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みんなでつくるLAGO

2025.08.06 Text : 山﨑 恵理子(LAGO琵琶湖の森)

LAGO生き物だよりvol.2

  • # 水と森

あっという間に梅雨が明け、LAGO 大津の琵琶湖の森にも夏がやってきました。夏空の下LAGOに飛んできてくれたのは、いろいろな種類のトンボたちです。今回は琵琶湖の森でよく見かけるトンボたちをご紹介します。

オオシオカラトンボのオスです。トンボはオスとメスで体の色が違うものが多く、オオシオカラトンボの場合、成熟したオスは写真のように全身に青灰色の粉を吹いた色合いになります。

琵琶湖の森の「ひかりの水辺」にセスジイトトンボのオスとメスがいました。2匹で連なっていますね。産卵をしようとしているのでしょうか。

オオシオカラトンボやセスジイトトンボは休耕田のような湿地を好みます。 どちらの種も、「ひかりの水辺」に流れる小川を見つけてやってきてくれたようです。

 お腹の先端にあるうちわ状の突起が特徴的な大型のトンボ、ウチワヤンマです。

岸近くの杭や植物の枝先に止まることが多い本種ですが、琵琶湖の森では鉄柵が気に入っているのか、このように柵の先端に止まっている姿をよく見かけます。

ウチワヤンマは幼虫(ヤゴ)の時代は水深4メートルほどの琵琶湖の湖底で生活し、羽化した後はしばらく周辺の里山のような環境で過ごし、一番暑い8月頃に山手へ飛んでいくそうです。山手に飛んでいく前に、田園で里山暮らしをするのですね。

たくさん居着いてくれていることから、琵琶湖の森が“好みの里山環境に近い”とウチワヤンマに認めてもらえているようで、うれしくなります。

「ひかりの水辺」の池の周りに、爽やかなグリーンと水色のアクセントが素敵な体の細いトンボがやってきました。アオモンイトトンボです。なんだか清涼感のある色合いで、暑い時期に見ると爽やかな気分にさせてもらえます。

お腹を曲げ、水面に浮いた植物に先端をつけています。産卵です。

アオモンイトトンボが卵を産んでいたこの小川は、植物を植えて水の流れをあえてせき止め、流れを緩やかにしようとこだわって管理している環境です。アオモンイトトンボは流れのある川では産卵せず、水面近くの植物や泥などに産卵するそうです。

「ひかりの水辺」では、水を溜めて池のようにしたり、水流がある場所をつくったりと、同じ「水辺」でもさまざまな環境を整えています。アオモンイトトンボは、水流が緩やかな水辺が“産卵に適している”と感じてくれたのですね。

このように生態に合った環境をみんなで考えつくっていく中で、トンボたちが実際にやってきてくれたり、琵琶湖の森の環境を「命を繋ぐ場」として利用してくれたりする姿を見るとうれしく感じます。

トンボたちが命を繋いでいく様子を見ながら、これからも生き物たちが好んで生活してくれる環境を大切につくっていきたいと改めて感じます。みなさんもぜひ琵琶湖の森で生活しているトンボたちに会いにいらしてくださいね。

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