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ラ コリーナ日誌
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〈銅屋根〉銅曲げワークショップ
Text : 國領美歩(広報部)
- #本社〈銅屋根〉
- #ワークショップ
- #藤森照信先生
夏の名残を感じる日差しとカラリと爽やかな風が吹いた9月12〜14日の3日間、ラ コリーナ近江八幡には、従業員から大学生までのべ100人以上が集い、5500枚、5.5トンもの銅板を曲げました。
来春の完成予定に向け、着々と工事が進むたねやグループの新たな本社機能を備えた拠点「銅屋根」。
その名の由来となる、まさに「銅の屋根」に使う銅板を曲げる作業をワークショップで行いました。
設計を担当してくださるのは建築史家・建築家の藤森照信先生。
御神木と並んで突き出すような形の展望室の外壁を、銅板の屋根で覆います。
藤森先生によると「海坊主のような自由曲線を金属板で葺くのはこれまで不可能とされてきた」といいます。
しかし、金属板をウロコのように重ねると葺くことが可能だとか。とても実験的な工法で「銅屋根」は形作られてゆきます。
まずは、先生自らお手本を披露!
「幅はだいたいでいいんだよ。多少ばらつきがある方が“味”になるからね!」
建築家を志す学生にとっては憧れの存在である藤森先生。
その先生自らが、ダイナミックに銅板を曲げる姿にみんな興味津々の様子でした。
縦1m21cm、横30cm、厚さ0.35mmの銅板を机と角材の間に挟み、銅板を上へ下へ。
3〜4cm間隔で折り曲げてゆきます。
銅板を曲げる人、曲げ終わった銅板を運ぶ人、銅板を結束バンドで束ねる人、自然とそれぞれの役割に分かれ順調に作業は進んでいきます。
「これ持っていきますね!」「ありがとうございます!」
にぎやかな掛け声が飛び交いました。
この日は、滋賀県立大学、成安造形大学、京都工芸繊維大学、京都大学から建築の勉強をする多くの学生さんに参加いただきました。
将来は建築家になりたいというある学生さんは、作業をしながら藤森先生に質問をしていました。
自然の素材を積極的に取り入れる藤森先生の建築においても、強度や耐久性の問題で内部は人工素材などでしっかりと作られていることを知り、驚いていました。
お待ちかねのお昼はカレーの炊き出しです。
職人さんも、学生さんも、私たち従業員も、一緒に体を動かした後のカレーは最高でした。
銅板はなぜ曲げる必要があるのでしょうか?
ラ コリーナ近江八幡の建物の板金施工を担当していただいている丹保板金工業所の丹保八郎社長によると、展望室は高さも曲線形状も違う楕円の球体。
柔軟に伸び縮みして、その球面に馴染むのが曲げた銅板だと言います。
5500枚の銅板は丹保社長の綿密な計算によって、8種類の大きさを用意し、展望室の球面の勾配によって使い分けます。
銅は時を経て雨風に吹かれるうちに、光沢がなくなってゆきます。
重ねて葺いた銅板は強度を増し、影ができて重みのある表情へと姿を変えます。
自分の手で曲げた銅板は、どんな風に変わってゆくのでしょう。楽しみでなりません。
社長の山本も参加し、クラブハリエのバームクーヘンで元気を補充しながら、作業は夕方まで続きました。
普段はケーキなどをつくるシェフやお店で接客をするスタッフなど、みんなで協力し合う光景があちこちに見られました。
建築の勉強をする学生を前に、藤森先生自ら、ラ コリーナ近江八幡のメインショップ「草屋根」やたな田などを案内してくださる一コマも。
ここから将来、何人の建築家が生まれ、建築の仕事に携わるようになるのでしょうか。
学生のみなさんのキラキラとした表情をみていると、あふれる希望に胸が高鳴りました。
ラ コリーナ近江八幡はたくさんの人の手で、たくさんの夢と希望で作られてゆくのだと改めて感じられたワークショップでした。
展望室からは近江八幡の風景が一望できる予定です。
笑顔と希望がつまった銅板。そんな銅板が並ぶ「銅屋根」にたくさんの人が集う日を心待ちにしています。
※過去の記事 〈銅屋根〉工事が進んでいます!はこちら。
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お待ちかねのお昼はカレーの炊き出しです。
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銅板はなぜ曲げる必要があるのでしょうか?
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社長の山本も参加し、クラブハリエのバームクーヘンで元気を補充しながら、作業は夕方まで続きました。
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