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ラ コリーナ日誌
世界初!おきなわバニラプロジェクト 魅力に迫る
Text : 林 俊史(コーポレートデスクシェフ)
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ふわっとひろがるワイルドで特別な香り。
クラブハリエも事業支援を行う「おきなわバニラプロジェクト」がスタートしたのは2018年。
香りを生み出す発酵技術の特許を取得し、2025年、ついに独特の芳香をもつバニラができあがりました!
ほのかに野性味を感じる香りはこの沖縄産バニラならでは。
今回はそんな沖縄産バニラの魅力と、完成までの道のりをご紹介します。
世界初の挑戦

プロジェクト当初より“パティシエ”が参画し、圃場(ほじょう)の開墾から定植、受粉などに携わっていること。
さらには完成したものを随時品評、試作をして栽培生産に反映させた取り組みは世界初のこと!
世界中の主な生産地でもマニュアル化されてこなかった栽培およびキュアリング工程。このプロジェクトでは科学的な分析実証を繰り返し、日本国内での栽培生産方法を確立させ、“バニラビーンズの製造方法”の国際特許及び国内特許を同時取得しました(三社合同)。
「おきなわバニラプロジェクト」の始まり

クラブハリエでは2012年頃より、NPO法人ディーセントワーク・ラボ(当時は株式会社テミル)さんの依頼を受け、障がいのある方々の働き甲斐と賃金向上を目的とした“テミルプロジェクト”のもと、福祉施設への菓子製造の技術指導を行っていました。
2017年、ディーセントワーク・ラボさんより、世界的な品不足や不当な価格高騰が繰り返される「バニラ」を日本国内の障がい者施設の仕事として栽培加工生産することが、“テミルプロジェクト”の活性化に繋がるのではないかと相談をいただきました。
その後、2018年にはクラブハリエが全面的に協力する形で「おきなわバニラプロジェクト」がスタートしました。
「おきなわバニラプロジェクト」って?

バニラの栽培は、気候等の面から日本国内では沖縄が適しているそう。
そんな沖縄県の北中城村 (きたなかぐすくそん)にて農福連携で障がい者就労施設を運営されている「合同会社ソルファコミュニティ」と、「ディーセントワーク・ラボ」、「クラブハリエ」の3社で取り組みが始まりました。
この取り組みはバニラを栽培、収穫、“キュアリング”と呼ばれる熟成醗酵工程の確立までのすべてを自社で完結するもの。
すべてを自社完結させることで、携わる方々の働き甲斐や賃金向上のほか、失業率の高い沖縄県の雇用創出、耕作放棄地の活用等に効果が期待できます。
誕生までの長い道のり

2019年より約5年もの歳月をかけ、バニラの最大生産地であるマダガスカルをはじめメキシコ、台湾、タイなど、世界中の様々な生産地へ赴き視察を重ねました。
驚くことに、これらの生産地では栽培についての科学的な研究はこれまでほとんど行われていませんでした。
このプロジェクトをきっかけに、東京農業大学と連携しながら科学的な栽培方法の確立を進めることになったのです。

マニュアルがない中での挑戦。さらに今回は日本での取り組みとなるため、気候や土壌の違いから従来通りにはいかないことばかり。
何度もトライアンドエラーを繰り返し、ようやく日本にピッタリのキュアリング方法のマニュアル化に成功しました!

バニラを育て、材料として使用するために必要な期間は、なんと約1年!
5月頃の“受粉”から果実樹上育成、1月頃の収穫を経て、キュアリング(熟成醗酵工程)が完了するのは5月頃になります。
沖縄産の苗の栽培も一苦労。
挿し木で育苗するのですが、花芽をつけるまでは定植から3年ほど。その後、ようやく徐々に花芽をつけるようになっていくのです。
人の手で丁寧に

バニラの育成では人の手が重要な役割を果たします。
バニラの授粉はなんと全て手作業の人工授粉!
花が開花するのは早朝から昼までのたった数時間。タイミングを見て小さな花を受粉させるには、瞬間的に多くの人手が必要となるのです。
さらにキュアリングの工程でも人の手が欠かせません。
鞘を人の素手で揉む工程では常在菌を必要とするため、現段階では機械化は難しいのです。
長い道のりを経て

2023年に完成した沖縄産バニラビーンズの試作テストでは、大変良いものが出来上がりました。
ところが翌年2024年に完成したバニラは満足のいくものではありませんでした。
キュアリングを経て生まれるバニラの甘い香り。香りの強さや特徴はつくる年ごとにことなるのです。
昨年の反省を活かし、2025年に収穫、加工したバニラは納得のいく素晴らしいもの!
ようやく工程を確立させることができました。
ほのかに野性味のある香りを活かしたとっておきのスイーツ。
いよいよ皆様にお届けすることが叶います。

沖縄産バニラだけの味わい
“ワイルド”、“野性味”のある味、香りが最大の特徴。
口に含んだ際の、香りの持続性も特徴の一つです。
栽培時に樹上での熟成期間をしっかり取り、適度な摘果を行うことで、“生鞘”の段階で質が良いものに仕上げています。
さらに、キュアリングの際にはマダガスカル現地により近い手法で行いつつ、水分量等を数値化することで出来上がりの精度を高めています。
沖縄産バニラの今後
現在は更なる品質向上のため、東京農業大学の加藤教授(土壌学)のご協力のもと、5年間をかけての最適な土壌の追求が始まっています。
また、キュアリングに関しても沖縄県工業技術センターとともに収量増に対応したキュアリングの研究が始まっています。
今後も沖縄産バニラから目が離せません!
