この夏7月10日、11日にはたねやグループと共同研究を進める京都大学森里海連環学教育ユニット(以下、森里海)の実習がラ コリーナ近江八幡で行われました。 この実習は今年で3年目。世界各国から日本へ環境分野を学びに来ている留学生が参加し、国際色豊かな1日となりました。実習内容をご報告する前に、まずはこれまでの活動を振り返ってみたいと思います。 “自然に学ぶ”がコンセプトのラ コリーナ近江八幡のオープンを前に、2014年春から共に取り組み始めました。敷地内にあるたねや農藝には分校として教室も設けています。 ラ コリーナの周辺環境にはこの教育ユニットのテーマである「森・里・海」の要素全てがそろっています。 森は豊かな自然を育む八幡山。里は古くから続くお祭りや食文化などを守りながら、人と人が強い繋がりのなかで暮らす近江八幡北之庄周辺の地域。そして、「湖」と書いて「うみ(海)」とも呼ばれる琵琶湖の内湖・西の湖へと続く北之庄沢。社長山本も参加しながら、学びを深めました。 夏の実習では、雨が降りしきる蒸し暑いなか、学生の皆さんの力を合わせて八幡山の竹林整備をしました。 荒れた竹林はイノシシなどの住処となる可能性があり、人の手が入ることで獣害を防いだり生物相の活性化にも繋がるといいます。 2014年12月には、森里海主催のシンポジウムでラ コリーナでの取組みを発表させていただきました。(この時の日誌はこちら)この時はとても緊張したのを覚えています。 森里海とたねやでの協同の取組みをさらに深めるべく、2015年3月には京都大学で調印式が執り行われました。(この時の日誌はこちら) 昨年も、春と夏にラ コリーナで実習が行われました。2014年と2015年は、ラ コリーナ敷地内は広範囲で工事が行われており、ラコリーナからほど近い近江八幡旧市街や八幡堀、八幡山の放置竹林を中心として実習が行われてきました。 竹林を整備し、切り出した竹を資源として、どう有効活用できるのか検討するといったものです。竹のハウスを何度か試作してもらい、最終的には完成した竹ハウスで野菜の苗を育てています。 他にも竹チップとしてたねや農藝の敷地内にまいたり、粉にして堆肥をつくる計画も進めています。 たねや農藝、メインショップ〈草屋根〉、田んぼや棚田、本社〈銅屋根〉、7月にはカステラショップ〈栗百本〉、コンテナショップが完成し、ようやく全貌が見えてきたラ コリーナ近江八幡。そこで、この夏の実習は、ラ コリーナとその周辺の水をテーマに実習が行われました。 田んぼや池などで水を採取して、分析し、そこから得られた情報から議論を行い、まとまった考えを発表されました。 その結果、ため池は富栄養化の傾向にあることが分かりました。水質浄化のためにはヨシの植栽が有効だとして、ヨシの浄化能力と水の使用量からため池の水を浄化するのに必要なヨシの植栽面積を算出。様々な論文からデータを引用され、学術的根拠のある発表はとても勉強になりました。 ラ コリーナは、「自然を愛し、自然に学び、人々が集う繋がりの場」というテーマがあります。森里海との取り組みでたくさんの方が行き来し、先生や学生みなさんの助けで、より自然を知り学ぶことができます。 学んだことを吸収し、ラ コリーナらしく表現・実行していかなければとあらためて強く感じました。