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ラ コリーナ日誌
樹齢250年のご神木、シンボルツリー
Text : 田中朝子(広報部)
- #本社〈銅屋根〉
- #ランドスケープ
「八幡山と向こうに見える山の間、この場所から見るのが一番ええなぁ。」
敷地全体の造園でご協力いただいている、地元の門野造園さん。会長の門野 照さんが目を細めて笑顔でそう語られました。
その目の先に見えているもの、それは9月16日、メインショップ裏手に建築中〈銅屋根〉の一角に移植したクスノキのシンボルツリー。
メインショップを正面に、右側に高くそびえています。
一年前からこの敷地内で養生させ、この日を今か今かと待ちわびながら、いよいよその日がきました。
クスノキ高さ13メートル、重さは何と23トン!
このような大木を移植したり扱うことは、50年に一度あるかないか、一生に一度あるかないか、だそうです。
養生させていた場所から直線でわずか30mほどの移動距離ですが前日からとても大掛かりな作業になりました。養生していた周囲の土を取り除き、できるだけ木に負担をかけないように。
また、木の幹が折れたり傷つかないように吊り下げるロープをつけるのも細心の注意を払います。
木の向きも容易に回転できないため、綿密な計画のもと一つ一つの動きを丁寧に確認しながら作業が進みます。
枝が折れないように、根が傷まないようにトラックに立てたまま乗せ、トラックごと倒れたりしないようにスピードもゆっくりと慎重に、田んぼをぐるりと一周。ゆっくり、ゆっくり・・・
降ろされる場所まで少しずつ近づいてくる様子は、思わず息を呑む、ダイナミックな光景でした。
門野造園さんを中心に、周りのスタッフも見守りながら厳しい指示が飛び交う中、クレーンで吊るされ、無事に定位置へ。
根が下ろされるその直前には門野会長自らが前日に準備いただいたお酒で根元を清め、スルメを土に混ぜながら、おまじないをしていただきました。
「特別な木には、お酒とスルメを準備するんや。おまじないやな。気分的なもんやけどなぁ・・・。クレーンの足元やトラックにも無事に作業が終われるように清めてーー」と会長さん。
シンボルツリーに力強い息が吹き込まれ、新しい歴史が刻まれた瞬間でした。
一段高い場所に、とても誇らしく、堂々とした姿に周囲の緊張感が一気に和らぎ、笑顔があふれました。躍動感があり、とても親しみの持てる、そんなシンボルツリー。 「ようやく嫁がせられた。嫁に出した気持ちやなぁ」会長さんからの一言がとても印象的でした。 しっかりとこの地に根付き、50年、100年、200年・・・私たちが見ることのできない未来を静かにじっと見守り続けてくれる、包み込むようなとても大きな存在となりました。
一段高い場所に、とても誇らしく、堂々とした姿に周囲の緊張感が一気に和らぎ、笑顔があふれました。躍動感があり、とても親しみの持てる、そんなシンボルツリー。 「ようやく嫁がせられた。嫁に出した気持ちやなぁ」会長さんからの一言がとても印象的でした。 しっかりとこの地に根付き、50年、100年、200年・・・私たちが見ることのできない未来を静かにじっと見守り続けてくれる、包み込むようなとても大きな存在となりました。
(撮影:関宙明/ミスター・ユニバース)
ところで、実はこのシンボルツリーにはとても深い歴史があります。 次回は、この歴史と合わせてとても素敵な秘話をお伝えしたいと思います。