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ラ コリーナ近江八幡のたねや農藝で、今年初めて挑戦したお米作り。
9月15日、待ちに待った収穫のときを迎えました。
“自然に学ぶ”がコンセプトのラ コリーナ近江八幡では、農薬を使わない、できる限り人の手で行う農業を実践・研究しています。
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お菓子の素材を作っていただいている農家さんの気持ちを少しでも知ることができるように。
普段はお菓子を作る職人や販売スタッフらがカマを持ち、1株1株丁寧に稲を刈り取りました。
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この日は、たねやのお菓子に使うよもぎを育てる自社農園「たねや永源寺農園」から、強力な助っ人もたくさん駆けつけてくれました。
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「子どものころは、こうやって手で刈ってたんよ」という経験豊富なみなさんはカマの持ち方から違います。
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手馴れた手つきで、次々と稲を刈って行きます。
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「ここはね、こうやってくるっと回して、キュッと入れ込むんよ」
刈り取った稲の束ね方を、やさしく教えて下さいました。
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永源寺農園のあるお母さんによると、コンバインなどの機械が登場する前の60年ほど前までは、どの家でも子どもから大人まで家族総出で稲刈りをしたそう。
「それはそれは、大変やったもんよ」
お母さんのお話を聞きながら、昔はあちらこちらで見られたであろう田んぼの風景を思い浮かべました。
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稲を刈り取る時の「ざくっざくっ」という音は、とても心地よいものです。
黙々と作業を続けていると、汗が流れます。
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田植えの時は2、3本だった苗は分けつし、片手で握るのが精一杯なほどの立派な株に育ちました。
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柔らかな曲線を描いて垂れ下がる穂の重みをずっしりと感じ、実りの豊かさを実感しました。
あんなに小さな米粒から芽が出、苗となり、穂が出て、ぎっしりと実が詰まった稲穂へ───
その過程が思い出され、とても感動しました。
束ねた稲は、稲架(はさ)がけに。
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ここから1週間ほどお日様に当て、じっくり乾かすことでお米のおいしさが増すといいます。
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最近は機械で刈り取ったその日のうちに乾燥することが多いですが、昔ながらの方法で自然にお任せします。
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しっかり乾いた穂の一部は足踏み脱穀機にかけました。
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大正時代に生まれ、昭和に普及したとされるこの脱穀機。
労力はかかりますが、自然と共に生きてきた昔の人の知恵の一端を学ぶことができます。
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穂から落としたもみは、ぎゅっと中身の詰まった、みんなの思いの詰まったお米となります。
作業を終えたあとのスタッフのすがすがしい表情を見ていると、豊かな実りは心の豊かさまでもたらしてくれたように思いました。
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自然の力強さを肌で感じ、“自然に学ぶ”ラ コリーナ近江八幡の確実な一歩を踏み出せた1日。
これから進む指標となるような、とても大切な日になりました。
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※あわせてお読みください。
・
みんなで田植え!(上)
・
みんなで田植え!(下)
・
永源寺、さらに北之庄へ。