ヨシ刈り2024 ~人とのつながりを大切に~
Text : 藤江(経営本部)
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2月10日、今年2回目のヨシ刈りを行いました。
今回は刈り取ったヨシを2025年大阪・関西万博のパビリオンに使用するということもあり、企業や団体、学生さんが1回目の2倍以上、総勢110名の方にお集まりいただきました。
この日、ヨシ刈りをさせていただいたヨシ原は、近江八幡市円山町にあります、地元の老舗葭問屋である「西川嘉右衛門商店」の西川嘉武さんが代々守ってこられた土地です。
西川さんは手刈りにこだわっておられ、「ヨシは日本全国、北は北海道、南は沖縄まで広く分布し、最もよく見られる植物の一つ。この円山のまっすぐに伸びたヨシは、質の良いヨシであり、大事に大事に育ててきた。それは約450年近くヨシを生産してきたからこそ言えること」と話されていました。
恥ずかしながら、私はヨシ刈りに参加するまで、琵琶湖周辺に生えている細い竹のような植物としか思っていませんでした。
ヨシは水中の窒素やリンを養分として吸い取り成長するため、特に肥料をやらなくても育ってくれる植物ですが、冬の時期にはきちんと刈り取り、新芽が芽吹くのを促してあげないと、良いヨシは育ってくれません。ヨシは水鳥や魚達の命が生まれる場、棲家(すみか)として重要な役割を果たすだけでなく、琵琶湖の水質浄化にも重要な役割があります。
そんなヨシですが、近年はヨシを管理する方々も高齢になり、刈り取りも難しくなっているとのことでした。その中で、この日は本当にたくさんの方に参加いただき、私たちも、嬉しい限りでした。
参加していただいた円山町の宮尾陽介さんは、前回、1月27日、ヨシで作った”琵琶湖よし笛”の音色を披露してくださいました。まっすぐ響く音色はとても繊細で、小さなヨシから響く音色に聞き入ってしまいました。
参加していただいた方の中には、初めてヨシに触れる方も多く、「ヨシってこんなに高く成長するんですね」、「切り口が鋭い」、「刈り取りには意外と力がいるな」など、参加者同士、会話も楽しみながら進めてくださいました。ヨシの束は、目標の100束を超える150束にもなりました。
休憩時間にはたねや・クラブハリエのお菓子を召し上がっていただき、それまでの作業する真剣な顔が一気にほころび、お菓子が日常に添える彩り、お菓子の力を改めて感じさせていただくことができました。
ヨシ刈りを通して、交流を深める場にもなってほしいと思っていたので、このように皆さんの会話や笑顔から、それを感じられたことは本当に幸せなことでした。
今回、刈り取ったヨシは、2025年大阪・関西万博の「いのちをつむぐ」をテーマとしたパビリオンに茅葺屋根として使用されます。里山の循環と営みを象徴するものとして茅葺屋根が採用され、全国各地からヨシやススキが集められるとのことです。
ヨシ刈りの最後には、両手で抱えきれないくらいの、ずっしりと重いヨシの束の贈呈式を行いました。万博に足を運ぶ楽しみが一つ増えました。ぜひ、多くの方に、実際に見ていただきたいです。