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みんなでつくるLAGO

2025.06.18 Text : 黒川志歩(広報室)

LAGOを照らす伝統の灯り“小嶋商店”

  • # みんなでつくる

LAGOの店舗には入ってすぐ、目をひく灯りがあります。
伝統の手法を守りすべて手作業で作られた小嶋商店の提灯です。

大小さまざま、あわせて43張の提灯が並ぶ景色は圧巻ですが、お客様のご来店をお出迎えしてくれるような優しい灯りです。

LAGOのオープンに間に合うようにと佳境を迎えた提灯制作の現場を、まだ雪の残る2月に見学させていただきました。

江戸時代の中期、1789年から1801年の間に創業。240年近い歴史をもつ京地張り式提灯の専門店 小嶋商店は現在10名ほどの職人さんで京提灯作りをされています。

作業場で見せていただいた明治45年から受け継がれた道具からもその歴史を色濃く感じることができます。

小嶋商店での提灯作りはすべての工程が手作業で行われています。

・竹割り
・骨切り

・骨巻き

・骨溜め

・型組み
・糸吊り

・紙貼り

・絵付け

絵付けも直接筆で描く一発勝負というので驚きでした。

特徴的なのは竹割りから自社で行っていること。
多くの提灯が骨となる部分は螺旋状にした竹ひごやワイヤーを使用する巻き骨を使用しているなかで、京提灯では竹を切り、割ったものを、滑らかな円になるよう何度も圧をかける「骨溜め」という作業を行い提灯に使用されています。

「溜め」作業がまだのもの(写真左)と終わったもの(写真右)では円の滑らかさが一目瞭然です。

手間はかかっても、太さのある自然素材の竹を使用することで紙との接地面も多くなり、より丈夫で長く使用できる提灯になるとのことです。

真下から眺めると螺旋状の骨ではなく、竹1本1本が円になっている様子と、紙の重なった部分の透けた影がなく、均一に灯されていることがよくわかります。

10名の職人さんがそれぞれの工程を分業して担当されており、「どの作業が重要なんですか?」と聞くと「提灯作りはマラソンみたいにチームプレーで、みんなで完成させて送り出せたときの達成感があります。どの作業って聞くとたぶんみんな自分のとこが一番!って言うと思います(笑)」とスタッフのみなさんが笑顔で話されていたのが印象的でした。


古くから日本の暮らしを彩ってきた提灯は、お祭りでも「神迎え」の灯りとして神様に場所を知らせる伝統の灯りです。

今では提灯としてだけでなく、インテリアや住宅・店舗の照明としてもニーズの高い小嶋商店の提灯ですが240年以上の歴史の中で様々な困難や決断があったといいます。

大量生産、大量消費の時代、早く、安く、たくさん作れる提灯が市場を独占していきました。手作りで作れる数やスピードには限りがあり、経営に不安が募る時期があったそうです。

小嶋商店 提灯職人 小嶋諒さん

新しい動きを模索するなか「今までのお得意様の邪魔はしたらあかん」というお父様の言葉で、提灯のいままでとは異なる使い方を提案することができたとお話されていました。

「日本人なら知らない人はいない“提灯”。でも実際に持っている人は少ない。使い方の工夫ができればもっと身近に感じてもらえる。240年以上続いてきたこの制法や技術を守りながら、その時代にあったものを一生懸命つくってきた。これからも守りながら挑戦することを続けていきたい」とお話されていました。

小嶋商店 提灯職人のみなさん

みんなでつくり 未来へつなぐのコンセプトのもと、伝統や職人さんたちの技術が光る作品をたくさん使用しているLAGO。

提灯の中には人の体がすっぽり収まってしまうほどの大きなものもあります。

小嶋商店 提灯職人 小嶋 護さんと一番大きなサイズの提灯

小嶋商店の伝統の技術があたたかく灯る京提灯をぜひお近くでご覧ください。

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