ラ コリーナ近江八幡の田植えはテーマ「自然に学ぶ」のもと、直接土や水に触れることができる手植えにこだわって毎年田植えをしています。
今年は5月20日、5月25日の2日にかけて、田植えを行いました。
ラ コリーナ日誌の「苗編」で苗の成長について書きましたが、今年はほぼ理想通りの苗を育てることができ、田植え当日を迎えることができました。
今回の田植えは新入社員研修を兼ねて開催され、新型コロナウイルスの影響を受け、入社式や研修を本社で行えなかった1〜3年目の新入社員に参加いただきました。
田植えまでの準備と、田植え当日の様子についてご紹介します。
5月18日、田植え本番を翌々日に迎えたその日、大きい方の田んぼ(約2.5反、以下「水田(大)」)に「水糸」を張りました。
この水糸張りは、田植えを手植えで行うために非常に重要な作業です。
ラ コリーナの田植えでは、等間隔に張られた水糸の間に「コロコロ(キャンディーファームで作成した田植え用の道具)」を置いて転がし、そのコロコロを目安に田植えをしていきます。
ここで水糸同士が並行でなかったり、コロコロの幅に合っていなかったりすると、コロコロをまっすぐ転がすことができず、苗を植えた際に曲がってしまい、綺麗な景観が作れません。
そのため、水糸張りは非常に重要な作業なのです。
水田(大)の中央にある島のような石松の端を避けて水糸を張らなければならないうえ、田んぼが変わった形をしているため少し厄介な作業でした。
対岸のスタッフと声を掛け合いながら慎重に、なんとか綺麗に張り終えることができました。
当日の様子は、動画にてご覧ください。
小さい方の田んぼ(約1.5反、以下「水田(小)」)は、5月24日に水糸張りを行いました。
水田(小)は島が1つしかなく、田んぼの形も比較的分かりやすい形をしているため、水糸を張る作業はスムーズでした。
こうして田植え当日を迎える準備は完了です。
5月20日。天気は少し曇っており、「絶好の田植え日和!」ではなかったですが、涼しく田植えをしやすい環境のなかで水田(大)の田植えが始まりました。
田んぼに入るのが初めての人も多く、最初は泥に足を取られ歩くのもままならない人がほとんどでした。
長靴が短くすぐに泥が中に入ってしまった人から、田植えに適した長靴を持参した人まで、人によってさまざまでした。
3人1組のチームで、1チーム1台のコロコロを両端に張られた糸に沿って転がしながら、田植えをしていきます。
転がす人同士のタイミングが合わないと真っすぐ転がらず、植える際に曲がってしまうため、声を掛け合いながら転がすのがコツです。
チーム内で声を掛け合うので自然と会話ができ、同僚との仲も深めることができた田植えになったように思います。
5月25日。天気は快晴で、この日は絶好の田植え日和となり、少し暑いなかで水田(小)の田植えが始まりました。
この日参加していただいた従業員は今年4月に入社したばかりの方々でした。入社して1カ月半しか経っていないので、やはり皆さん最初は表情が硬く、少し緊張していたように見えましたが、田植えが始まると同じチームの人といろいろなことを話しながら、笑顔も増えていったように見えました。
今年は水田(大)に「キヌヒカリ」、水田(小)には「秋の詩」を植えました。
この2つの品種は収穫時期に少しズレがあります。収穫時期に差がある2つの品種を栽培する理由は、少しでも長くお客様に黄金色になったイネの景観を見ていただきたいと考えたからです。
こうして2日間かけて行われた田植えは無事終了しました。
苗の準備を開始した3月末から約2カ月、色々な人のおかげでようやく田植えまで終わり、少しホッとしています。
ただここで一息ついている時間はありません。田植えの次は除草です。
除草作業もこの田んぼにとって重要な作業になりますので、引き続き気を引き締めて頑張っていきます。
たねやを代表する夏の涼菓『たねや寒天』。
「暑いさなかでも、さらりと口にできる餡をつくりたい。」
先代の山本徳次が職人と思考を凝らしながら遊びゴコロを添え、2009年の発売以来13年間みなさまに親しまれてきた夏の涼菓です。
時は巡り2022年。たねや寒天は大きな転機を迎えました。
「食べる時にどうしても出てしまうプラスチックを少しでも削減したい」
長年課題であったこの想いを解決するため、今までの意匠を一新し、新容器での販売をスタート。
プラスチック容器をアルミ容器に変更し、それまで使用していたプラスチックを68%削減することに成功しました。
【従来容器】従来容器: 樹脂 38.3g使用
【新容器】樹脂12.13g(アルミ3.99g)プラスチック68%削減
容器の変更だけでなく寒天の容量も90g → 105gへ増量し、寒天の食感にもこだわりました。
口に入れた瞬間に寒天がはじけて瑞々しく食べれるよう、何度も配合を調整。寒天のサイズが変わると食感も変わるため、寒天一つ一つの大きさにもこだわり、餡と合わせお召し上がりいただく瞬間が一番美味しくなるようにしています。
アルミ容器に変更した大きな理由の一つが「アルミはリサイクル可能」だということ。
アルミは高温で溶かし何度もリサイクルできるという特徴を持ち、アルミの使用量が増えると、より再生の効果は大きくなります。使用後のアルミ容器をリサイクルし、再生することで資源の有効利用につなげていきます。
容器以外のパッケージにもこだわりました。
個包装袋には環境に配慮した素材としてセルロースフィルム、印刷にはバイオマスインキを使用しています。セルロースフィルムはプラスチックフィルムとは違い木材パルプが主原料の植物由来の素材です。
バイオマスインキは種子や米ぬかなど植物成分を原料の一部に使うインキです。こうした環境配慮型の素材を使うことでパッケージが破棄、焼却される際の有害ガス発生を抑えることにもなります。プラスチックや廃棄物の削減とともにカーボンニュートラル、脱炭素に向けた取組みの一つです。
時代にあわせ、進化していくたねやのお菓子。たねや寒天も発売以来、さまざまな意匠で展開してきました。
【過去のパッケージ】
たねやでは美味しさはそのままに、今後も容器の見直しや環境に配慮した資材への切り替えを進めてまいります。
2022年5月23日、ラ コリーナツアーを再開することが出来ました。
ラ コリーナツアーとは、なぜ?どうして?をなるほど!そうだったんだ!と知っていただく為の小さな旅。
ラ コリーナ近江八幡の随所に込められた思いやこだわり、由来などをお伝えしながら巡るガイドツアーです。
感染症対策のためラ コリーナツアーを休止から気が付けば2年も経過していました。
その間もラ コリーナ近江八幡の季節は廻り、お伝えしたい事が毎日少しずつ膨らんでいきました。
一粒のどんぐりから始まったラ コリーナ近江八幡の物語。
こうしてまたみなさまにお伝え出来る事が、とても嬉しく思います。
ガイドは私だけではなく様々な部署に所属していて、普段は店頭で販売をしていたり、カフェでご案内をしていたりと、個性あふれるスタッフがガイドの業務も担っています。
ガイドによって得意な部分が違うので、お伝えする物語も様々です。
毎日変化していくラ コリーナ近江八幡、同じツアーはありません。その変化をみなさまと一緒に楽しみながら、ご案内出来ればと思います。
私たちは一お菓子屋ですが、お菓子の素材は自然の恵みです。
たねや・クラブハリエは自然と共に、そして沢山のつながりと共に。滋賀に暮らす人々や、お菓子を通じてご縁を結んだ方々とこれからの未来を創っていきたいと考えています。
ラ コリーナツアーを通して、みなさまも一緒に自然の大切さを再認識するきっかけ作りをこれからも提案していきます。
沢山の方と出会えることを楽しみに、ここラ コリーナ近江八幡でお待ちしております。
▼ラ コリーナツアーの様子を動画で少しだけご紹介
■ラ コリーナツアーのお申し込みはこちら
※ツアーは予約優先ですが、空きがあれば当日受付でご案内できます。詳しくは売場スタッフまでお問い合わせください。
■過去のラ コリーナツアー紹介はこちら■
2019年11月4日 秋に触れる 〜ラ コリーナツアー紹介〜
2019年6月4日 ラ コリーナツアー スナップエンドウの収穫
※2019年に開催したツアー内容です。体験型のツアーは今後の開催は未定。
ヤマアジサイが綺麗な季節になりました。
ヤマアジサイは、半日陰の湿り気のある林や沢沿いに生育しているため、「サワアジサイ」とも呼ばれます。
古くから日本に自生し、西洋アジサイに比べて葉や茎が細く繊細で、人気が高いです。
ヤマアジサイは、ラ コリーナ近江八幡のキャンディーファーム内、お客様にお入りいただけないエリアに咲いています。
キャンディーファームでは、ご来店くださるお客様にも季節をお楽しみいただけるよう、季節の山野草を使用した寄せ植えを、たねや各店舗に週替わりでお届けしています。
寄せ植えに使用している、ラ コリーナ近江八幡のヤマアジサイを紹介します。
七段花(シチダンカ)
真ん中の両性花が退化し、周りの装飾花が重なり合うのが特徴で、「幻のアジサイ」と言われます。
神戸の六甲山に自生しているのを1959年に発見されました。
九重山(クジュウサン)
大分県の九重山に自生するヤマアジサイ。淡いブルーのガクアジサイで黄色い斑が入る葉がとてもきれいです。
紅(クレナイ)
装飾花の色がはじめは白で段々赤くなり、深紅に変化します。色の移り変わりが美しいヤマアジサイです。
紅剣(ベニツルギ)
装飾花は薄いピンク色で、縁がやや濃くなります。茎が細く赤紫色をしており、花も葉も小型の品種です。
清澄沢(キヨスミサワ)
千葉県の清澄沢という山に自生しているヤマアジサイ。一重のガク咲きで白い装飾花の縁が紅色になります。
美里桜(ミサトザクラ)
愛媛県産の一重ガク咲きのヤマアジサイ。装飾花は淡い桃色で、先にはかわいい切れ込みが入ります。
装飾花の数は4弁が多いが5弁になることもあり、桜の花のように見えます。
たねやにご来店の際は、季節のお菓子とともに、山野草にもご注目いただけると嬉しいです。
キャンディファームでは、百貨店などの地下フロアでも季節を感じていただけるよう季節の山野草を店舗に届けたり、一部の店舗では寄せ植えの販売をしています。
山野草の生け込みをしていると、“ムラサキ”というお花の上に小さい虫を発見!てっぺんがお気に入りのこの子は、”ヤブキリ”というバッタの赤ちゃんでした。
滋賀県東近江市では昔からずっと栽培されていて、市の花として今も大切にされています。染め物だけでなくコスメなど薬効も注目のムラサキ。
シンプルな見た目ですが、歴史や可能性がたくさん詰まっているのだと知りました!
また小さな発見があればラ コリーナ日誌でお届けします。