たねや循環堆肥
Text : 川尻七魅(キャンディーファーム)
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ラ コリーナの土づくりに欠かせない資材に「たねや循環堆肥」があります。
この堆肥はたねやグループのお菓子作りの過程で出る、捨てられてしまうものを原料に作られています。
お菓子の原材料になるものには、卵や牛乳など“タンパク質”を多く含むものがあり、タンパク質は植物の成長に欠かせない“窒素”を多く含みます。窒素は植物の光合成やタンパク質合成に不可欠な栄養素です。
たねや循環堆肥は食品由来の有機汚泥を原料にしているため、通常の堆肥より窒素分が多いことがポイントです。
しかし、そのままでは水分を多く含むため、直接堆肥としては使用できず、設備などの問題もありました。
そこで今回、滋賀県甲賀市を拠点に発酵と微生物による土作りの研究をされている、島本微生物工業株式会社様にご協力いただきました。
長年培われてきた技術により食品由来の有機汚泥を堆肥化し「たねや循環堆肥」が生まれました。
それまで産業廃棄物としてエネルギーとコストをかけて処分されていたものが土作りに欠かせない資材に生まれ変わりました。
ラ コリーナでは2022年から畑や田んぼ、山野草を育てる土や植栽時の土の改良などにたねや循環堆肥を使用しています。ラ コリーナの畑の土壌は元々粘土質でしたが、循環堆肥を入れることにより年々水はけのよい土壌になってきています。
実際にラ コリーナの畑の生姜収穫量は 2023年では種生姜の植付に対して収穫が1.8倍でしたが、今年は循環堆肥を多く入れたこともあり、種生姜の植付に対して3.5倍の収穫量となりました。
土壌は土の中に棲む微生物や生き物たちの力によって良くなっていきます。
堆肥を土にいれることで、それを分解しようと微生物やミミズなどの働きにより土の団粒化(だんりゅうか)が進みます。
団粒構造を持つ土壌は、保水性や通気性に優れ微生物の活動も盛んになり、植物は根をはりやすくなります。
良い土壌では、様々な植物が育つため、植物の種類に伴って微生物の種類が増えていきます。微生物の働きにより土はどんどん良くなり、その効果で植物の種類が増え、多様な生き物たちが棲める環境が整っていきます。
土壌の改善は様々な良い循環を生んでいきます。
これからもたねや循環堆肥による土作りを続け様々な生き物や植物が育つ自然を整え続けていきます。