たいまつフェス2018 たいまつエキシビション!
Text : 望田朝美(広報室)
- #サステナビリティ
- #キャンディーファーム(農藝)
- #ワークショップ
12月1日・2日の2日間、ラ コリーナ近江八幡で「たいまつフェス2018 たいまつエキシビション」が開催されました。 近江八幡市では毎年3月から5月にかけて、市内各集落あわせて200基の松明(たいまつ)が結われ、奉火(ほうか)されます。ヨシや菜種ガラを材料に様々な形に結われる松明は地域ごとのお祭りとともに1000年以上も受け継がれてきたものです。 この伝統文化を多くの方に知っていただきたいと、地元団体や各地域の人々の協力を得て、2016年からラ コリーナ近江八幡でたいまつフェスを開催してきました。 今年も、北之庄町、島町、白王(しらおう)町、千僧供(せんぞく)町、長田(おさだ)町の松明が展示されました。
ここでみなさんに各町の松明の特徴をお伝えしたいと思います。 北之庄町「とっくり松明」。 今回は特別に北之庄町の象徴である「のし」という結びを下部に飾ってくださいました。 名前の通りとっくりのような形をした松明です。 島町「ほんがら松明」。 奉火の際、松明の天辺(てっぺん)にいち早く火がつくよう芯が空洞になっています。 白王町「笠松明」。 お祭りでは松明の周りを覆う袴(菜種ガラ)は9段ですが、今回は特別に13段! 奉火中に松明が倒れそうになったら、火の中に入ってまで倒さず燃やしきるそうです。 千僧供町「据(すえ)松明」。 緑葉樹を中心に立て、その周りを丸く竹で囲みます。化粧縄の「華鬘(けまん)結び」が特徴です。 長田町「盃(さかずき)松明」。 心棒に藁束を巻き、菜種ガラを網で編み上げた袴を5段に巻きつけた松明です。
12月1日には長田町「盃松明」をお客様の前で制作・設置を披露するデモンストレーションを行いました。 制作には近江兄弟社高等学校の学生達と「文化遺産として松明を次世代へ贈る会」のみなさんが協力して1基の松明を作り上げます。 初めて松明制作に参加する学生たちは、松明作りに重要な「かしわ結び」「男結び」を何度も教えてもらい真剣に取り組んでいました。 みんなで協力して制作した「盃松明」は高さ約5メートルもある大きな松明となりました。 近江八幡地域で作られる松明は、神様に喜んでいただけるよう、より大きく高くなったそうです。 この大きな松明を人力で担ぎ運ぶ様子は、とても迫力があり勇ましく思えました。 「せーの」の掛け声で立ち上がる大きな松明に、お客様から歓声も。
期間中には「しめ縄作り」のワークショップも開催し、たくさんのお客様で賑わいました。 どんぐりや松ぼっくりを飾ってオリジナルのしめ縄や、クリスマスのリースに。 12月2日の「ミニたいまつ作り」ワークショップでは、同じ素材を使って約1メートルほどのミニ松明を作りました。
ヨシや菜種ガラなど自然の素材で作られる松明。 お祭りで火をつけ神様に捧げた後、松明の灰は田んぼや畑の肥料にしたそうです。 暮らしに根付き、人を繋ぎ、土を育んだ近江八幡の松明。 そんな先人たちの思いや知恵は、「今」の私たちに繋がっています。 「今」から「未来」に。 伝統文化の魅力を多くの方に知っていただきたいと思います。
▼過去の「たいまつフェス」の様子も紹介しています。
※〈たいまつフェス2016〉始まりました!
※〈たいまつフェス2016〉にぎやかに盛り上がりました!
※「たいまつフェス2017」開催!(11/5まで)
※たいまつフェス2日目
※たいまつフェス3日目