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ラ コリーナ日誌
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ラ コリーナで路上観察!?
Text : 國領美歩(広報室)
- #藤森照信先生
この夏、本当にたくさんの皆さまにお越しいただいたラ コリーナ近江八幡。
カステラショップとコンテナショップのオープンを無事に終え、多くの人々が集い、いつも笑顔があふれる場を目指してきた私たちにとって、感謝の気持ちでいっぱいのシーズンとなりました。
そんななか、ちょっとユニークなご一行の姿が!
7月中旬、「路上観察学会」の皆さんがラ コリーナを訪れました。路上観察とは、路上の建物や看板、張り紙など、通常は見過ごされるものを観察し、その中から“おもしろさ”を発見する活動。
学会は1986年に芸術家の赤瀬川原平さんを中心に結成され、ラ コリーナの建物をデザインしてくださった建築史家で建築家の藤森照信先生もそのメンバーの1人です。
今回は、藤森先生とともにイラストレーターの南伸坊さん、デザイナーの林丈二さん、編集者で評論家の松田哲夫さんがはるばる近江八幡まで来てくださいました。
個性的な感性で各界で活躍される4人の先生方は、いったいどんな“目”をもっていらっしゃるのでしょうか。興味津々です!
近江八幡市内で行われた今回の路上観察学会には、地元や遠くは岩手、東京から約40人が参加しました。
まちづくり会社まっせの田口真太郎さんによると、近江八幡には79の文化財、31の城跡、27のヴォーリズ建築、そして26の古墳が残されているといいます。歴史的にも文化的にも、路上観察の舞台にはぴったりです。
歴史的な背景や地形から、「京街道/八幡城下町」「長命寺道/島・北津田」「朝鮮人街道/安土城下町」「中仙道/武佐宿」の4グループに分かれ、ラ コリーナを出発。カメラを片手に2日に渡って近江八幡のまちを巡り、1人3枚ずつ、渾身の作品を発表されました。
植物と共存する家や自転車、個性的な形に成長した木、人に見える建物や古くなって新しい意味をもった!?看板など、ユニークな写真ばかり。どれもまるでアート作品を見ているような、不思議な魅力があります。
もちろん、林さんご専門のマンホールも登場しました!
よ〜く見ると、「よっこらしょ」と壁を登るスマートな2人の姿が!
お化粧が落ちたポスト?それともお色直し中!?
おやおや!?こんなところにびっくり顔!
「おぉ!おもしろい」「いいですねぇ!」「でも何かおかしいな」「ちゃんと顔に見えますねぇ」…
先生方はとても自由に講評され、まるで独り言のような世間話のような感想が次々と述べられました。
参加者の皆さんも先生方も声をあげて笑ってしまうほど、楽しい鑑賞会となりました。
最後に先生方が撮った作品も披露されました。「そう簡単に見つかるもんじゃないよ」と言いながら、さすが!という場面の数々を切り取られていました。南さんからは、「わりとこの町の人は、灯ろうとか置物とか、庭に使うものを大切にとっていますね」と独特の視点から感想をいただきました。
中にはラ コリーナの中で見つけてくださったものも。こんな風にも見えるのか!と驚きの一枚でした。
路上観察の“目”で見てみると、石や木、建物など、動かないはずのものに人格がやどり、あたかも感情を持っているかのように見えるから不思議です。普段なにげなく眺めている風景のなかにも、実は“おもしろさ”や“ユニークさ”は隠れていて、私たちが気づかず見ようとしていないだけなのかもしれません。
ものの見方を変えてみること、ちょっと待った!と疑ってみることの大切さを学ばせていただきました。
埋もれてしまうほどのかすかな輝きに気づくことができたら、世界はこんなにも魅力的なものであふれている!と毎日がもっと楽しくなるかもしれない。そんな気がしてきました。
ラ コリーナにおける藤森先生の建築は、長年路上観察を続けてこられた先生につくっていただいたからこその魅力が随所にちりばめられています。今度ラ コリーナにいらした際には、いつもと違った角度から目に映るものを見てみてください!きっと皆さまだけの発見があるはずです。
今年30周年を迎えた路上観察学会は、現在も日本各地、世界各地で活動が続けられているそうです。来月には近江八幡でも第2回の開催が予定されているとか。次は琵琶湖に浮かぶ“沖島”が舞台!楽しみですね。
※10月17日(月)に開催される「おやまあ!?近江路上観察学会in沖島」についての詳細はこちらをご覧ください!近江路上観察学会のFacebookはこちら!
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