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ラ コリーナ日誌

2024 ハリエプロジェクト クリームチーズコンペ 最終審査

Text : 林 俊史(クラブハリエ セクターシェフ)

  • #クラブハリエ
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  • #コンセプト

9月10日からの1週間、県内各店舗やオンラインショップにて期間限定販売を予定している『クリームチーズを使ったお菓子』を決める社内コンペ(ハリエプロジェクト)を開催いたしました。

参加対象者はクラブハリエの若手製造スタッフ。
今回は生菓子部門(要冷蔵ケーキ類)と焼き菓子部門(パン類含む)を設けました。

7月10日に行われた一次審査は生菓子部門が12作品、焼き菓子部門が5作品のエントリーがあり、各部門3作品が一次審査を通過しました。

2024 ハリエプロジェクト クリームチーズコンペ 一次審査

一次審査通過者は、それぞれ一次審査終了後さらにレシピや仕上げの微調整を行い、7月18日の最終審査に挑みました。

最終審査の審査員は、クラブハリエ グランシェフ 山本、セクターシェフ 妹尾、林が務めました。

▲左から、林、妹尾、山本

一次審査通過者の紹介後、先に生菓子部門から緊張の試食審査です。
審査員の山本グランシェフはどのケーキが誰の作品か分からない状態で審査をしました。

3つの作品を順不同で試食していき、時には食べ直しもしながらレシピ内容も合わせて確認し、採点をします。

続いて焼き菓子部門の試食審査です。
審査員にお菓子を渡すのは各スタッフですが、個別特定は出来ない様にランダムで提供します。
これもスタッフにとっては緊張のシーンだと思います。

すべての試食審査が終わり、審査員3名で協議の上、順位が確定しました。
まずは生菓子部門から順位発表です!

生菓子部門 第3位
エントリーNo.8 西岡 はるなさん(八日市工房)
「charme(シャルム)」

〈山本グランシェフコメント〉

味は美味しいが、他の作品と比べると固さが危なかった。
飾りのチョコが固くて切ったらボロッとなってしまい、完成度が落ちる。
持って帰ったら壊れてしまいそうな商品は、持ち帰りのケーキ屋さんでは致命傷になるのでこの結果となった。

生菓子部門 第2位
エントリーNo.10 宮崎 恵理さん(八日市工房)
「アプリコ・テ・フロマージュ」

〈山本グランシェフコメント〉

これ好きでした。
この作品が一番食べるときに壊れにくかったので、そこの評価は高かった。
クリームチーズがテーマならクリームチーズの味がちゃんと出ていて欲しいと思うが、そこもちゃんと出ていた。
ちょっと味がふわっとしていたので、どこかにちゃんとしめるような味があったらよかった。

2024 ハリエプロジェクト クリームチーズコンペ
生菓子部門 第1位

エントリーNo.5 高橋 依和さん(日牟禮工房)
「フロマージュ・アプリコ」

〈林シェフコメント〉

全体のバランスが良かった。型を使うとピタッとハマる比率を出すのが難しいが、何度か組み合わせを調整したことが感じられた。
外側と真ん中と底との味のバランスがすごく良く感じた。

〈妹尾シェフコメント〉

経験年数が一番少ない分クオリティがブレたりするところは出ているけど、経験年数がないからこそシンプルな構成で味の出方がすごくわかりやすくて、それがプラスに働いていた。
あとは、ナイフで切るだけではなくフォークで切って食べてみたりして、ずれたり問題があるところを修正できればもっともっと良くなると思う。

〈山本グランシェフコメント〉

あえて駄目なところを探すなら、3位と同様に上のチョコが硬すぎて切ったときに崩れてしまうのがマイナスだった。
味は一番はっきりしていて、何がどこに入っているのかがわかりやすいところが高評価となった。
ケーキの固さは3位と2位の間で、そこが一番ちょうどいいと感じた。

〈日牟禮工房 高橋 依和さんコメント〉

この度は貴重な経験ありがとうございました。今年3年目で初めてコンペに参加し、このような形で評価していただけてとても嬉しく思います。
工房の先輩方にたくさんアドバイスをいただきできた作品ですので、感謝の気持ちでいっぱいです。
まだまだ直すところがいっぱいあると思いますので、もっともっと美味しくできるように頑張りたいです。ありがとうございました。

生菓子部門1位に選ばれた「フロマージュ・アプリコ」は、9月10日から1週間、滋賀県内各店舗にて期間限定販売いたします。
※販売店舗は変更する可能性がございます。

続いて焼き菓子部門の順位発表です!

焼き菓子部門 第3位
エントリーNo.4 入江 未久さん(ジュブリルタン工房)
「ネージュ」

〈山本グランシェフコメント〉

経営者目線で見ると、完成品の形が斜めになっていたりとバラつきがあること、切ったらバラバラになってしまうことなど、お客様が食べる目線が完成していないことでマイナスが多かった。
中のクリームはちょっと塩感が強くてもう少し改善する方法があるのではと思った。

焼き菓子部門 第2位
エントリーNo.5 木村 穣さん(ジュブリルタン工房)
「フロマージュバブカ ~アジアンテイスト~」

〈山本グランシェフコメント〉

パンとケーキの戦いは、全体的に原価の安いパンとちょっと高価な材料のケーキの戦いなので、そもそもパンはちょっと不利になりがち。それをどうカバーするか。
パティシエは細々装飾をするが、どすんとしてしまうパンが同じ場所で戦うと差が出てしまう。
クリームチーズとして食べた味は一番良く感じたので、ケーキの大会に出すパンであればより細かい細工をしてくるケーキにどう対抗するか考えたら余裕で勝てる。
入口が違うところで堂々と戦えている仕上がりだった。

2024 ハリエプロジェクト クリームチーズコンペ
焼き菓子部門 第1位

エントリーNo.3 辰田 公平さん(近江八幡工房)
「かぼちゃのチーズタルト」

〈林シェフコメント〉

クリームチーズを使った焼き菓子はクリームチーズの味を出すのが難しい。
クリームチーズをいっぱい入れると生地の水分が多くなり、日保ちがすごく短い焼き菓子になってしまう。
クリームチーズの添加量のせめぎ合いをうまく調整してしっとり感のある焼き菓子にできている。
もう少し表面のトッピングの凸凹が取れない程度にわかるくらい凸凹している方がより良いのではないかと思う。

〈妹尾シェフコメント〉

あえてマイナス点を言うなら、もっと良くできたんじゃないかと思う。
先程の2位がパンの要素であれば、もっとお菓子に振り切って、テクニックを使うことができれば、もっともっと美味しくなる。
クリームチーズを使ってどこまで美味しい焼き菓子を作れるかは難しい課題なので、もっと研究してほしい。

〈山本グランシェフコメント〉

当然1位なので褒めることが多いが、あえて言うなら、シュクレ(※タルトの土台の生地)の敷き方が厚すぎて形にフィットしていなかった。ここがタルト系の一番重要なところなので大事にしてほしい。
固さも良く、食べやすい美味しいはクリアしている。美味しかった。

〈近江八幡工房 辰田 公平さんコメント〉

ありがとうございます。
結果が伴って良かったです。まだ時間はあるので、ご指摘いただいたところをもう少し良い状態にして提供できるように頑張りたいと思います。

焼き菓子部門1位に選ばれた「かぼちゃのチーズタルト」は、9月10日から1週間、オンラインショップで限定販売を予定しています。

最終審査の様子はInstagramでご覧いただけます。