はこちら
2021年節分は2月2日


和菓子 | 2021/04/13  09:14
Text : 森 朋美(広報室)

たねやの店舗では四季折々のお菓子を季節ごとにご用意しています。
お菓子を展示する容(い)れ物なども季節にあわせ変化しているのをご存知でしょうか。

お菓子はもちろん、季節を伝える容れ物を自社で作るのもたねやのこだわりのひとつ。
今回は展示用備品として使われる「ざる」の製作過程をご紹介いたします。


ざるに合うように和紙をカットし、和紙を貼っていきます。

和紙に塗っているのは水のりです。

ゆっくりと丁寧に…

ざるの目に沿って丁寧に貼っていきます。
全て手作業で行います。

この作業をざるの側面と内面、繰り返し行います。


次に、色づけした和紙を貼っていきます。
今回製作しているざるは春の展示で使用するので、新緑をイメージした色を和紙に染めていきます。

先ほど貼った和紙と色つきの和紙、境目がわからないように調整します。

水のりをつける前に位置を確認。


貼る位置が決まれば、和紙に水のりをつけて破れないよう丁寧に貼っていきます。

今回製作したざるはたねや各店舗に送り、お菓子の展示で使用します。

展示を終え、ざるが店舗から返ってくれば劣化していたり、和紙の剥がれがないかを確認し次に使う時まで大切に保管します。
お直しが必要なざるがあれば次回の展示までに和紙を全てはがし、今回と同じように貼り直しを行います。


たねやではお菓子を通じて季節を感じていただくために、お菓子を展示する容れ物ひとつひとつにも愛情込めて手づくりしています。

たねやの店舗にご来店の際はお菓子をひき立てるための容れ物にも注目してみてください。

※一部店舗では今回製作したざるを使用していない場合があります。

製作の様子を動画でもご覧いただけます


コンセプト, たねやグループの取り組み | 2021/04/03  09:06
Text : 桂 浩子(広報室)

2021年4月より、たねやでは雲流紙にかわり“折々のうた”をお菓子に添えお届けいたします。

たねやグループでは一菓子舗として環境負荷を少なくする取り組みを進めています。

今回雲流紙の使用をやめることもその一環ですが、和菓子は季節とともに在るもの。箱を開けるその時に季節を感じていただけるよう、井伊文子(いいふみこ)先生の短歌を添えることにいたしました。


井伊文子先生は1917年、東京麹町のお生まれ。父の尚昌侯爵は琉球国最後の国王尚泰の孫で、先生はひ孫にあたります。

1930年、14歳で歌人 佐々木信綱に師事され1952年からは型にとらわれない口語自由律短歌をはじめられました。彦根井伊家に嫁がれたのは1937年。その後1953年には琵琶湖畔のお浜御殿(旧彦根藩松原下屋敷)に居を移され晩年までお過ごしになりました。

歌人、随筆家としても多くの作品を遺された井伊文子先生にたねやがご縁をいただいたのは1987年のこと。

「和菓子に、お客様の琴線に触れるような美しい“和のこころ”を添えたい」

山本德次会長のそんな思いから執筆をお願いし、2003年まで15年以上にわたり短歌や随筆を書いていただきました。

日々の暮らしや折々の草花、茶の湯への親しみなど。月々のお菓子のたより「くらしのしるべ」に掲載した150首以上のなかから季節にちなんだものをお届けいたします。

4月から8月末にかけては夏の5首を。

“けたたましいよしきりの声を含みあしたの青葉濃さを増す”

“ごぼう積みの石の間の夏草ともに白い櫓をささえてか”

“幾羽の鳶に引きのばされる朝雲透く青空に待たれた夏だ”

“緑色ぎらつかせ池一杯の睡蓮の葉のひしめき禪寺に午後の日が闌けてゆく”

“こまごまと咲くみそはぎの花に気負いそぎおとしああ肩先が軽い”

※読みやすいよう濁点をつけています

季節にあわせ短歌と意匠は変えてまいります。お菓子とともにお楽しみくださいませ。


ページトップ