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ラ コリーナ日誌
はじめての焼杉!
Text : 事業部
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藤森照信先生によるワークショップ第二弾「焼杉」。メインショップの外壁の一部に使用される焼杉を、建築を学ぶ学生さんたちと共に製作しました。
焼杉はスギ板の表面を炎で真黒に焼いたもの。西日本のみにみられる伝統的な技法で、民家の外壁や塀に用いられてきました。炭素でコーティングすることによって耐久性を増す効果があるのですが、焼いて作る木造は世界的にも例のない技術。いつごろ生まれたのか、どこで生まれたのかも分からない謎めいたものです。
伝統技法を現代建築に活かすユニークさは建築史家・藤森先生ならでは。これから始まる実演を前に、ワクワクしながらレクチャーを聞きました。
いざ、実演。スギ板3枚を筒状にあわせ、針金で縛ったものを足場に立てかけます。新聞紙を丸めて筒の下に押し込み、バーナーで着火。
え、それだけ?!と思うのも束の間。上部から煙が出てきました。
藤森先生が板を少しこじ開けると、もうもうと炎が昇っていくのが見えます。
近い!そんなに近くで大丈夫なのでしょうか…。そんな心配もよそに、板を抱きかかえるようにされる藤森先生。
ドーーン!豪快に倒れるスギ板。すかさず水をかけて消火します。
3枚の板を開くと、出来ていました!焼杉です!真黒です!!
大胆なプロセスに、皆から「おおぉぉぉー」と感心の声。
「意外に不思議な技術で、下から上まで均質に焼けます。木材の性質上、一旦赤く炭になると伝熱しない。酸素もないからあまり進まなくて、新しい領地を求めてどんどん炎が上に行きます」と、藤森先生。
参加してくれた滋賀県立大学の学生さんたちも果敢に取組んでくれました。
「簡単にできることに驚きました。建物に使われると思うとすごく嬉しいです」と声を弾ませる学生さん。彼らから飛び出す質問にも、藤森先生は一つひとつ丁寧に答えてくださいました。
みんなで作りあげる建築。楽しいです!
※メインショップ:焼杉ワークショップ