2024.10.08 Text : 坂口 美佳(経営企画室)
LAGO 活動日誌④ ~雑木林の営みを学ぶフィールドワーク~
- # 水と森
人と自然が共存する里山。
そこには自然を活用した人々の暮らしや、生き物にとって大切な環境、美しい風景があります。
2025年3月24日オープン予定のLAGO(ラーゴ) 大津では、近江の風景や自然、いのちに触れ合っていただきたいという想いから、「琵琶湖の森」という名の里山の環境を作っています。
7月下旬、「琵琶湖の森」の管理を学ぶため、キャンディーファームのメンバーと共に「琵琶湖の森」プロデューサー 今森光彦先生が管理されている雑木林、「萌木(もえぎ)の国」に行ってきました。
雑木林は里山の重要な環境の一つです。
人が生活のために木を伐り、草を刈るなどの管理をすることで豊かな環境がはぐくまれています。人が管理をしなくなった雑木林はうっそうと茂り、森の多様性が失われてしまいます。
今森先生によると、豊かな雑木林は15年ほどのサイクルで環境が循環しているそうです。雑木林の一部で大伐採が行われることで、太陽の光が差し込みあたり一面が明るくなります。その後1年目で草木の新たな芽がでて、野原のようになります。
そして木の成長と共にみるみる林の姿が戻っていき15年ほどで大伐採前の環境に戻るというサイクルです。
大伐採前の冬の雑木林
大伐採後の雑木林
2024年7月の雑木林(大伐採から1年半)
大伐採後1、2年が過ぎた今の「萌木の国」の管理は、草刈りと新しい芽を沢山出した“やまおやじ”の枝の剪定です。
伐採前の暗い雑木林の時には顔を出さなかった草花や樹木が、この時を待っていたかのように、さんさんと降り注ぐ太陽の光によって一気に芽生え成長し始めます。
この草花や樹木をカットし、整えながら雑木林の成長を促します。
この環境を好んで草原に住む虫たちが雑木林に集まってきていました。
作業中もバッタやコオロギ、ハチやタマムシなどの生き物を見つけました。
やまおやじの剪定
大伐採された後は5年ほどで元の林らしい環境が戻るそうです。
自然の再生スピードに驚かされます。
今回のフィールドワークでは、雑木林の管理を学びながら、雑木林の循環がさまざまな生き物たちにとって、いかに重要な環境になっているのかということを改めて実感しました。
「琵琶湖の森」でも近江の里山の風景を大切にしながら、沢山の生き物たちが好む環境を作っていきたいと思います。
LAGO 大津オープン後、「琵琶湖の森」で自然に触れ合い、憩いのひと時をお過ごしいただければと思います。