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ラ コリーナ日誌
みんなで田植え!(下)
Text : 讃岐和幸(たねや農藝 北之庄菜園 園長)
- #キャンディーファーム(農藝)
- #ワークショップ
5月下旬、迎えた田植えの日。
今まで準備してきたこともあって不安はなく、むしろ楽しさを感じていました。2日間にわたり、普段お菓子の製造や販売を行う従業員約80人が集まりました。共同研究を行う京都大学や立命館大学、成安造形大学から10名ほどの学生さんも参加して頂けました。
「来るまでは面倒に感じている部分もあったけど、やってみると意外と楽しい」とか、素足で田んぼに入って「土の感触が気持ちいい」という声が聞こえてきました。
「何という品種を植えるの?」「収穫も手作業なの?」と色んな質問もあがりました。
お菓子の材料のほとんどは農産物です。
良い農産物がなければ良いお菓子も作れません。農家さんあってのたねやなので、農家さんのご苦労の一端を体験できるという意味で良い従業員教育にも繋がります。
田植え作業自体は、とても順調で予定時間よりも早く終わり、苗がきれいに植わりました。
反省点もありますが、初めてにしては合格点だと自分では感じています。
田植えの日を迎えるまでは不安もありました。私の家は兼業農家なので稲をどう育てるのか大体のことは分かっていましたが、大きな田んぼを手で植えるなんて考えたこともなかったのです。
しかし、「人数の力」「場の力」ってすごいなと思いました。
素早く植える人もいれば、ゆっくり丁寧に植える人もいる。人には個性があって、その「個」が一つになって力を合わせると、大きなことを成し遂げられる。結果、稲の列が少しくらい曲がっていても良いのです。それが、機械でなく「人の手」で植えるということなのですから。
多くの参加者だったので、昼食の炊き出しもお願いしたところ、バーム工場のスタッフがカレーを作って下さいました。
みんなで食べるカレーは本当に美味しかったです。
分からないことを教えてくださったり、木枠や土に線を引けるトンボのような器具などの事前準備をしてくれたりした農藝のスタッフには特に感謝をしています。
今後は、近隣の農家のみなさんにもお話しを聞きながら、一緒に参加していただけるような関係づくりもして行けたらと考えています。
ラ コリーナ近江八幡での稲作りは始まったばかりです。これからは、田んぼを毎日観察し「稲が何をほしがっているのか」を見極めていきます。農薬を全く使っていないため、稲が元気に育つのと平行して雑草もどんどん生えてくるので、除草作業に追われる日々が続きます。
梅雨の終わり頃には、稲が育って田んぼ一面に綺麗な緑色が広がるように。秋には黄金色の穂がたわわと実るように。そんな風景を思い浮かべ、これからも頑張って行きます。
※「みんなで田植え!(上)」はこちら。