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ラ コリーナ日誌

12年目のどんぐりプロジェクト

Text : 加藤由里(キャンディーファーム)

  • #サステナビリティ

今年で12年目になるどんぐりプロジェクトは、滋賀県近江八幡市にある八幡山で拾い集めたどんぐりを 苗木にし植樹することで、ラ コリーナ近江八幡の森づくりをするプロジェクトです。 近江八幡・北之庄の地に“ラ コリーナ”の構想を描いた当初から店舗建設着工に先駆けてスタートしました。 まだ何もない土地にラ コリーナの夢を描き、「人と自然がつながる場にしたい」という願いのもと これまで大勢の従業員やその家族が参加してきました。 <昨年どんぐりプロジェクトの様子(写真:上)>


2020年は従業員やその家族を集めるイベントとしての活動は叶わなかったものの、 どんぐりプロジェクトは継続して種を取り、植栽をしています。 <拾ったどんぐりをポットである程度の大きさになるまで育てます> <1年前に拾ったどんぐり> <約10年前に拾ったどんぐりはこんなに成長しました!>


どんぐりプロジェクトは八幡山から続く里山を作る構想で八幡山と同じ植生になるように10万本、 91種類を目標に 近郊の山や公園、神社などから種を集めています。 最初はどんぐりに種類があることも知らず、100種近く集めるなんて途方もないと思っていましたが プロジェクトに参加するうちにどの種類のどんぐりがどこにあるかわかるようになりました。 今ではわからないどんぐりは約10種類程度です。 木は買うこともできます。 しかし木には地域性があり、同じ樹種であっても地域間で遺伝子が異なることがあります。 つまり、遠く離れた場所で育ったものを植えることは自然界にとっては不自然なことになります。 だから近郊で木を探して種を採ることに意味があり、 昔、実際にあった里山に少しでも近づけられればと思っています。 <どんぐりプロジェクトで拾った種をポットである程度の大きさになるまで育てます。>


また、植栽の際に水草堆肥(みずくさたいひ※)を使用しています。 琵琶湖で取れる水草は、かつて農地への肥料や土壌改良剤として地域の資源循環サイクルの形成を担っていました。 しかし現在は異常発生によって、生態系に深刻な影響を与え、 腐敗に伴う悪臭の発生などの悪影響を及ぼす存在になっています。 そこで滋賀県が、水草の刈り取り、堆肥化するという事業を行っており、 それに賛同し、植栽の際に土壌改良剤として入れています。 ※水草堆肥…琵琶湖の栄養を吸収して育った水草を農地や家庭で有効利用するため、たい肥化(肥料化)したもの。 作物の生長に必須の元素の供給源、土壌改良剤としての効果が期待されている。 <水草堆肥の土には貝や水草が混ざっています> 水草堆肥は琵琶湖の栄養塩を吸収して育っているため肥料の要素はあるのですが まだまだ試験段階で効果も栽培する作物によって向き不向きもあるそうです。 ところが私たちが植えている木々との相性はよく、よく育ってくれています!  ※2019年4月 水草堆肥使用前※2020年9月水草堆肥使用後 葉がおい繁り、成長しているのがわかります。


2019年 鎮守の森のプロジェクトで植樹した際にも水草堆肥を使用しました。

※2019年4月に植樹した様子(写真:上)

※2020年3月の様子(写真:上)

※2020年12月の様子(写真:上) わずか一年半で木々が大きく成長しました。


どんぐりプロジェクトでは水草堆肥を使うことで、 木々は成長し 琵琶湖の水質もよくなり、地域の資源循環にもなっています。 これからも様々な役割を担う、みんなに愛される森づくりをしていきたいと思っています!

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