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ラ コリーナ日誌

2023 ハリエプロジェクト 秋のケイクコンペ 最終審査

Text : 林 俊史(クラブハリエ セクターシェフ)

  • #クラブハリエ
  • #イベント
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2023年10月14日からの約1週間、たねや・クラブハリエ 公式オンラインショップで販売する「秋のケイク」の社内コンペの最終審査を8月30日に開催いたしました。

8月3日の1次審査にはクラブハリエ製造スタッフによる各部署での試作を経て、12作品の出品があり、1次審査を通過したのは3作品でした。
 
3作品の中から1位を決める最終審査の審査員は、クラブハリエ グランシェフ 山本、セクターシェフ 妹尾、林が務めました。

▲左から、林、妹尾、山本

予選を通過した3名はそれぞれ1次審査通過後にレシピや仕上げの微調整を行い、最終審査に挑みました。

誰の作品か分からないよう審査員は別室で待機し、3つの作品を順不同で試食していただきました。時には食べ直しもしながらレシピの内容も合わせて確認し、それぞれの評価をして審査員3名で協議の上、順位が確定いたしました。

第3位は、

「めーぷるだいがくいも」
辰田 公平さん(近江八幡工房)

お芋がゴロゴロ、メープルジュレとゴマを香らせて

〈山本グランシェフコメント〉
商品化するかどうかで判断すると上位だったが、もう少し芋が上手に出たらいいのに…と感じた。
芋が全面に出た見た目で、商品名が「めーぷる」とあるのに、胡麻を強く感じる。美味しかったが、商品名に味が持っていかれていて、まだ改善ができると思います。

続いて、第2位は

「ケイク・キャラメル・ポワール」
西岡 はるなさん(八日市の杜工房)

しっかり焼きこんだ洋なしとキャラメル、ナッツのケイク。

〈山本グランシェフコメント〉
印象としては一番美味しかった!
商品化となるとケーキ全体が一体化されていて、タルトタタンとの境目がなく見た目の盛り上がりに欠ける印象。
いろんな食感が味わえて美味しいが、タタンの水分に負けて生地にぱさつきを感じた。バランスが良くなると商品自体ももっとよくできると思った。


そして、
2023 ハリエプロジェクト 秋のケイクコンペ、第1位に選ばれたのは…

「秋のフルーツケーキ」
伊藤 貴弘さん(日牟禮工房)

いちじくの赤ワイン煮の食感、ジンジャーで深みを。

※1次審査の際は商品名「ケイク フィグジンジャー」

〈林シェフコメント〉
秋の印象にピッタリで、いちじくの食感がとても良かった。
赤ワインとフルーツのマッチングがよくできている。

〈妹尾シェフコメント〉
おめでとうございます。
個人的には1位と2位は同率。完成度は2位が上だと思った。
味はすごく美味しいが、まだ伸び代がある。
ワインをもっと煮詰めてみたり、飾りのフルーツを焼きの途中で乗せたり、生地との一体感を意識したり…改善すればもっと良くなると期待している。

〈山本グランシェフコメント〉
コンペなので順位を付けたが、3人でずっと話し合いするくらい差はない。どれも良い出来だった。
その中で商品として引きが強いものを選ばせてもらった。今回勝ったからこれで良いとは思わず、まだまだすべての商品が良くできる。

コンペでは、見た目の惹きつける力、見た目から想像する味の印象(美味しいと思ってもらえるか)、見た目と味のギャップの工夫(想像通りではなく驚きがあるか)が大切。
まだ改善できるし、生地の高さの完成度がもう少し工夫されればより良くなると思います!
でも、美味しかったです。おめでとうございます!

〈山本グランシェフからコンペについて〉
コンペ形式にしたのはスタッフが普段から考える癖を持ってほしいから。“仕事”のことをずっと考える必要はないが、職人として“食について”考えることをやめないでほしい。

日常から歩いてショーケースで見てきれいと感じたり、レストランで出た料理に感じた驚きなどがあればあるほど、職人の深みが増していく。

それを披露するのがコンペ。今回は社内だが、日本、世界の様々な大会で、大会ごとに全く違った評価をされる。積極的に人から評価をもらえる機会に挑戦し、惜しまずに続けてほしい。

インプットしたものをアウトプットして…その繰り返しが経験になる。経験の場を選ばずたくさんチャレンジしてもらいたいです!
いろんな勉強、経験をかさねてもっと高めてほしいなと思っています。お疲れ様でした。おめでとうございます!

1位に選ばれました「秋のフルーツケーキ」は、2023年10月14日から約1週間、たねや・クラブハリエ 公式オンラインショップで販売いたします。

最終審査の様子はたねや・クラブハリエ 公式Instagramでご覧いただけます。