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ラ コリーナ日誌

みんなで創る 未来の田んぼ 2025 -稲刈り-
Text : 松吉 美弥(ツアー管理室)
- #サステナビリティ
- #ラコリーナ
9月20日、「みんなで創る 未来の田んぼ」プロジェクト3年目の稲刈りを行いました。
北之庄ラ コリーナ前のバス停から見える田んぼでは、近江八幡の豊かな風土の中、無農薬・無化学肥料で自然本来の力を活用した米づくりを行っています。
ご縁ある地域の方や企業団体の方々にご参加いただき、手作業での田植えや稲刈りを通じて、私たちの食や農が抱える多くの課題に取り組むプロジェクトです。
今年5月24日の田植えには100名を超える多くの方々にご協力いただきました。
夏のあいだ元気に育ったお米の待ちに待った収穫です。
刈り頃を見極めて予定日を調整することとなりましたが、それでも総勢53名にお集まりいただきました。稲刈りに参加いただいた方々をご紹介します。
摂南大学農学部
株式会社良品計画
日本航空株式会社
特定非営利活動法人 まるよし
NPO法人生命科学技術普及センター
NPO法人アングラーズプロジェクト
滋賀県立琵琶湖博物館
(順不同)
キャンディーファームのスタッフにノコギリ鎌の使い方を教わりいよいよ稲刈り開始!
午後からの雨が心配される曇り空の中、午前中がチャンスと気負いながら稲刈りを進めました。
朝からの雨で一気に秋めいた風が心地よく、楽しく作業がはかどります。
酷暑続きで除草作業が追いつかないと聞いていましたが、雑草がありながらも稲は思っていたより背丈があり一株の束を掴むので精一杯。実りを感じられました。
今回の稲刈り参加でみなさんに共有したいポイントがふたつありました。
1つ目は、この田んぼには生き物が沢山いるということ。
多くの生き物がいるからこそ植物が育ちおいしいお米ができます。
参加者の皆さんも口々に「たくさんいるね~」との感想がありました。
いつのまにか、滋賀県立琵琶湖博物館よりご参加の鈴木先生の周りに子供達が集まって青空勉強会!
バッタやカマキリ、トノサマガエル、イナゴ…、たくさん見つけて興味深々です。
2つ目は五感を使うこと。
生き物や土壌、空気を感じて、秋の実りを収穫、自然の恵みを全身で感じることを意識して参加しました。
何より多彩な方々に参加いただけるからこそうまれる新鮮なコミュニケーション。
互いに声を掛けながらふれあいも多く、収穫を終えた時は皆で喜び、ワンチームになれたと感じることができました。
午前中に目標としていた面積の稲刈りを終えることができ、この日は玄米500キログラムを収穫。
今年収穫したお米は「ラ コリーナ米」としてこの秋販売しております。
品種は「秋の詩(うた)」。
「コシヒカリ」と「吟おうみ」を掛け合わせて育成された滋賀県オリジナルの品種です。食べ応えのある粒の大きさと「コシヒカリ」よりもあっさりした味わい、適度な粘りが特徴です。
このプロジェクトも3年目となり、「農」の体験、多彩な方々とのコミュニケーションが醍醐味でありながら、収穫と共に、自然本来の力が年々育まれている成果も得られています。
稲刈り後、この田んぼの検証結果を以って、様々な視点で振り返る学びの場がありました。
水田の時期にはホウネンエビ(豊年蝦)が見つかったとの報告があり、プロジェクトの意義が感じられて印象的でした。
ホウネンエビ(豊年蝦)
ホウネンエビは、水田などに生息する小型の甲殻類。
藻類や有機物を食べるため、田んぼの水を綺麗にし、水に酸素を含ませてくれます。
農薬などが多い田んぼには生息できないため、豊かな生態系の指標にもなります。
こうした進歩がまた「未来の田んぼ」とうたう所以でもあります。
みなさんからの関心、ご協力とあたたかく見守っていただけることに感謝しています。一歩ずつの成果にこれからもご期待ください。
体験し、楽しく学び、そして未来に繋ぐ。
ご縁が生まれ続いていく、そうしたプロジェクトであることを改めて知ることができました。