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ラ コリーナ日誌
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〈ラ コリーナCLUB〉8回目「たいまつづくり」
Text : 都志憲治(たねや農藝 ラ コリーナ近江八幡造園)
- #キャンディーファーム(農藝)
8回目となったラ コリーナCLUBは11月4日。
11月3日〜5日、ラ コリーナ近江八幡で開催した「たいまつフェス」に合わせ子ども松明(たいまつ)の制作をしました。
子ども松明の作り方を教えていただく先生は「文化遺産として松明を次世代に贈る会」会長の大西實さんと副会長の田中由久さんです。松明の意味や歴史を教わりながら作っていきます。
松明を作る部材はヨシ、ワラ、竹、菜種ガラ、すべて近江八幡で取れたものです。
菜種がらで作った芯の部分に皮をむいたヨシを綺麗に巻きつけていきます。
穂先きではなく、穂と茎の部分を揃えると美しく仕上がります。
みなさん、教えてもらった通りに少しずつ仮止めをしながら丁寧に作り始めます。
途中、雨が降り出し回廊へ避難。 「松明を作るときは清らかな心で制作をするように心がけてください。面倒くさいという気持ちでやると必ず形に現れます」田中さんの一言に思わず背筋が伸びました。
ヨシを巻きつけ終えたら、余分な長さをカットして縄で縛って仮止めを外していきます。
結び目が固く、緩みにくい“男結び“という結び方で止めます。
「裾が広がるように縛り具合を調整してください。松明は神様にお供えするものです。美しく仕上げたほうが神様も喜ばれます。」
この“男結び“がなかなかできず、苦戦します。
「昔は何でもこのやり方でやってきたから自然とできていたが、最近は縄を使って縛ることがなくなってきたので慣れてた者でも、しばらくやらないとわからなくなってしまう。初めてだと難しいと思います。」
先生や農藝スタッフが手伝いながら結んでいきます。
次は笠の部分。ヨシの先端を折り曲げ、広げていきます。
放射線状に広げたヨシは竹で作った輪に紐で縛って固定します。
「ヨシとヨシの間隔は一定にするほうが美しく仕上がります。全体的なバランスを見て間隔を決めないと詰まったり空いたりするところができてしまうので気をつけてください。」
結びつけたら、好みの長さにカットして整えていきます。
「私は慣れているので、フリーハンドでカットしますが、皆さんはちゃんと合わせながらカットしてくださいね。」とぐるりと一周同じ長さでカットしていく様子は名人技です。
ヒバやしめ縄で飾り付けをします。ここでもどの部材を使うかで個性がでます。
飾り付けられたら松明の長さに合わせた竹を縛りつけます。
ここでまた“男結び“で3箇所止めます。「え〜」みんなの声があがります。
4回5回と繰り返すうちに自分たちでも出来るようになってきました。
最後に御幣と紅白の水引をつけて完成です。
同じ見本を見て同じように教わってもそれぞれの松明には不思議と個性が現れていました。
この子ども松明は、子どもの健やかな成長を願い、各家庭で作られ奉納されてきました。
千年以上続く松明のお祭りを1人でも多くの方に知っていただき、末長く続いていくことを願っています。
次回はラ コリーナCLUB最終回。
皆が育てたワラを使い、しめ縄の制作と収穫したお米をいただきます。
たいまつフェスの様子も紹介しています。
※「たいまつフェス2017」開催!
※たいまつフェス2日目
※たいまつフェス3日目
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途中、雨が降り出し回廊へ避難。 「松明を作るときは清らかな心で制作をするように心がけてください。面倒くさいという気持ちでやると必ず形に現れます」田中さんの一言に思わず背筋が伸びました。
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