2024.05.07 Text : 川尻 七魅(キャンディーファーム)
LAGO 活動日誌 ① 〜フィールドワーク前編〜
- # 水と森
人と自然が共存する里山には、自然を利用した人々の生活や、生き物にとって重要な環境、美しい自然風景があります。
そのような里山となることを目指して、ラーゴ 大津ではいのちをはぐくむ「琵琶湖の森」をつくっていきます。今も残る近江の自然豊かな里山を学ぶため、今森光彦先生とフィールドワークに出かけました。
【仰木エリア】
こちらは、滋賀県大津市にある仰木(おおぎ)という地域です。
仰木は昔ながらの美しい田園風景が残る場所。ここには今森先生のアトリエや、先生が管理されるオーレリアンの丘があり、生き物でにぎわう場所です。
たくさんの生き物が暮らすためのさまざまな環境や、その大切さについて教えていただきました。
湿地や草地、日陰や日当たり、水温や水の流れの速さ、虫たちの食草となる植物など、それぞれの生き物が得意とする環境はとても細かく決まっており、生き物が環境を選んで生きているということを改めて学びました。
また、アトリエやオーレリアンの丘で見た “稲木(いなぎ)” が印象的でした。不思議な形に剪定された木が等間隔に並んでいます。
稲木は刈り取った稲を稲架(はさ)掛(が)けするためのものだそうです。かつては田んぼによく見られた風景で、今森先生が大切にされている景色のひとつです。
この稲木は稲を干すだけでなく田んぼの脇に小さな木陰を作り、農家の方々はそこで休憩し、また虫たちが休める場としても大切な役割をします。農作業のあとに稲木の下で休む時間は贅沢な時間になりそうだな、と今から想像が膨らみます。
【新旭 針江生水の郷】
こちらは、滋賀県高島市新旭町の針江生水(はりえしょうず)の郷です。
生水の郷には美しい湧水を利用した人々の生活風景が残っています。集落の中を巡る水路を、生活用水として利用しているのです。この地域の人々はとても水を大切にされており、水は人々の生活に密接に繋がっていることを感じました。
流れる湧水の美しい風景が街のあちこちで見られます。
水を大切にし、美しい水とともにある生活は、この地域の方々にとっては当たり前の営みです。今では貴重となったその生活を大切に守っていきたいと強く感じました。
〜フィールドワーク後編〜 へ続く