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ラ コリーナ日誌

ヨシ刈り2024 ~大阪・関西万博 茅葺屋根のパビリオン~
Text : 大村 啓子(経営企画室)
- #サステナビリティ
- #ラコリーナ
- #キャンディーファーム(農藝)
- #わたしたちの取り組み
もうすぐ大阪・関西万博が始まります。
大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会」への取り組みが世界中から集まり、いのちに関する8つのテーマでつくられた『シグネチャーパビリオン』が展開されます。
シグネチャーパビリオンの1つである「EARTH MART」では食といのちの循環に触れ、未来へのヒントを見つける空想のスーパーマーケットで様々な体験ができるようです。どのような体験ができるのか楽しみですが建物も魅力的です。
建築家の隈研吾さんが監修されたパビリオンは、里山の循環と営みを象徴するものとして茅葺(かやぶき)屋根が採用され全国5か所から素材が集められました。岡山の蒜山、大阪の淀川、熊本の阿蘇、静岡の御殿場、滋賀の近江八幡。昨年私たちが刈り取ったヨシもパビリオンの屋根に使用されています。
ラ コリーナ周辺の水郷地帯にはヨシ原が広がり、刈り取られたヨシは江州ヨシと呼ばれ、すだれ、和室の建具や衝立、茅葺屋根にも使用されてきました。しかし生活様式の変化や海外製品によってヨシは利用される機会が減ってきています。
ヨシ原は水質を浄化する働きにくわえ、魚や鳥たちの棲(す)み処(か)となり美しい景観をつくる大切な場所です。このヨシ原を未来へつないでいくためにラ コリーナでは10年前から地域の方や学生さん、つながりのある企業の方々とヨシ刈りを行い、ヨシの活用を進めてきました。
昨年2月にみなさんと刈り取ったヨシは乾燥させたあと、11月に大阪・関西万博の会場に納品されました。茅葺の素材は産地によってススキ、チガヤ、ヨシなど様々です。また同じ植物のヨシでも生育している環境によって色や長さ茎の太さも違い、「EARTH MART」では全国5か所それぞれの特徴を見ることができます。
茅葺屋根は定期的なメンテナンスを行えば50年ほど継続して使うことができ、素材のヨシやススキは土に還る最先端の循環素材です。
みなさまにも大阪・関西万博でどこか懐かしく、けれど最先端の茅葺屋根の素晴らしさを見ていただけると嬉しいです。