5月の終わりに手で植える昔ながらの田植えをしてから、青々と夏らしい田んぼの景色でしたが、みるみるうちに稲穂が付きはじめ、金色の絨毯のような綺麗な景色に変わりました。 ラ コリーナの大部分を占める田んぼが徐々に表情を変えることで、私たちスタッフ含めお客さまに、より季節感を味わわせてくれるように思います。
前回の「はじめての田植え体験!」に続き、はじめての稲刈りと脱穀まで、私の感じたことをラ コリーナ日誌として書かせていただきます!
9月8日。 まさに稲の刈り時!といった景色になったラ コリーナの田んぼ。この日は、真ん中の通路で分けて大きい方の田んぼ(画像左)の稲刈りをしました。
大きい方と小さい方の田んぼでは、それぞれ植えている稲の種類が違います。 大きい方の〈みずかがみ〉 は、滋賀県で開発・育成された早生(わせ)品種で、稲刈りが他のコシヒカリなどに比べて早いものです。
小さい方は〈秋の詩〉という品種で、みずかがみと同様、滋賀県で開発育成されたお米です。 こちらの品種は他に比べて稲刈りの時期が遅く、ラ コリーナでより長く田んぼの景色が見れるように、それぞれ稲刈りの時期が違う滋賀県のお米を植えています。
今年は雨の影響が大きく、例年より収量が落ちた年でした。 田植え後すぐに梅雨入りし、長雨と日照不足で最初の稲の成長が悪かったので、稲がしっかり定着せず除草作業の際に浮いてしまうことが多くありました。また、穂がつき始めてからも長雨に見舞われ、登熟に遅れが出てしまい、稲刈りまでに登熟しきらなかった稲が多かったです。
異常気象による作物への影響はニュースなどで見ることはありましたが、天候が作物の収穫に大きく影響することを実感したのは初めてでした。
稲刈り当日は、雨が降ったり止んだり。 まさに天候も田植えの時と同じで、ますますこの田んぼの景色のはじめとなった5月の田植えを思い出し、私にとっては感慨深かったです。
いよいよ自分たちの手で田植えをした稲の、手刈りの稲刈り! 田植えの時は青々と柔らかくて小さかった苗が、背も高くなり、固くしっかりと育って立っている姿を近くで見ると、成長を感じ、子供の頃の姿を知る親のような気持ちになりました。 穂が長いもの、一つの束が太いもの細いものいろいろで、田植えで植えた苗も同じように、しっかりしたものや細いものなどいろいろあったことを思い出しました。
稲の束を掴み、鎌で根元からザクッと刈っていく感じが、普段ラ コリーナ内でしている草刈りとは違う刈りごたえがあり、おもしろかったです。「ザクッ」となる音も心地よく感じました。
稲を刈り取ったあと、片手でギリギリ掴めるくらいの稲の束を麻紐でくくり、稲架掛(はさが)けをしていきます。
稲架掛けとは、稲架に刈り取った稲を掛けて天日干しし、脱穀するまでに稲を乾燥させたり、お米を追熟させるためのものです。自然の気候で時間をかけて干す稲架掛けは、お米をよりおいしくするんだろうなと思いました。
稲架は田んぼの中に立てるので、稲刈りと稲架立ては同時に行われました。 稲架を立てる場所の周りをまず刈り取り、稲架掛けの場所をあけていきます。 実際に私は稲架立てをしなかったので、どのくらいのスペースをあければ稲架立てしやすいか、刈り取った稲をどこに集めておけば邪魔にならずに稲架の近くに置けるかなどを考えながら、稲架を立てる人と声を掛け合いながら進めていました。
3人1組になって協力しながら進めていく田植えとは違い、稲刈りは黙々と刈り進め、束をくくって掛けていくといった個人競技のようなものでした。
私が1番面白いと思ったのは、稲刈りの途中でふと田んぼから上がって上から見てみると、”稲刈り迷路”ができていたことです!
はじめはまっすぐ刈っていたつもりでもだんだんずれて、遠くで刈っていた人が近くにいたり、稲刈りを進めるうちに突然出会ったり。田んぼの中にいると分からないことが上に上がってみるとよく見えて面白かったです。 田植えの時のみんなで協力して作った”景色”とはまた違い、黙々と刈る個人競技が合わさってそれもすごく面白い”景色”になっていました。
田植えをした時のことを思い出しながらの稲刈りは、稲の成長を目の前で感じられ、また途中面白い景色も発見できて、田植えの楽しさとはまた違う楽しさがありました。
稲刈りが終わり、田んぼ一面にあった稲穂が束でグッと稲架に集まっているのを見ると、私が思っていたより少なく感じました。
次回のラ コリーナ日誌にて、脱穀の様子をお届けいたします。
稲刈り迷路の動画はこちら