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ラ コリーナ日誌

栗の旅【九州・宮崎~熊本】

Text : 田中一弥(原材料管理室)

  • #素材をめぐる旅
みなさん、こんにちは。原材料管理室の田中一弥です。 今年の夏は雨が多かったですね。 雨は少なくても困りますが、多すぎてもまた困ります。 それは農作物にとっても同じです。 9月某日、今年の栗の出来を心配しながら九州へ向かいました。 たねやの栗のお菓子は九州の熊本、宮崎産を使わせていただいています。 まず、宮崎を訪れました。 kuri1 いい感じに実っています。 大雨の影響を心配していましたが、大丈夫そうです。 kuri2 熟した栗は自ら落ちてきてくれます。 栗は縄文時代には日本で既に栽培も始まっていたことがわかっています。 「栗という文字は西の木と書て、西方浄土に便りあり」と奥の細道にも詠まれ、 日本人にとって古くから親しまれた食べものです。 kuri3 「栗は太陽が大好き。日がよく当たるように邪魔な枝はとってあげる」 「枝を減らすと採れる栗の量は減るけど、いい栗だけを育てたい。剪定がとても大切」 「日当たりのよい山の斜面に栗畑がたくさんあるのはそういうこと」 生産者の谷口さんが親切に教えてくださいました。 kuri4 翌日、熊本に移動。 熊本県は茨城県に次ぐ日本第二位の栗の産地です。 日照時間も長く、品質のよい栗が育ちます。 kuri5 いい栗を育てる秘訣を尋ねると、 「栗をおいしく育てるにはね、毎日、木を可愛がることだよ」 と松尾さん。その短い一言にこだわりを感じます。 生産者の方々の努力があってこそ、いいお菓子づくりができるのです。 ただただ感謝です。 kuri6 収穫した栗は選果場に運ばれます。 kuri7 ローラーに乗せられて、コロコロと転がりながら、傷ものなどがとり省かれます。 kuri9 次はブラシのついたローラーの上を転がりながらきれいに磨かれます。 kuri10 これがそのローラーです。ピカピカに磨きます。 kuri10-1 磨かれた栗を大きさ別に選別します。 たねやではLか2Lサイズの栗のみを使用します。 kuri8 素材は鮮度が命。 たねやで仕入れた栗はすぐに蒸して実の部分を取り出し、裏漉しします。 今年は雨が多かった影響で、早生の栗は水分量が例年より少し多かったので、蒸す時間を少し短くして味を整えました。 素材の味を生かすには、そういうちょっとした塩梅が大事なのです。 kuri11-1 栗きんとんの材料は栗と砂糖。 たった、それだけです。 他には何も使いません。 “Simple is best.”とはまさにこの菓子のことと言えるでしょう。 だからこそ、国産の良質な栗にこだわります。 あとは職人の技。 SONY DSC 蒸した栗を裏漉しして、砂糖とあわせた栗餡を茶巾でしぼります。 そしてまた栗の形に。 熟練の職人ならひとつ絞るのに約2秒。 鮮度を保つためにもスピードが大切です。 SONY DSC 茶巾で絞ったら、バーナーで焦げ目をつけます。 SONY DSC 表面を少し焦がすことで、栗の香りが増します。 SONY DSC これで西木木完成。 できたてを毎日お店に届けています。