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ラ コリーナ日誌
世界一を目指して!
Text : 國領美歩(広報部)
- #クラブハリエ
3月23日、24日に東京で開催された製菓の世界大会「第15回 クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー2017」の国内予選。クラブハリエ社長・山本隆夫は「アントルメ・グラッセ/氷彫刻C部門」に出場し、見事優勝いたしました!たくさんの応援をいただき、誠にありがとうございました!
大会本番を控えた3月中旬、ラ コリーナ近江八幡の近くにあるパティシエの練習施設を兼ねた寮では、黙々と練習に励む山本の姿がありました。 縦110cm、横50cm、奥行き25cmの氷の塊に、テーマである「NATURE(自然界)」を表現します。大小さまざまな刃物を使い分け、少しずつ形づくられていく百獣の王ライオン。氷の破片が飛び散るなか、無機質だった氷に命を吹き込むような力強い場面の連続でした。 はじめに薄くキズをつけて大まかな下書きを書きますが、それ以降は一度も下絵を見ることなく、すべて山本の頭の中のイメージにそって削っていきます。 日が落ち、まだまだ厳しい寒さの中でも、冷たい氷を扱っている本人は汗びっしょりなのだとか。氷彫刻は繊細でありながら、体力的にもハードな作業だということが分かります。 氷彫刻は、長年山本が取り組んできたチョコレートのピエスモンテ(細工菓子)とはまったく違うアプローチ。「チョコの場合は足して完成させるけど、氷彫刻はいらない部分を引いて削っていく。まったくの別物。最初に完成を思い浮かべないとできない」と山本は話します。 各パーツを用意して組み立てていくチョコやアメのピエスとちがい、一度削ってしまったら元に戻せないという難しさがある氷彫刻。山本自身も「最初は思い切って彫るのに勇気がいった」とか。しかし、氷彫刻で「引く」の感覚も身につけたことで意識が変わり、今後のお菓子作りに多くの収穫があったと言います。 氷彫刻とともに提出する「アントルメ・グラッセ」、日本でいう「アイスケーキ」の準備も着々と。寮で何度も試作を重ねてきました。 クープ・デュ・モンドへの挑戦は2回目となる山本。2014年の国内予選は2位と悔しい思いをしました。2010年に製菓の国際コンクールWPTCで優勝を果たした後の大会となった前回、「1度世界一になったことで慢心があった」と振り返ります。 しかし、フランスでクープ・デュ・モンド2015の本大会を観戦した山本は衝撃を受けます。それはアイスクリームの本場イタリア勢の作品。「とにかくおいしそう、食べたい!と思った。もし日本代表として出ていてもきっと負けていた」。 その時の思いが、今回の再挑戦へとつながります。世界大会の厳しさ、苦しさを知っていてもなお、「自分の中にないものを持っているイタリア」の存在が山本を突き動かしました。 世界一に向かって、社長である山本自らが懸命に突き進む姿は、クラブハリエのパティシエたちにとっても大きな刺激であり、目標です。
今大会の「アシェット・デセール/チョコレート細工B部門」に出場し、5位をおさめた原田誠也も、山本とともに連日夜遅くまで練習を重ね、大会に挑みました。 工房での仕事を終え、7時間の通し練習ともなると終わるのはとうに日付を越えたころ。それでも、チョコレートに向き合う原田の表情は終始真剣そのものでした。 道具の準備や片付けなど、ほぼ毎晩練習の手伝いを続けてきたラ コリーナ近江八幡メインショップ カフェの森田結衣はこう話していました。 「手伝いというより、勉強させてもらっているという感覚です。お店では学べないことを、こんなに間近で見せてもらい、学ばせてもらっています。私にとって山本グランシェフは何でも完璧にできるすごい人。でもそんなすごい人でも最初は失敗し、失敗するからこそ徹底的に数をこなす努力をおしまない。私も、普段の仕事からもっと頑張らないとって思います」。 森田さんも今後大会を目指すのですか?と尋ねると、「まだ私は中途半端な気持ちやから。そんな気持ちでは言えません。でもいつか」という答えが返ってきました。その正直でいて真剣なまなざしに心を打たれました。 憧れの背中を追って、上を目指す。クラブハリエのパティシエに受け継がれるこの精神が、みなさまによろこんでいただける美味しいお菓子につながっているのだと思います。 来年1月の本大会に向けて、ここからさらなる挑戦がはじまります。また、大会で取り組むアイスケーキは商品化につなげ、今後ラ コリーナ近江八幡などクラブハリエの店舗でも展開していけたらと考えています。 山本の、クラブハリエの夢に向かって、みなさまの応援よろしくお願いします!
山本は2017年1月、シュゼットの駒居崇宏シェフ、森永商事の植﨑義明シェフとともに日本代表として、フランス・リヨンで行われる本戦へ出場いたします。
大会本番を控えた3月中旬、ラ コリーナ近江八幡の近くにあるパティシエの練習施設を兼ねた寮では、黙々と練習に励む山本の姿がありました。 縦110cm、横50cm、奥行き25cmの氷の塊に、テーマである「NATURE(自然界)」を表現します。大小さまざまな刃物を使い分け、少しずつ形づくられていく百獣の王ライオン。氷の破片が飛び散るなか、無機質だった氷に命を吹き込むような力強い場面の連続でした。 はじめに薄くキズをつけて大まかな下書きを書きますが、それ以降は一度も下絵を見ることなく、すべて山本の頭の中のイメージにそって削っていきます。 日が落ち、まだまだ厳しい寒さの中でも、冷たい氷を扱っている本人は汗びっしょりなのだとか。氷彫刻は繊細でありながら、体力的にもハードな作業だということが分かります。 氷彫刻は、長年山本が取り組んできたチョコレートのピエスモンテ(細工菓子)とはまったく違うアプローチ。「チョコの場合は足して完成させるけど、氷彫刻はいらない部分を引いて削っていく。まったくの別物。最初に完成を思い浮かべないとできない」と山本は話します。 各パーツを用意して組み立てていくチョコやアメのピエスとちがい、一度削ってしまったら元に戻せないという難しさがある氷彫刻。山本自身も「最初は思い切って彫るのに勇気がいった」とか。しかし、氷彫刻で「引く」の感覚も身につけたことで意識が変わり、今後のお菓子作りに多くの収穫があったと言います。 氷彫刻とともに提出する「アントルメ・グラッセ」、日本でいう「アイスケーキ」の準備も着々と。寮で何度も試作を重ねてきました。 クープ・デュ・モンドへの挑戦は2回目となる山本。2014年の国内予選は2位と悔しい思いをしました。2010年に製菓の国際コンクールWPTCで優勝を果たした後の大会となった前回、「1度世界一になったことで慢心があった」と振り返ります。 しかし、フランスでクープ・デュ・モンド2015の本大会を観戦した山本は衝撃を受けます。それはアイスクリームの本場イタリア勢の作品。「とにかくおいしそう、食べたい!と思った。もし日本代表として出ていてもきっと負けていた」。 その時の思いが、今回の再挑戦へとつながります。世界大会の厳しさ、苦しさを知っていてもなお、「自分の中にないものを持っているイタリア」の存在が山本を突き動かしました。 世界一に向かって、社長である山本自らが懸命に突き進む姿は、クラブハリエのパティシエたちにとっても大きな刺激であり、目標です。
今大会の「アシェット・デセール/チョコレート細工B部門」に出場し、5位をおさめた原田誠也も、山本とともに連日夜遅くまで練習を重ね、大会に挑みました。 工房での仕事を終え、7時間の通し練習ともなると終わるのはとうに日付を越えたころ。それでも、チョコレートに向き合う原田の表情は終始真剣そのものでした。 道具の準備や片付けなど、ほぼ毎晩練習の手伝いを続けてきたラ コリーナ近江八幡メインショップ カフェの森田結衣はこう話していました。 「手伝いというより、勉強させてもらっているという感覚です。お店では学べないことを、こんなに間近で見せてもらい、学ばせてもらっています。私にとって山本グランシェフは何でも完璧にできるすごい人。でもそんなすごい人でも最初は失敗し、失敗するからこそ徹底的に数をこなす努力をおしまない。私も、普段の仕事からもっと頑張らないとって思います」。 森田さんも今後大会を目指すのですか?と尋ねると、「まだ私は中途半端な気持ちやから。そんな気持ちでは言えません。でもいつか」という答えが返ってきました。その正直でいて真剣なまなざしに心を打たれました。 憧れの背中を追って、上を目指す。クラブハリエのパティシエに受け継がれるこの精神が、みなさまによろこんでいただける美味しいお菓子につながっているのだと思います。 来年1月の本大会に向けて、ここからさらなる挑戦がはじまります。また、大会で取り組むアイスケーキは商品化につなげ、今後ラ コリーナ近江八幡などクラブハリエの店舗でも展開していけたらと考えています。 山本の、クラブハリエの夢に向かって、みなさまの応援よろしくお願いします!