今年の左義長まつりは、新型コロナウィルス感染拡大の状況の中 すべての町内が山車(だし)制作を自粛されることになりました。 ▲2019年左義長まつりの様子
近江八幡左義長まつりは毎年3月中旬に旧城下町の奉納町によって日牟禮八幡宮に奉納される祭礼行事です。 織田信長も好んで町衆と共に踊り出たとされるこの祭りは天下の奇祭とも呼ばれ、国選択無形民俗文化財に指定されています。 冬と春がせめぎ合う季節に勇壮華美に繰り広げられる左義長まつりは、湖国滋賀に春を呼ぶ祭りとしても知られています。
たねやグループは、このような時こそ「疫病退散」を願い、 また、近江八幡にこのようなお祭りがあることを多くの人に知っていただきたいという想いを持ち、 社員だけで制作した左義長を展示しラ コリーナに来店されたお客様に見ていただく事を決めました。 今回のラ コリーナ日誌は左義長初心者の私が制作に携わっているなかで感じた、 『ぜひここを見てほしい』というポイントを紹介いたします。
「台の小豆:青海波(せいがいは)模様」 ムシと呼ばれる牛や扇の後ろで半分以上隠れてしまっているので残念ですが、ひとつ一つ手作業で並べています。 小豆は自然な物で大きさや、色が違うので一粒ずつ合うものを選び作業をしました、 隠れているところも決して手を抜かず並べているので、すきまから覗いてみてください。
「扇のお茶漬けあられ」 クラブハリエでお馴染み、市松模様の扇の黄色の部分はお茶漬けあられを並べています。 直径2mmにも満たないお茶漬けあられをピンセットで乱れなく並べて行きます。 ひとマスでなんと約23個×23個=529個並んでいるんですよ。 ぜひ近くに寄って目を凝らしてご覧ください。
「丑の毛並み」 メインは今年の干支「丑」。今にも動き出しそうですよね。 その丑の毛はココナッツと、棕櫚(しゅろ)から出来ています、材料が納品された時点では汚れや、絡まりがありそのままでは使えません。 洗浄し、まっすぐなものを選んで使える形になるまでに全体の約5分の1になってしまいます。 それを10cm×2cmほどの束にして丑に貼り付けて行きます。 丑の部位によって毛の長さやカールの仕方、流れ方、色合いが違いますのでその細かなこだわりを感じてください。
その他、左義長の山車には、寒天、するめ、青えんどう豆、黒豆、焼きのり、海苔佃煮、とろろ昆布、一味、黒ゴマ、道明寺粉、微塵粉(みじんこ)、飴などが使われています。 どの部分に何が使われているか考えながら見ていただくのも楽しいと思います。
【山車制作の様子】 ▲ラ コリーナ近江八幡敷地内に設置した製作所 ▲小さな模型作りからはじまります ▲ムシ(その年の干支) ▲それぞれのパーツを組み合わせ位置を決めます ▲藁を1束ごとに揃えた三角錐の松明(たいまつ)が胴体部分になります。 通常の松明は6段ですが今回は5段で制作しました。 ▲松明の上に青竹と赤紙を中心としたいろいろな飾りが付けられます ▲それぞれのパーツを組み合わせて大きな山車にしていきます ▲全体の重さは1トンにも及びます。
左義長の展示は3月14日までの予定です。 ぜひラ コリーナにて近江⼋幡の伝統継承「左義長」をご覧ください。
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過去の左義長まつりはこちら
2016年 たねやグループと左義長まつり
2015年 まちに生きる!左義長まつり