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ラ コリーナ日誌
歳時菓 ~たねや氷室~
Text : 桂浩子(広報室)
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みそ風味の道明寺を外郎(ういろう)生地で包み、赤い羊羹を添えた「たねや氷室」は6月1日限定でお届けするお菓子です。
氷室(ひむろ)とは氷の貯蔵庫のこと。山中に建てられた氷室に冬のあいだ氷をたくわえ、夏になれば宮中や幕府へと献上されました。
冷たいものをいつでも楽しめる今と異なり、江戸時代ごろまで夏に氷を手にできたのは一握りの人々だけでした。
賜氷節(しひょうせつ)、氷室の節句と呼ばれた旧暦六月一日には宮中や幕府でも臣下に氷が与えられましたが、庶民にとっては夢のまた夢。氷を口にすれば夏痩せしないとされていましたから、暑い季節を無事に過ごせるよう氷を模したお菓子をいただくようになりました。
「たねや氷室」では外郎生地を山に見立て、三角の羊羹で氷室の中にある氷をあらわしています。
迎える夏を健やかに。また、福が訪れますよう願いをこめ書家 水野恵氏による「祈上萬福陽々(きじょうまんぷくようよう)」をパッケージに添えています。
「たねや氷室」は6月1日、1日限りのお菓子。公式オンラインショップでは5月15日からご予約を受け付けています。
かつては比良山系にもあったと伝えられる氷室。氷にちなむ初夏の一品は、食べる前に少し冷やしてお召し上がりください。