10月下旬、LAGOの南隣にある水再生センターに伺いました。
水再生センターは、琵琶湖の水質保全と良好な水環境を取り戻すことを目的に、家庭から出る生活排水や工場排水などを浄化する「水の再生・循環」を担う施設です。
私たちは今、LAGOに琵琶湖とつながる近江の里山環境を創っています。
琵琶湖や里山に欠かせない「水」について、水再生センターの皆さんと計画している取り組みをご紹介します。
現在、水再生センターできれいになった処理水は、そのまま琵琶湖に放流されています。
私たちは新たな試みとして、処理水をそのまま琵琶湖に放流するのではなく、LAGOを経由させることで無駄なく活用する取り組みを進めています。
具体的な活用方法は、次の2点です。
①下水処理水(下水熱)の活用
水再生センターの消毒槽から下水処理水をLAGOへ供給し、施設内の空調設備用の熱源(下水熱)として利用します。
水再生センターから届く下水処理水の水温は1年を通して比較的安定しており、大気の温度と比べて夏は低く、冬は高いという特徴があります。
下水熱は太陽光や地熱などと同じ再生可能エネルギーのひとつ。下水熱を熱交換し、これを冷暖房や給湯の熱源に利用することで、温室効果ガスの排出抑制を図ることが可能となります。
▲下水熱活用の仕組み
②再生水(親水・散水用水)の活用
新たにろ過・塩素注入装置等を設置し、下水処理水にさらなる処理を加えることで、国土交通省の水質基準を満たした再生水として公園施設の親水・散水用の水源として利用します。
LAGOの「琵琶湖の森」には生き物のいのちをはぐくむ小川や池など水辺の環境もあり、再生水を木々を育てる水や小川や池を満たす水として活用します。訪れる方々が水に親しみ、憩いの時間を過ごしていただくこと、そして子供たちが安心して自然に触れることができる環境を創り上げます。
▲LAGOに再生水等を供給するために新たに設置している設備(水再生センター内) ※写真は工事中のもの
再生水等を処理場外の施設へ供給する取り組みは、滋賀県ではLAGOが初めての挑戦です。
▲「琵琶湖の森」の小川や池に再生水を活用
現在、全国的に下水処理水の再利用はあまり進んでいるとは言えない状況にあるそうです。活用にはさまざまなハードルがありますが、限りある資源を大切に、地域で循環させる取り組みをLAGOをきっかけに地域の皆さまと一緒に考えていきたいと改めて感じています。
LAGOは地域の人々や観光で訪れる多くの方にお菓子をはじめ、近江の自然豊かな環境を楽しんでいただく場所として、そして地域の資源を活用し、脱炭素社会に向けた取り組みを推進するプラットフォームとしての役割も担っていきたいと考えています。
「ゼロカーボン・ゼロウェイストパーク」を目指すLAGO。ぜひ一緒に考え、取り組んでいきませんか。
▲LAGO 大津完成イメージ図