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今週末はいよいよ「左義長まつり」。
近江八幡・日牟禮八幡宮で行われる左義長まつりは、春の訪れを告げる火祭りです。
古くは安土城下で行われ、かの織田信長公も自ら仮装して民衆の輪に入り、盛大に踊り祝ったと伝えられています。
信長公亡き後、八幡山城下の日牟禮八幡宮周辺に移り住んだ人々が独自にまつりを再開し、今日まで脈々と受け継がれてきました。
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左義長まつりは近江八幡の地に、人々に、深く根付いています。
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年が明けると、各町の会所では趣向を凝らしたダシ作りが始まります。また、3月に入ると家々の軒先に赤紙が見られるようになり、左義長まつりに向けまちの温度が上がっていくのを感じます。
「さぁ左義長の季節だ」と、地元に暮らす人々は「血がさわぐ」といいます。
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たねやグループ名誉会長の山本德次もその一人。
近江八幡市池田町で生まれた德次会長は、幼い頃から左義長まつりが大好きでした。小学生の頃、授業を受けていると「チョウヤレ、チョウヤレ」の掛け声やにぎやかな拍子、太鼓の音が外から聞こえてきたそうです。
「頭の中が左義長でいっぱいになって、落ち着いて勉強してられんかったなぁ」と、70年も前のことを今でも楽しそうに振り返っていました。
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華やかなダシを豪快に担ぐ大人たち、ダシとダシが激しくぶつかり合う「ケンカ」、老若男女がにぎやかに踊る様子を見ながら育ち、左義長まつりに魅せられていった德次会長。いつしか「たねやのお菓子で左義長名物をつくりたい」と思うようになります。
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そして、売り出したのが「竹羊羹(たけようかん)」です。今年もたねや
日牟禮乃舍、
近江八幡店、
ラ コリーナ近江八幡で販売いたします。
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青竹に詰めた黒糖の風味豊かな竹羊羹。竹筒の裏にキリで穴をあけるとスルリと出てくる羊羹は、みずみずしくなめらかな味わいです。
竹羊羹づくりは竹を洗うことから始まります。以前は安土の竹を使っていましたが、近年は京都の竹材店から仕入れています。鮮やかな青竹の色を損なわないよう、冷たい水で一本一本丁寧に。
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たねやこだわりのこし餡に黒糖やくず粉などを加え、竹の中に流します。竹の太さは微妙に違うものの、それは自然のものだからこそ。プラスチック製の容器などに比べて、手間もかかりあつかいも難しいですが、生の竹の青々とした自然の香りを楽しんでいただけると思います。
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左義長まつりでは色鮮やかな赤紙を青竹に結びつけます。
たねやはその竹にちなんだお菓子として、竹羊羹を売り出しました。一度は途絶えたそうですが、昭和50年ごろから今日まで、左義長まつりの名物として親しんでいただいています。
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「1年に一度、左義長まつりが待ち遠しくてたまらない」という德次会長は、今年も日牟禮乃舍の店頭に立ち、みなさまをお迎えする予定です。
地元を愛し、左義長まつりを愛する德次会長の思いは従業員にも受け継がれています。
たねやグループでは毎年、お店の外にブースを出し、手軽に食べられるフードやドリンクの販売してきました。スタッフにとっても左義長まつりは、お客さまと一緒に楽しめる年に一度の特別な2日間です。
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クラブハリエ日牟禮館では今年から新たに「左義長あげあんぱん」を販売します。このあんぱんは、「これからも長く愛していただける左義長名物にしたい」という、日牟禮館スタッフの熱い思いが込められています。
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シェフこだわりのケーキや焼き菓子、バームクーヘンなどたくさんの洋菓子が並ぶ日牟禮館では、半年ほど前から左義長まつりに向けた話し合いが始まりました。
メニューについて様々な案が出る中で、たねやの粒あんを使い、以前から根強い人気の「日牟禮あんぱん」を揚げ、黒糖と黒豆きな粉をまぶした「左義長あげあんぱん」が生まれました。
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揚げ具合や黒糖ときな粉の配合など、少しずつ変えては試作を繰り返し、妹尾徹也セクターシェフと工房スタッフの頑張りでようやく完成しました。
外はサクッと、中はモチッと。そして、おいしい粒あんがたっぷり入っています。「揚げる前に一度オーブンで焼いているので、余計な油をすっておらず、ヘルシーですよ!」とお店のスタッフもおすすめ。
アツアツの揚げたてをご提供しますので、ぜひ食べにいらしてください!
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「地域のみなさん愛され、年に一度食べたくなる。この時期が来るとワクワクして、待ち遠しくてたまらないような商品をお届けしたい」
たねや、クラブハリエのスタッフの思いはひとつです。
近江八幡のこの地で商いをさせていだく喜びを胸に、今年も笑顔で皆さまをお待ちしています!
※昨年の左義長まつりの様子をお伝えする記事「
まちに生きる!左義長まつり」もあわせてご覧ください。