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ラ コリーナ日誌
ハリエプロジェクト〜次世代シェフプレデビュー企画〜 後編
Text : 青木 志歩(広報室)
- #クラブハリエ
次世代のシェフにつながるスタッフの発見と支援を目的にした新企画「ハリエプロジェクト」。今年初めて開催したこのプロジェクトには38名にスタッフが参加。一次の書類審査、二次の味審査を経て、4名が決勝に選ばれました。
今回は決勝の様子をご紹介いたします。 決勝の審査員は3名のシェフ。 クラブハリエ グランシェフ 山本隆夫 クラブハリエ ラ コリーナ近江八幡/近江八幡日牟禮ヴィレッジ セクターシェフ 妹尾徹也 オクシタニアル シェフ 中山和大 決勝戦のルールは、まず決勝進出者4名による90秒のプレゼンを行います。そして3名の審査員による味、見た目、価格、プレゼンを評価対象にし、1人10点、合計30点満点の点数で順位を決めていきます。
ライブがスタートしてからしばらくは笑顔の見えたシェフたちも、1人目のプレゼンが始まると真剣そのもの。プレゼン中は見ているこちらが思わず緊張してしまうほど。
<プレゼンの様子>
画像 左:ポテトット(守山洋工房 小俣さん) 画像 右:お米サンド(日牟禮工房 出口さん)
画像 左:レンコンとカボチャと鶏肉のカレーキッシュ(日牟禮工房 真崎さん) 画像 右:バナナメープルパウンド(オクシタニアル工房 廣瀬さん)
いつもはコメントを沢山くださるフォロワーさんにも緊張感が伝わっているのか、コメント欄もいつもより静かです。
<審査の様子>
1人1人のプレゼンを聞き、気になることがあればプレゼンターに質問をします。時々、グランシェフがフォロワーさんのコメントを読みながら返答し場を和ませていました。 集計している間にグランシェフから「僕は2回食べたけど、1回目より2回目、全員ちゃんと変わってます。改善が見れてめっちゃ嬉しい。」とコメントが。二次審査の最後にグランシェフがアドバイスをしたことが、今回の決勝に活かされているようです。 3名の審査員の採点が無事終わり、いよいよ結果発表です。
グランシェフのもとに集計結果が届きました。 3位から順に発表されます。 第3位 バナナメープルパウンド(オクシタニアル工房 廣瀬さん) 中山シェフ 「自分の部下なので言いづらいですが、一次選考の商品は食べたら確実に落ちると思ってました。そこから彼女なりに相談や改良して、この商品になりました。最終は、今日初めて食べたんですが、おいしかったので良かったです。優勝してほしかったですが、社内コンペを通して彼女はすごく成長したと思います。」 グランシェフ 「これは驚くほど良くなりました。バナナは本当に難しい。熱を加えると香りがしなくなるので、それをどう出すか。今回はリキュールの香りが強くでているので、バナナの香りを補う程度の量だったらいいのかなと思います。そのために他の香りを抑えたり、バナナの加工方法を変えるなど工夫できたらいいかな。難しい素材に挑戦してどんどん良くなっていったので、ここからどうするか…でもっと良くなると思います。」
第2位 ポテトット(守山洋工房 小俣さん) 妹尾シェフ 「美味しかったです。芋自体もバナナと同じで、難しい素材。芋が美味しい理由として香りや甘さ、食感が印象に残る素材なのでお菓子自体にも『ココ!』っていう印象に残るポイントがあるともっと良くなると思います。全体的にマイナスがなく、美味しいお菓子でした。」 グランシェフ 「美味しかったです。僕は好きなお菓子です。芋と言えばたねやの商品「長寿芋(ちょうじゅいも)」がありますが、僕の商品開発の基準は今ある商品よりも美味しくしようと考えるのがベース。僕が思う長寿芋の美味しさは、芋の皮を入れているとこ。これには意味があると思います。芋には繊維質があって、ほくほく感があるのが特徴。今回の商品はそれらをなくして綺麗なペーストしているので、芋の味はするけど芋のよさを消してるのかなと少し思います。そこを出してきたらもっと良くなると思います。強いて言うなら、というアドバイスで実際には美味しかったと言うのが本音です。」
第1位 お米サンド(日牟禮工房 出口さん) 中山シェフ 「美味しすぎてびっくりしました。二次審査までを見ているだけでは『そんなに美味しくないのかな』と思っていましたが、パフの食感やキャラメルも良く、味もはっきりしていて美味しかったです。」 妹尾シェフ 「楽しいお菓子だなという印象です。味が「美味しい」は作る側からしたら当たり前という中でデザイン性、味と食感の楽しさがあるお菓子というのが良かったと思います。」 グランシェフ 「いい意味で期待を裏切るお菓子でした。パッと見て『美味しそう』というより『安っぽい』という印象だけど食べるとガラッと雰囲気が変わるお菓子。ラ コリーナは田んぼもあるし、イメージもしやすいので商品としては完成度が高い。『お米サンド』という商品名だが、お米以外の素材が強かった。中はキャラメルサンドという印象。お米感をもう少し工夫できるかなと感じました。全体的にいいので優勝です。おめでとうございます!」
第4位の商品についても3名の審査員からコメントをいただきます。 第4位 レンコンとカボチャと鶏肉のカレーキッシュ(日牟禮工房 真崎さん) 中山シェフ 「美味しいですが、第一回目お菓子の社内コンペということで厳しくつけさせていただきました。170度で40秒という指示通りで温めましたが、すごく温(ぬる)かったので少し辛口の採点しています。考え方やラ コリーナで販売することについては響くものがあったのでよかったと思います。」 妹尾シェフ 「美味しかったです。ただ、キッシュの大会としたら、もっと美味しくする要素があったかなと思います。甘いものの中にある塩気というプラスの面を除き同じ目線で見た時に、弱いというところで4位なのかな。しかし、キッシュを作ることはお菓子作りにもつながるので『もっと美味しく』という目線で工夫すれば、美味しくなると思います。」 グランシェフ 「美味しかったです。鶏好きなので鶏を使っているのが最高でした。実は、これは『ずるい』と言うと『え?』と思うかもしれないが、審査員が喜ぶことを出来るというのは的を得てるという考え方もある。僕は極端な鶏好きなので鶏肉をもってきたのはわかりやすい。但し、決勝は審査員3名。僕の票は1票にすぎず、残り2票をどう取っていくかを考えなければ勝てない。僕はアパレイユ(キッシュの中の生地)のパサつきやざザラつきがもっと改善できるなと感じました。改善点があるということで4位という結果になりました。」
一位に輝いた出口さんよりコメント 「今回、自分が一位になると思ってなかったので、驚いています。社内コンペを通してお菓子を一から考え作る経験ができたこと、3名のシェフに食べてもらい感想をいただけるという貴重な経験ができたことをすごく嬉しく思います。これを仕事に活かして日々頑張っていきたいと思いました。ありがとうございます。」
今回初めての“社内コンペを配信する”という「ハリエプロジェクト」。 一つの商品が生まれる過程を見ていただけたこと、またお客様がどんなふうに商品をご覧いただいているのかなど、新しい発見がたくさんの企画となりました。 ご協力いただいたみなさま、応援していただいたみなさま、本当にありがとうございました。これからもわくわくたのしい気持ちと美味しいお菓子をお届けできるようにがんばりますのでご注目ください。 今回の優勝作品の販売もお楽しみに!
一次審査、二次審査の様子はラ コリーナ日誌ハリエプロジェクト〜次世代シェフプレデビュー企画〜 前編でも紹介しています。
ハリエプロジェクト審査の様子はYouTube、IGTVでもご覧いただけます。
【YouTube】 一次審査