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ラ コリーナ日誌
なると金時の旅【徳島・鳴門】
Text : 田中一弥(原材料管理室)
- #素材をめぐる旅
みなさん、こんにちは。原材料管理室の田中一弥です。
今回は女性が一番好きな野菜「さつまいも」です!
たねやで使用するさつまいもは全て、徳島県の「なると金時」を使わせていただいています。
なると金時は「ほくほく」とした食感が特徴で、たねやの「長寿芋」には欠かせない素材です。
9月某日、徳島県鳴門市を訪ねました。
なると金時のおいしさの秘密のひとつは、この土壌にあります。
なにが違うかわかりますか?
じつはこれは砂地なのです。
さつまいもは低温と多雨に弱い作物です。
砂地は水はけが良く、太陽の熱を蓄えてくれるので、さつまいもが成長しやすいのです。
それと、もうひとつのポイントは、この塩水(えんすい)です。
海から引いた塩水の溝が、畑の周りに張り巡らされています。
塩水を畑に撒くことで、ミネラルを畑に補給します。
試しに茎を引っ張ると、土の中から大きなさつまいもが出てきました。
この砂地、夏場は素足だと火傷するくらいこの砂地が熱くなるのだそうです。
「夏のビーチみたいなもんだよ」と笑って農家の方が話してくれました。
農家の方は「おいしい芋」ではなく「強い芋」と言われます。
我が子を育てるように、手塩にかけて、「強い芋」を育てておられます。
機械で一斉に掘り起こします。
立派な「なると金時」が収穫できました。
今年も美味しい長寿芋ができそうです。
収穫された後、出荷されるまで30℃の倉庫に保管されます。
なんせ寒さに弱い子なのです。
最後まで手間がかかります。
なると金時の収穫を終え、ここからは長寿芋の加工です。
綺麗に洗浄したあと、さつまいもの皮を荒く剥きます。あえて皮を少し残します。
さつまいもの皮の部分には豊富な栄養分が含まれますし、その成分の中のひとつに胸やけを抑える効果があると言われています。
また、皮の赤い色は見た目にも鮮やかですから。
さつまいも餡を生地で包んで成型します。
生地のまわりにニッキをまぶして、ころころと転がします。
さつまいもの形になってきました。
形を整えられながら綺麗に並んで行進。
そして長いトンネルオーブンに入っていきます。
ゆっくり焼き上げられ、オーブンから出てきました。
いい焼き色です。
ひと手間もふた手間も加わって、たねやの長寿芋が完成です。
となりのオーブンでは栗饅頭が焼きあがっています。
どっちも美味しそう!
食欲の秋です。